BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2019.03.01

矯正治療中の食事

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療が食事にどのような影響を与えるのかということについてお話していきたいと思います。

食事に関してよく患者さんから問い合わせがある項目についていくつか紹介していきます。

■食事中の痛みについて
矯正治療中、食事の際に、個人差はありますが痛みを感じることがあります。これは歯を動かす時に、歯槽骨で骨吸収と骨再生が繰り返し行なわれ、その間の歯根膜部分が炎症を起こすことによって痛みが発生するという仕組みです。
ただこの痛みは動き始めのタイミングなど限られた期間で発生するのが一般的です。痛みがある時期には硬いものを食べるのは控えていただくことがありますが、すぐに慣れて食べられるようになるためそこまで心配していただく必要は無いかと思います。

■ブラッシングについて
矯正治療では、歯にブラケットやワイヤーなどの矯正装置を装着しています。そのため、歯と矯正装置の間に隙間が出来やすく、食べ物が挟まりやすい状態になります。食事後にすぐブラッシングをしていただくことでこの問題は解決できますが、会食などですぐにブラッシングを行なうのが難しい方や少しの間でも挟まるのを見られるのが嫌だという方には裏側矯正(舌側矯正、リンガル)をお勧めすることがあります。
裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置を装着しているため、食べ物が挟まっていたとしても見た目に影響することがありません。しかし、表側矯正でも裏側矯正でも、虫歯のリスクという観点からブラッシングはしっかりと行なっていただくようにお願いしています。ブラッシング指導なども行なっていますので、不明点などは聞いていただけたらと思います。

■矯正装置について
金属の矯正装置を使用する場合は、破損に関するリスクは低くなります。しかし、プラスチック素材・セラミック素材などの矯正装置では変形や破損のリスクが少し高くなります。また、矯正装置が破損しなくても、接着している歯から外れてしまうこともあるため、少し食事での意識をしていただいています。硬い食べ物を口いっぱいに頬張ったり、キャラメルなどのくっつきやすいものは極力控えていただくのが無難です。

この様に、食事に関して少し気をつけていただくことはありますが、食べる物がすごく制限されるということはありません。矯正治療は年単位での治療計画になりますので、我慢しすぎず、上手に治療期間を過ごせるように私達もアドバイスを行っています。もちろん患者さんからの質問などにはきっちりとお応えいたしますので、一緒に満足度の高い治療期間を実現していけたらと思います。

2019.02.26

部分矯正とは

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、部分矯正についてお話していきたいと思います。 部分矯正はM.T.M.(Minor Tooth Movement)とも言いますが、歯列の中の一部分だけを矯正治療によって改善するという治療法です。治療期間が短く済んだり、費用が安く抑えられるなどの理由から行なわれる症例も増えていますが、メリットと同時にデメリットももちろんあります。そういった点を少し詳しくお伝えしていきます。

■メリット
・治療期間が短くて済む 一部分だけを動かして治療を行っていくということから、歯列全体を動かす通常の矯正治療よりは短い期間で装置を外すということが可能になります。
・費用が安く抑えられる 上の理由とも重なりますが、部分的に治療を行うため矯正装置の費用が安く抑えられます。また、治療期間自体も短くなるため、診療費を抑えられることが挙げられます。
・治療中の負担軽減 部分的に矯正装置を取り付けるため、通常の矯正治療より口腔内での違和感が少なく、ブラッシングの手間なども軽減されます。

■デメリット
・咬合改善が難しい 部分矯正は一部分、主に前歯周辺の治療のみを行うため、臼歯(奥歯)の咬み合わせを改善することが難しくなります。臼歯の咬み合わせが整っていないと、他の歯に影響を及ぼしてしまい、部分矯正で一時的に改善したとしても再度歯列が乱れてきてしまう可能性があります。 
・適応症例が限られる 部分矯正は軽度の叢生(凸凹、乱ぐい歯)などを改善することは可能ですが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、しゃくれ)などの重度の叢生(凸凹、乱ぐい歯)などの不正咬合症例では治療を行うことが難しくなります。



