BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2020.05.28

日本矯正歯科学会による新型コロナウイルス感染症への対応

メープル矯正歯科の山口です。

緊急事態宣言がいよいよ全国的に解除され、少しずつ街に人が戻ってきそうですね。ただ、緊急事態宣言が解除されたからと言って、コロナウイルス感染症が完全になくなったわけではなく、まだまだ緊張した日々が続くのではないかと思いますし、引き続き「三密」を避けていきたいなと考えております。

さて、矯正歯科医院として、今回のコロナウイルス感染症に対してどうやって感染予防をしているのかという点を少しお話ししていこうと思います。日本矯正歯科学会(日本国内で一番大きな矯正に関する学会)が、新型コロナウイルスに対する対応のガイドラインを公表したので、簡単にご紹介しましょう。

1)歯科医師および医療スタッフの予防策
まず初めに歯科医師と衛生士、スタッフの対策として、手洗いの徹底、医療用手袋、マスクの正しい着用やゴーグルによる目の保護。自身の免疫力を高めるということで、食事や睡眠をしっかりととることを推奨しています。


2)診療室における予防策
次にクリニックに対しての予防策です。
矯正歯科医院では、タービンやエンジンのように一般歯科で歯を削るようなことはほとんどありませんが、診療室のユニットチェア周りだけでなく、普段使用するパソコン、ドアノブや電気のスイッチなどの消毒を頻繁に行うようにということをうたっています。また院内、待合室の換気を定期的に行うことで、感染リスクを減らします。

3)患者さんへの対応
患者さんにお願いするのは、結構細かく注意が出ています。来院前には必ず検温を徹底してもらい、入室時には診療以外は必ずマスクを着用頂きます。また、医院内でなるべく人の接触する頻度を下げる為、診療スケジュールを調整しています。通常1か月ごとの来院を1.5か月程度に延ばしたり、患者さん毎のスケジュールを調整し出来る限り待合室にいる患者さんの数を減らすようにします。
その他細かく出ていますので、もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、こちらのURLをご確認ください。
http://www.jos.gr.jp/news/2020/0413_12.html

歯科医院は、患者さんと歯科医の距離が近いため感染リスクが高いといった情報が出ていたこともありますが、距離が近いから感染リスクが高いということではなく、感染対策をしないと感染リスクが高まるということです。

そもそも今回の新型コロナウイルス感染症に限らず、院内感染対策を大切にしてきています。歯科医院は通常のレストランや販売店と違って、医療機関ですから日々の感染対策の意識は高く、口の中に入れる機器などは全て滅菌レベルの対応をしています。



「絶対」はありませんが、皆さん全員でこのコロナウイルスの状況を乗り越え、また通常通りの生活が一日も早く戻るよう願っております。

2020.05.01

自宅での矯正治療について

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、外出自粛が求められている中での矯正治療についてのお話をしていきたいと思います。

最近ではマウスピース型矯正治療が少しずつ普及してきており、患者さんの認知度も上がってきているように感じます。従来の矯正装置(ブラケット、ワイヤーなど)を使用するより目立ちにくいという利点はありますが、欧米と比較してアジア人は叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(しゃくれ、受け口)などの不正咬合が強い傾向があるために、マウスピース型矯正では治療が難しいことが多いです。

その様な中、通院せずにマウスピース型矯正治療が出来るという広告を目にしました。セミナーに参加し、口腔内スキャナーでスキャンすると後日、自宅にマウスピースが到着するというものです。上にも書きましたが、欧米人は不正咬合があまり無いケースが多いため、この様なものも出回っているらしいですが、アジア人ではご自身では自覚がない不正咬合が潜んでいる可能性が高いです。矯正治療は医療行為であるため、免許を持った歯科医師がしっかりと検査・診断を行った上で治療を行うことが大切です。新しい技術が出てくることを否定するつもりはありませんが、有用なものをしっかりと見極めていく必要があるのだなと再確認させられたような気がします。

話は戻りますが、外出自粛中のため既に矯正治療を開始されている方も普段よりしっかりと意識していただきたいことがあります。

1、歯磨きをいつも以上に徹底すること
緊急事態宣言が発令されて以降、世間的に休業する傾向が強くなってきました。歯科医院でも例外ではなく、ご自身やスタッフの方の安全を考慮して長期休業を行うところが見受けられます。その様な時に、虫歯などのトラブルが発生してしまうといつも以上に治療が困難になります。矯正装置の装着中は、磨き残しなどが増える可能性がありますので、いつも以上に時間を掛けて歯磨きを行うように意識してみてください。

