BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2020.10.02

治療中の通院に関して

メープル矯正歯科の山口です。

矯正治療は、歯をゆっくりと動かして理想の歯列を作り上げていく必要があるため、通常の虫歯治療と比べてどうしても通院期間は長くなります。では実際にどの様なペースで通院をしていく必要があるのかを説明していきたいと思います。

まずは多くの方がイメージしていただきやすいかと思いますが、矯正装置(ブラケット、ワイヤー等)を装着して歯を動かすための動的治療期間というものがあります。
矯正装置によって変わりますが、大体1か月から2か月に一度通院していただき、治療の進み具合のチェックと次の段階に進むための処置を行います。ただ、患者さんによって治療の進み具合は異なりますので、この通りの通院間隔ではない場合もありますので、ご了承ください。また、矯正装置が破損したり、違和感がある場合はこの限りではありませんので、すぐにご連絡の上で指示に従うようにしてください。
この時の治療の内容としては、ワイヤーの交換や装置の調整、舌癖・口腔周囲筋のトレーニングなどを行っています。

次にこの動的治療期間が終了した後、保定装置期間に移行します。
歯は矯正治療などで動かした後、元々の位置に戻ろうとする力が働きます。そのため、その後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)と呼ばれる装置を装着していただきます。これは着脱式の装置で、初めのうちは極力長い時間装着していただきますが、徐々に装着時間を短くしていくことになります。そのため、この保定装置に損傷や変形などがあると、しっかりと歯並びを維持することが出来なくなるため、定期的にチェックとメンテナンスを行っています。動的治療期間ほど頻繁に通っていただく必要はありませんので、数か月に一度来院していただくようにお願いしております。

この様に、矯正治療では治療の内容や治療のステージによって来院の間隔や時間は異なってきます。ただ一つ言えることは、確実に患者さんとの治療期間は長いお付き合いになります。そのため、私たちも出来る限り来院しやすい雰囲気を作るように努力しています。患者さんによっては私(歯科医師)と話すのは緊張するからスタッフと話したいという方も居られるかもしれません。そういったご希望に関しては最大限尊重するように致しますので、些細なことでも気兼ねなく仰っていただけたらと思います。

2020.07.30

歯の形態異常

今回は、歯の形態異常というものについてお話していきたいと思います。

歯の形態異常とは、読んだ時のままですが、歯の形態が通常と少し異なっているケース(異常)を指しています。頻繁にみられるものではありませんが、大人でも子供でも見受けられるものですので、知っておいていただけたらと思います。

■癒合歯・癒着歯(ゆごうし・ゆちゃくし)
癒合歯とは、本来1本ずつ別々に生えている歯が2本くっついて生えてくることを指しています。単純に見た目がくっついているだけではなく、歯の神経まで繋がっていることが特徴で、お子さんの乳歯期の下顎前歯部などで見受けられることがあります。2本繋がっているため、歯根がかなりしっかりしており、生え変わりの時期になかなか抜けないという事が起こりやすくなります。そうなると後から生えてくる永久歯のスペースが確保出来ずに叢生(デコボコ、乱ぐい歯)などの不正咬合が出やすくなります。また、生え変わる前にも、繋がった歯の隙間に歯垢(プラーク)が溜まりやすく、虫歯のリスクが高まります。
癒着歯とは、癒合歯とは異なり、歯のセメント質のみくっついている状態のことを指しています。こちらも同様に、虫歯などのリスクは高くなるため、注意が必要です。


■巨大歯
これは上に書いた癒合歯や癒着歯の様に、くっついて大きくなっているのではなく、単純に1本の歯の形態が大きいものを指しています。1本だけ大きい歯が生えていたりすると、歯列の上下左右のバランスが崩れてしまうため、咬み合わせに影響が出ることもあります。


■矮小歯(わいしょうし)
こちらは巨大歯と反対で、1本の歯がとても小さいものを指しています。円錐歯や栓状歯と言われることもあります。矮小歯があると、歯の間にスペースが出来やすくなり、歯垢が溜まることによって虫歯のリスクが高くなる傾向にあります。


この様に、歯の形態異常と言っても様々なものがあり、その程度も患者さんによって様々です。歯の形態異常があるから全て治療しないといけないというわけではなく、咬み合わせや歯列のバランスが整っているのかなど総合的に判断して、治療をするのかどうかを提案しています。ですので、もしご自身やお子さんの歯の形態異常でお悩みの方や疑問がある方は、まず検査からしっかり行いますので、いつでもご相談ください。

2020.07.01

口腔内を綺麗に保つことの重要性

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、少し矯正治療から外れてしまうかもしれませんが、全ての方に参考にしていただける内容になります。