この様に、部分矯正にはメリットとデメリットが存在しています。結婚式や就職活動の前に印象を良くするために素早く治療をしたり、過去に矯正治療を行っていたが、少し後戻りしてきたので部分的に治療をするという患者さんはたくさんおられます。

ただデメリットの部分でも書きましたが、全ての患者さんで治療が行なえるわけではありません。不正咬合の状態によっては臼歯の咬合関係を改善しないと治療が出来なかったり、軽度の場合でも長い目で見て咬み合わせがしっかりしていないと再治療の可能性が高くなってしまいます。

とは言え、なかなかご自身で判断するのは難しいと思いますので、部分矯正での治療がご希望の場合は、その旨をご相談いただけたらと思います。治療が可能かどうかの検査と診断を行い、ご案内させていただきますので、そこから改めて治療の方法を選択していって貰えたらと思います。

2019.02.08

不正咬合の原因となる癖のチェック

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、歯並びを悪くしてしまう可能性がある癖についてお話していきたいと思います。癖はなかなか自身では気が付きにくく、無意識のうちにやってしまっていることが多いので、ご家族同士でこれから書いていく癖が無いかを相互チェックしてみるとわかりやすいかもしれません。子どもだけでなく、もちろん大人の方でも不正咬合につながる可能性がありますので、しっかりチェックしてみてください。

■舌癖
舌の正しいポジションは、上顎前歯の根元に軽く当たるような位置になります。ここに舌が無いと、歯を押して上顎前突(出っ歯)になってしまったり、逆に歯を支えることが出来ず、歯が内側に倒れこんだりしてしまうことがあります。

■指しゃぶり、爪を噛む
指しゃぶりや爪を噛む癖があると、前歯が前に引っ張られる力が働いてしまいます。そのため、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、反対咬合)、開口(オープンバイト)になってしまうことがあります。

■唇を噛む
唇を噛むと、上下どちらかの歯が外に出た状態で力が掛かっていると思います。そのまま力が掛かり続けると爪を噛むのと同様に、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、反対咬合)などになる可能性が出てきます。

■口呼吸
鼻炎などで鼻が詰まって口で呼吸してしまったり、ボーっとして口が半開きのまま呼吸をしたりと原因は様々です。しかし、口呼吸を続けていると虫歯や口臭の原因になったり、舌を正しい位置に置けないので舌癖が出てきてしまったりします。

■食事の仕方
昔と比べると柔らかい食べ物が多くなってきており、食事の時にしっかりと噛まなくなってきていることが問題視されています。しっかり噛まないと、咀嚼筋が弱くなり、歯を支える骨も弱くなってしまいます。消化の観点からもしっかりと噛むということは大切なことです。

■頬杖
頬杖を付いていると、左右どちらかの方向に力が掛かってしまいます。そうすると歯列が左右にずれたり、顎関節に悪影響を及ぼしてしまうことにも繋がってきます。

■歯ぎしり
ストレスなどが原因で歯ぎしりは起こりますが、これが続いてしまうと歯に過剰な力が掛かってしまいます。歯がすり減ったり、割れてしまうこともありますので注意が必要です。また、顎関節にも悪影響を及ぼす可能性もあります。

矯正治療を始める際には、この様な癖が無いかのチェックはしっかりと行っています。癖を取り除いていかないと、せっかくきれいな歯並びになったとしても後戻りリスクが高くなります。今はそこまで歯並びが気にならないという方でも、この癖が続くと徐々に悪くなってしまうこともありますので、事前に防げるものはしっかりと防いでいただけたらと思います。

2019.01.30

拡大床(かくだいしょう)について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、お子さまの矯正治療で用いる拡大床についてお話していきたいと思います。

拡大床という言葉を聞いたことが無いという人も多いかと思いますが、これは矯正装置の一種です。上顎の歯の裏側に装着するもので、歯列の幅(顎の幅)を広げる時に使うものになります。

ではこの拡大床を使用するメリットを紹介していきます。

■非抜歯(歯を抜かない)治療の可能性
お子さんの矯正治療の際に、骨の成長の余地が大きく残されていると、歯列の幅を拡大しやすくなります。そうなると歯列全体の歯が並ぶスペースを確保しやすくなるので、非抜歯(歯を抜かない)で治療を行うことができる可能性が高くなることもあります。