2、緊急時の対応方法
先程も書きましたが、矯正治療は医療行為になります。何かトラブルがあったときにご自身で対応することは難しく、変な対応をしてしまうと治療期間が延びたりしてしまう可能性もあります。緊急時の連絡先なども含めてしっかりと確認するようにしてください。

3、健康管理
矯正治療を開始した直後や、ワイヤーを交換したすぐなどは違和感などから柔らかいものやあまり咬まなくていいものを食べようとする傾向があります。個人差はありますが、違和感は長く続くものでもないので、しっかりと栄養バランスのとれた食事を摂るようにして、ご自身の健康管理に注意してください。

この様に、矯正治療では治療で来院しているとき以外にも自宅で注意していただきたい点があります。普段忙しくて疎かにしがちなこともあるかもしれませんので、こういった自宅で過ごす時間が長くなっている時に見直してみるのもいいのではないでしょうか。

2020.04.03

妊娠・出産における矯正治療のメリット

メープル矯正歯科の山口です。

前回、妊娠中でも矯正治療は可能かどうかというテーマでお話ししましたが、今回はむしろ妊娠や出産において矯正治療がメリットとして挙げられる点についてお話していきたいと思います。

■虫歯のリスク低下
前回、妊娠中は虫歯に注意していただく必要があるとお伝えしましたが、矯正治療で歯列が改善されると、ブラッシングの際の磨き残しが少なくなります。そうすると虫歯にかかるリスクが少なくなり、妊娠中の虫歯治療などのストレスを抱えることが無くなるのではないかと思います。

■歯牙の保護
出産時には、妊婦さんにかなり負担がかかるので、強い力で歯を食いしばるという方もおられます。その際に、叢生(凸凹、乱ぐい歯)などの不正咬合があると、接触する歯が限定されます。しっかりと噛み合わせが整った歯列であれば食いしばりの力も分散できるのですが、特定の歯しか接触していない状態で食いしばりが起こってしまうと、食いしばりの力が集中して歯が欠けてしまうなどのリスクもあるため、注意が必要です。スポーツ選手などで奥歯がすり減ってしまうというのも同じように食いしばりが原因で起きています。そのため、少しでも力を分散させることが出来るように噛み合わせの改善を行うと、歯牙の保護にもつながります。

■食事の際のメリット
矯正治療で歯並びを改善すると、咀嚼機能が向上します。その結果、食べ物をしっかりと細かく噛み砕くことが出来て、消化・吸収の効率が良くなります。赤ちゃんがお腹の中にいる時は、お母さんが摂取した栄養が赤ちゃんの栄養にもなりますので、食事に気を付ける方もたくさんおられます。そのため、効率の良い消化・吸収は、そういった観点から母子ともにとても有益なことだと言えると思います。
もちろん、上に挙げたことは妊婦さんに限ったことではありません。男性でも女性でも、虫歯や歯のすり減りのリスクを減らせるのはいいことですし、栄養の吸収効率が上がることもとても有益なことです。矯正治療は治療期間や費用も掛かる治療のため、人生の転機に検討する方も多くおられます。そういった方も含めて、最大限有益な治療を行いたいと思いますので、何か気になることや悩んでいることがある場合は、お気軽にご相談ください。

2020.02.19

妊娠の際の注意点

今回は一見無関係に思われるかもしれませんが、妊娠と矯正治療の関係性についてお話していきたいと思います。

今これを読んでくださっている方の中にも、以前矯正治療を検討していたが、結婚・妊娠を機に治療をあきらめたという方もおられるのではないかと思います。では実際、妊娠すると矯正治療を行うことは難しくなるのでしょうか?答えから言いますと、「No」です。妊娠してから治療を始める方は体調的に少ないかもしれませんが、矯正治療は長い治療期間を要することがありますので、治療中に妊娠するという患者さんは少なからずおられます。そういった方に治療中断していただくなどの負担はほとんどありませんので、安心していただけたらと思います。しかし、矯正治療に限定した話でもない点もありますが、妊娠中の治療には注意していただきたい点がいくつかあります。

■麻酔や薬の使用について
矯正治療の途中で麻酔を使用することは少ないですが、場合によっては抜歯したりする時に麻酔を使用することがあります。局所麻酔のため大きな影響は出にくいと考えられますが、念のため安定期に入ってから治療を行うといったタイミングを検討する必要はあります。また、薬の使用に関しても全員が必要というわけではありませんが、治療開始時やワイヤーを交換するタイミングで少し痛みを感じる方もおられます。最近では、弱い力を継続的にかけられる矯正器具(ブラケットやワイヤー)もありますので、そういったものの使用などで極力薬の使用は控えていただくことをお勧めいたします。