その内容とは、口腔内を綺麗に保つことの重要性についてです。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、意外と実践出来ていない人が多い内容なので、参考にしていただけたらと思います。

口腔内を綺麗に出来ている人が少ないと言った理由として、歯周病の罹患率が挙げられます。程度の差はありますが、日本人の約8割が歯周病にかかっていると言われるほどで、国民病とも言える病気ではないかと思います。

歯周病にかかる原因としては、食べ物の磨き残しなどがあるとそこに細菌が繁殖します。その細菌が歯肉に悪い成分を放出し、炎症を引き起こすという病気です。悪化してしまうと歯肉だけではなく、歯槽骨や歯根部分にも影響を及ぼして、歯が抜け落ちてしまうというところにあります。また、近年ではこの歯周病と全身の疾患に対する関連性も言われており、歯周病で炎症を起こした歯肉の毛細血管からウイルスや細菌が入り込み、全身に広がるリスクが高くなるという見解があります。

新型コロナウイルスも少し落ち着いてきていますが、まだまだ感染者数が出ている以上は安心できませんし、気温が下がり始める秋以降の第二波にもしっかりと対策を取っておかなくてはなりません。先程書いた、歯周病との関連性に、コロナウイルスも同じ事が言えるかと思いますので、手洗いうがいはもちろんですが、歯周病にならないための歯磨きということも意識付けしていただけたらと思います。

また、口腔内を綺麗に保つためにも、矯正治療は有効な手段の一つだと思います。食べ物の磨き残しに細菌が繁殖するため、日本人によくみられる叢生(凸凹、乱ぐい歯)が強い状態だと、どうしても歯ブラシが届かずに磨き残しが出て、細菌が繁殖しやすくなるというリスクがあります。

コロナウイルスに限ったことではなく、全てのウイルスや細菌に対して歯周病の危険性はありますので、長い目で見た口腔内を綺麗に保つことの重要性ということをいま再認識する必要性があるのではないかと思います。

現在治療中の患者さんも、これから治療を考えている患者さんも、こういった観点から再度ブラッシングの意識を高めていただけたらと思います。その他でも、分からないことや不安なことなどがある場合は、いつでもお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

2020.05.28

日本矯正歯科学会による新型コロナウイルス感染症への対応

メープル矯正歯科の山口です。

緊急事態宣言がいよいよ全国的に解除され、少しずつ街に人が戻ってきそうですね。ただ、緊急事態宣言が解除されたからと言って、コロナウイルス感染症が完全になくなったわけではなく、まだまだ緊張した日々が続くのではないかと思いますし、引き続き「三密」を避けていきたいなと考えております。

さて、矯正歯科医院として、今回のコロナウイルス感染症に対してどうやって感染予防をしているのかという点を少しお話ししていこうと思います。日本矯正歯科学会(日本国内で一番大きな矯正に関する学会)が、新型コロナウイルスに対する対応のガイドラインを公表したので、簡単にご紹介しましょう。

1)歯科医師および医療スタッフの予防策
まず初めに歯科医師と衛生士、スタッフの対策として、手洗いの徹底、医療用手袋、マスクの正しい着用やゴーグルによる目の保護。自身の免疫力を高めるということで、食事や睡眠をしっかりととることを推奨しています。


2)診療室における予防策
次にクリニックに対しての予防策です。
矯正歯科医院では、タービンやエンジンのように一般歯科で歯を削るようなことはほとんどありませんが、診療室のユニットチェア周りだけでなく、普段使用するパソコン、ドアノブや電気のスイッチなどの消毒を頻繁に行うようにということをうたっています。また院内、待合室の換気を定期的に行うことで、感染リスクを減らします。

3)患者さんへの対応
患者さんにお願いするのは、結構細かく注意が出ています。来院前には必ず検温を徹底してもらい、入室時には診療以外は必ずマスクを着用頂きます。また、医院内でなるべく人の接触する頻度を下げる為、診療スケジュールを調整しています。通常1か月ごとの来院を1.5か月程度に延ばしたり、患者さん毎のスケジュールを調整し出来る限り待合室にいる患者さんの数を減らすようにします。
その他細かく出ていますので、もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、こちらのURLをご確認ください。
http://www.jos.gr.jp/news/2020/0413_12.html

歯科医院は、患者さんと歯科医の距離が近いため感染リスクが高いといった情報が出ていたこともありますが、距離が近いから感染リスクが高いということではなく、感染対策をしないと感染リスクが高まるということです。

そもそも今回の新型コロナウイルス感染症に限らず、院内感染対策を大切にしてきています。歯科医院は通常のレストランや販売店と違って、医療機関ですから日々の感染対策の意識は高く、口の中に入れる機器などは全て滅菌レベルの対応をしています。