■目立ちにくい点
拡大床は歯の裏側に装着する装置で、患者さま自身で取り外しが出来ます。お子さんで学校に付けていくのが恥ずかしいから嫌だと言われる場合も、帰宅後から翌朝登校するまでの時間装着するということも出来ます。ただ、症状の程度によってはもっと装着時間を長くしていただく必要もありますので、全員が同じではないということはご理解ください。

この様に書くと、すごく優れた装置だと思われがちですが、安易に拡大床を使用したことによるトラブルも多く発生しています。「治療費が安くて済む」「確実に非抜歯で治療を行なえる」などの宣伝を見て治療を行ったが、上手く治らないというトラブルが主たるものだと聞いています。

矯正治療というものは、弱い力を持続的に掛けることによって骨の吸収と再生が繰り返され、歯が動いていきます。そのことを考慮せずに拡大床で安易に力を掛けてしまうと、歯列の幅が広がるのではなく、歯の先端だけが外側を向いてしまうこともあります。いわゆる上顎前突(出っ歯)、鋏状咬合(歯がすれ違って噛む)の状態になってしまうので、不正咬合の状態が悪化してしまう結果にも繋がります。


どの様な装置にもメリット・デメリットはありますので、しっかりと患者さまの口腔内の状態を把握し、使用する材料を選択することが大切です。ご希望の装置を使用できないという場合もありますが、無理に装置を使ったことが原因で上手く治療が進まないという方が問題ではないでしょうか。もちろん可能な限りご希望には沿うように治療計画を考えてはいきますので、その点はしっかりと相談させていただきたいと思います。

2019.01.08

歯にかかる力をコントロールする

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

年末、年始にかけて、受験を控えたお子さんや親御さんから「受験前なのですが、矯正治療を始めても問題はないでしょうか」という質問を受ける機会が多くなってきます。ですので、今回はこのテーマに関することをお話していきたいと思います。

こういった質問をされる場合、一番心配されているのは治療の際の痛みについてではないかと思います。「痛みで勉強に集中できなくなったらどうしよう」という不安からこういった質問になるのかと思いますが、痛みという問題はかなり個人差があるため一概にお応えをすることは難しいです。同じ様な症状で同じ矯正装置を使ったとしても痛みの感じ方は千差万別で、ほとんど影響がない患者さんもいれば、矯正装置を装着したすぐは痛みを結構感じるという患者さんもいます。

こうした痛みに対応するために私たちが治療を決めた患者さんに出来ることと言えば、歯にかかる力を一時弱くするということです。通常は細いワイヤーから少しずつサイズを上げて(太く)いき、徐々に歯にかかる力を大きくしていきます。そのため、受験の少し前の日から一定期間だけワイヤーのサイズを細くすると、歯にかかる力が弱くなるので痛みは軽減されます。ただこの状態をずっと続けてしまうと、並びかけていた歯列がまた動き出してしまうこともあるため、応急処置だと考えていただければと思います。

私たちのところでもこういった説明を行った上で、治療を始めるかどうかを考えていただいています。すぐ始める方や受験が終わるまで待つという方も居られますし、相談に来たからすぐに始めないといけないということはないのでご安心ください。

ですが、症状によっては早く治療を開始することを勧めるときもあります。例えば、下顎前突(しゃくれ、反対咬合)などで、食べ物を噛むときに上顎の歯が下顎の歯を押し出すような動きをしている時は注意が必要です。そのまま放置してしまうと、より下顎が前に出てしまったりすることにもなりかねませんので、早めの治療をご提案することもあります。

いずれにしても、患者さんの症状を見てみないことには判断することは出来ません。検査・診断をした上で、不安なら受験が終わってから治療を開始する計画なども踏まえてご案内することも出来ます。

先程から受験に絞ってお話してきましたが、就職活動や結婚式などの人生のターニングポイントになる時は不安の気持ちも大きくなります。そういった不安な気持ちもしっかりと考慮して、患者さんにとってどうすることが一番喜んでもらえるのかを考えていけたらと思います。