■虫歯の治療について
こちらも麻酔の話につながるかもしれませんが、妊娠中の麻酔を使用する虫歯治療は難しくなります。妊娠中はただでさえホルモンバランスなどの影響で虫歯になりやすくなっておりますので、ブラケットなどの矯正器具の隙間はかなり注意してブラッシングしていただくようにお願いしています。

■CT、レントゲンの使用について
CTやレントゲンを撮影する際、低量ではありますが放射線被ばくが起こります。歯科で使用するものは日本産婦人科学会でも被ばく量としては問題ないと言われていますが、無いに越したことはありませんので、可能であれば妊娠前に検査などは済ませておいていただくことをお勧めいたします。

結婚や妊娠など、女性の方は思わぬところで人生の転機が訪れるかと思います。今現在治療中の方も、これから矯正治療を検討されている方も、そういった患者さん自身のライフワークを最大限考慮した治療を心がけていますので、不安なことなどがある場合はいつでもご相談ください。

2020.01.28

矯正治療中の夜食に関する注意

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療中の夜食を摂ることに関する注意という点についてお話していきたいと思います。

矯正治療中に限定してのお話ではないかもしれませんが、夜食に関する注意点としてやはり虫歯のリスクが高くなるということです。日本人の8割が虫歯の問題を抱えているという話も聞くぐらい虫歯に関してはリスクが高い問題で、矯正治療中に虫歯にかかってしまうと様々な問題が出てきます。


■矯正治療中の虫歯の問題

①矯正治療の中断虫歯はご存じの通り、一度かかってしまうと自然治癒するものではありません。そのため、矯正治療中に虫歯にかかってしまうと一旦矯正治療を中断して虫歯の治療を優先する必要があります。矯正装置を外してしまうと、外していた期間に応じて治療期間が長くなってしまう可能性があります。

②矯正装置の費用矯正装置を一度外してしまうと、再度装置を作成して装着する必要が出てきます。これはブラケットを使用する矯正治療や、アライナーを使用する矯正治療いずれにも言えることで、再作成の費用など余分にかかってしまうことがあります。

この様に、単純に虫歯治療といっても様々な影響を及ぼしてしまうことがあります。そのため、矯正治療を開始する前にはしっかりとブラッシングをしてもらえるようにブラッシング指導を行っていますので、意識して磨いていただいている方も多いかと思います。


ただ今回少し気になるデータとして、子供の歯磨きの習慣についてというものがありましたので、そちらも紹介してみたいと思います。

■夜食を食べることがありますか?(軽食やお菓子などを含む)
・中学1年生:27%、中学2年生:32%、中学3年生:31%
・高校1年生:26%、高校2年生:32%、高校3年生:38%

■夜食を摂った後に歯磨きをせずに就寝することがある人の割合
・0時以前に寝る人:24%
・0時以降に寝る人:39.8%

この様に、受験勉強などで夜食を摂取することが多くなる高校生では約4割のお子さんが歯磨きをせずに寝てしまうことがあると回答しています。また、夜食として食べ物を食べた後は歯を磨くが、ジュースなどの糖分を含んだ飲み物を飲んだぐらいでは磨いていないという人まで含むともっと割合は高くなるのではないかと思います。

初めのうちは頑張って磨いていたというお子さんでも、だんだん億劫になってサボってしまうということもあるのではないかと思います。治療中のお子さんの口腔内の状況は、叢生(凸凹、乱ぐい歯)や開口(オープンバイト)など、虫歯になりやすい状態であることが多いと思いますので、ご家族の方もブラッシングに関して注目していただき、計画通り矯正治療を進めていくためのサポートの意識を持っていただけたら私たちも非常に助かります。もしブラッシングに関することなどでご不明点などある場合は、いつでもお気軽にご相談ください。

2020.01.09

犬歯の萌出障害について

明けましておめでとうございます。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、犬歯の萌出障害に注目してお話していきたいと思います。

言うまでもないかと思いますが、犬歯とは前歯(一番前の歯)から数えて3番目の歯で、少し尖ったような形態をしています。昔は裁縫の時にこの歯で糸を切っていたことから糸切り歯などの呼ばれ方もありますが、本来は食べ物を切り裂くといった役割を持っている歯です。他の歯と比較してみると、歯根(歯茎に中に埋まっている歯の根っこの部分)が一番長く、強いという特徴があります。これは、食べ物を切り裂くときに強い力が掛かるということもありますが、犬歯は咀嚼の時に顎の動きが正しくなるようにガイドするという大切な役割があるため、強い力にも耐えられるような特徴を持っています。