2018.12.27

医療費控除について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

年末になると、年末調整などの税務上の申告が増えてくることかと思います。その中で、矯正治療の医療費控除がどの様な扱いになるのかということを尋ねられることがよくあります。今回はこの医療費控除について焦点を当てて紹介していきたいと思います。

■医療費控除の対象に当たる治療費医療費
控除の対象とみなされるためには、上下の噛み合わせや顎関節の異常などの機能的な問題があるという診断を受ける必要があります。そのため、軽い叢生を治すなどの審美的な改善のための治療は医療費控除の対象とはみなされていません。具体的には発音や噛み合わせの改善のための治療、子供の治療などが対象の可能性があります。

この治療に掛かる費用のうち、治療費と交通費が控除の対象とみなされています。つまり、日々の処置料や調整料、始めの検査費・診断費が医療費に当たり、当院までの通院に使う公共交通機関の費用が交通費として計算されます。つまり、歯ブラシなどの消耗品の購入費用やガソリン代などの費用は医療費、交通費とはみなされないことが多いです。

この様に医療費控除が受けられると、経済的にも負担が軽くなるので治療を受けやすくなるという方も多くなるのではないかと思います。食事の時に噛み合わせに不自由があったり、顎の関節が痛くなる・カクカクする、発音が上手く出来ないなどのお悩みがある方はまずご相談いただけたらと思います。

8020運動という、80歳まで自分の歯を20本以上残そうという運動も少しずつ浸透し始め、歯や体の健康寿命にこだわりを持つ方も増えてきています。早いうちに口腔内や顎関節の問題を改善することは、結果的に健康寿命を長くするということに繋がってくるので、治療を受けるか迷っている方は医療費控除なども念頭に入れながら一度相談してみてはいかがでしょうか。

2018.12.02

矯正期間の口臭に関して

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療を行なっている期間中に問題として出る可能性がある口臭についてお話していきたいと思います。

ではどの様なことが原因で口臭が発生するのかと、対処法について紹介していきます。

■不十分なブラッシング
矯正治療は歯にブラケットという矯正装置とそれに通すワイヤーで治療を行っていきます。その為、何も装着していない時よりもブラケットやワイヤーなどによる隙間が出来てしまいます。きちんとブラッシングが出来ていれば問題ないのですが、この隙間に磨き残した歯垢などが溜まって菌が増殖し、口臭の原因となることがあります。これは虫歯にも繋がってしまいますので、注意が必要です。

対策としては、矯正治療を始めるときに歯科医院で受けたブラッシング指導をしっかりと行なっていただくしかありません。細かいところなど始めは煩わしく感じるかもしれませんが、慣れてくると短い時間でもしっかりと磨くことが出来る様になり、後々の虫歯予防にも繋がりますので頑張ってブラッシングを行なってください。こちらでも治療の際に磨き残しが無いかどうかチェックは行っています。


■口腔内の乾燥
口腔内が乾燥すると唾液による自浄作用が低下し、虫歯菌などの細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
ブラケットとワイヤーを装着すると、歯と唇の間に物がある違和感から口を閉じにくくなるケースがあります。そうすると口腔内が乾燥しやすくなるため、口臭発生の原因となってしまいます。
対策としては、マスクなどで保湿をするという方法があります。また、普段からのトレーニングとして、閉口テープという唇を閉じた状態で上下にテープを貼るというものがあります。少しずつ閉じる違和感が無くなってくれば改善できてくると思います。
こういった原因で口臭が発生するケースがあるのですが、実はこれは矯正治療中に限ったことではありません。ブラケットやワイヤーなどで起こりやすくなる可能性はあるかと思いますが、普段から口が開いていると指摘されたりする人などは注意してみるといいのではないでしょうか。


当院では、上顎前突(出っ歯)、オープンバイト(開咬)などが原因で口が閉じにくく、乾燥が気になるという理由で治療を希望される患者さまもおられます。口が開いていることが原因の乾燥は、口臭の問題や直接ウイルスが口から入ることによって風邪・インフルエンザにかかりやすくなるなど様々な問題を引き起こす可能性もあります。



少しでも気になることがある方は、お気軽に相談に来ていただけたらと思います。こちらでどの様な治療や対処が可能かをしっかり説明させていただきます。

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