若い方に多いかもしれませんが、犬歯と聞くと八重歯を連想し、その状態が可愛い、羨ましいと思われがちではないかと思います。八重歯は犬歯だけの呼び方ではなく、歯列からはみ出している歯のことを指して呼んでいるのですが、一般的には犬歯がそうなりやすいので八重歯といえば犬歯というイメージがついています。

この八重歯は、顎が小さかったり、1本1本の歯が大きいなどで、全ての歯が歯列の中に並ぶスペースが無いことで起きます。そうすると、後から生えてくる歯が並ぶスペースが無いため、歯列の外にはみ出した状態で生えてきてしまいます。犬歯は生えてくるのが前歯や臼歯が生えてからなので、はみ出してしまいやすい歯(八重歯)という認識が強いのだと思います。

八重歯も含めて、歯の萌出に何らかの障害があるケースで最近注目されているのが、隣接歯の歯根吸収のリスクについてです。犬歯は他の歯が生えてから出てくる歯のため、生える角度が悪いと、隣接歯の歯根にぶつかりながら生えようとしてしまいます。歯根は強い力が継続的にかかってしまうと、歯根吸収といって溶けてなくなってしまう現象が起こります。歯根吸収は初期症状ではほとんど自覚症状が無いため、レントゲンやCTを撮影して確認するまでわからなかったということもよくあります。


とは言いましても、こういった症状は決して多くはないため、そこまで深刻に捉える必要はないかと思います。お子さんの歯の生え替わりに時期に歯の傾きがおかしくないか、いつまでも歯が生えないままになっていないかといったことをチェックしていただき、気になる場合は歯科医院を受診していただくと、レントゲンやCT撮影で今の状況を確認して対応するといったことも可能です。

こういった萌出障害も含めて、お子さんの小さい時から歯並びをチェックしておくことで将来の歯並びをある程度コントロールしたり、事前に対応してくといったことも考えられます。定期健診のつもりで、何か気になることがある場合は、いつでもお気軽にご相談いただけたらと思います。

2019.12.01

噛み癖の危険性

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

以前舌癖などの習慣が歯並びに影響することについて書きましたが、今回は、噛み癖に注目してお話していきたいと思います。

「噛み癖」と聞いても、なかなかピンと来ない方が多いのではないかと思います。自分には特に変な噛み癖が無いと思っていても、歯科医から見ると不自然なところがあったりと気が付きにくい点も多いので、まず一般的なチェック項目でご自身で確認してみてください。

□ 柔らかいものを好んで食べている
□ 左右どちらかの歯のみで噛んでいることが多い
□ 欠損歯(抜歯した後や元々歯が生えていないところ)のスペースが開いたままになっている
□ 麺類を食べるときに前歯ではなく奥歯で噛み切っている
□ 不正咬合(叢生、上顎前突、下顎前突、開口など)がある

いかがでしたでしょうか?ご自身のことは無意識なことが多いので、だれかとチェックし合ってみたりするのも見分けやすい方法かと思います。

ではなぜ噛み癖が悪影響を及ぼすかについてみていきます。

ご存知の通り、歯にはそれぞれの役割があります。前歯は食べ物を噛み切る役割、犬歯は食べ物を引きちぎる役割、臼歯は食べ物をすり潰す役割といったようにそれぞれの歯が機能して初めて正常な咀嚼が出来るのです。

実は、噛み癖があるとそれぞれの歯のもつ本来の役割を果たすことが出来なくなってしまいます。本来の歯の役割が機能しないと咀嚼の動作が正しく行われず、顎関節の関節円板にダメージを与えてしまうことがあります。片方の関節円板にダメージがあると、そちら側をかばってさらに症状が悪化したり、顎の位置がズレてしまうこともあります。そうなってしまうと、筋肉の緊張から頭痛や肩こりに発展することもあります。

この様に書いてしまうとすごく心配される方も居られるかもしれませんが、噛み癖がいきなり現れてすぐに影響が出てくるという事はあまり考えられません。小さな噛み癖を長年続けることによって徐々に影響が出てくるため、噛み癖の早期発見がこうした悪影響を防ぐためには大切なことです。

なかなか一人でチェックすることは難しい部分もありますので、お子さんや家族の方と一度噛み合わせについて話し合ってみるのもいいのではないでしょうか。また、すでに症状が出ているという方は、早めに治療することによって改善できる可能性が高くなることが多いです。症状が出ている状態で自然と噛み合わせが良くなるという事は考えにくいため、気になることがある場合は早めの受診をお勧めいたします。

PREV