「絶対」はありませんが、皆さん全員でこのコロナウイルスの状況を乗り越え、また通常通りの生活が一日も早く戻るよう願っております。

2020.05.01

自宅での矯正治療について

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、外出自粛が求められている中での矯正治療についてのお話をしていきたいと思います。

最近ではマウスピース型矯正治療が少しずつ普及してきており、患者さんの認知度も上がってきているように感じます。従来の矯正装置(ブラケット、ワイヤーなど)を使用するより目立ちにくいという利点はありますが、欧米と比較してアジア人は叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(しゃくれ、受け口)などの不正咬合が強い傾向があるために、マウスピース型矯正では治療が難しいことが多いです。

その様な中、通院せずにマウスピース型矯正治療が出来るという広告を目にしました。セミナーに参加し、口腔内スキャナーでスキャンすると後日、自宅にマウスピースが到着するというものです。上にも書きましたが、欧米人は不正咬合があまり無いケースが多いため、この様なものも出回っているらしいですが、アジア人ではご自身では自覚がない不正咬合が潜んでいる可能性が高いです。矯正治療は医療行為であるため、免許を持った歯科医師がしっかりと検査・診断を行った上で治療を行うことが大切です。新しい技術が出てくることを否定するつもりはありませんが、有用なものをしっかりと見極めていく必要があるのだなと再確認させられたような気がします。

話は戻りますが、外出自粛中のため既に矯正治療を開始されている方も普段よりしっかりと意識していただきたいことがあります。

1、歯磨きをいつも以上に徹底すること
緊急事態宣言が発令されて以降、世間的に休業する傾向が強くなってきました。歯科医院でも例外ではなく、ご自身やスタッフの方の安全を考慮して長期休業を行うところが見受けられます。その様な時に、虫歯などのトラブルが発生してしまうといつも以上に治療が困難になります。矯正装置の装着中は、磨き残しなどが増える可能性がありますので、いつも以上に時間を掛けて歯磨きを行うように意識してみてください。

2、緊急時の対応方法
先程も書きましたが、矯正治療は医療行為になります。何かトラブルがあったときにご自身で対応することは難しく、変な対応をしてしまうと治療期間が延びたりしてしまう可能性もあります。緊急時の連絡先なども含めてしっかりと確認するようにしてください。

3、健康管理
矯正治療を開始した直後や、ワイヤーを交換したすぐなどは違和感などから柔らかいものやあまり咬まなくていいものを食べようとする傾向があります。個人差はありますが、違和感は長く続くものでもないので、しっかりと栄養バランスのとれた食事を摂るようにして、ご自身の健康管理に注意してください。

この様に、矯正治療では治療で来院しているとき以外にも自宅で注意していただきたい点があります。普段忙しくて疎かにしがちなこともあるかもしれませんので、こういった自宅で過ごす時間が長くなっている時に見直してみるのもいいのではないでしょうか。

2020.04.03

妊娠・出産における矯正治療のメリット

メープル矯正歯科の山口です。

前回、妊娠中でも矯正治療は可能かどうかというテーマでお話ししましたが、今回はむしろ妊娠や出産において矯正治療がメリットとして挙げられる点についてお話していきたいと思います。

■虫歯のリスク低下
前回、妊娠中は虫歯に注意していただく必要があるとお伝えしましたが、矯正治療で歯列が改善されると、ブラッシングの際の磨き残しが少なくなります。そうすると虫歯にかかるリスクが少なくなり、妊娠中の虫歯治療などのストレスを抱えることが無くなるのではないかと思います。

■歯牙の保護
出産時には、妊婦さんにかなり負担がかかるので、強い力で歯を食いしばるという方もおられます。その際に、叢生(凸凹、乱ぐい歯)などの不正咬合があると、接触する歯が限定されます。しっかりと噛み合わせが整った歯列であれば食いしばりの力も分散できるのですが、特定の歯しか接触していない状態で食いしばりが起こってしまうと、食いしばりの力が集中して歯が欠けてしまうなどのリスクもあるため、注意が必要です。スポーツ選手などで奥歯がすり減ってしまうというのも同じように食いしばりが原因で起きています。そのため、少しでも力を分散させることが出来るように噛み合わせの改善を行うと、歯牙の保護にもつながります。

■食事の際のメリット
矯正治療で歯並びを改善すると、咀嚼機能が向上します。その結果、食べ物をしっかりと細かく噛み砕くことが出来て、消化・吸収の効率が良くなります。赤ちゃんがお腹の中にいる時は、お母さんが摂取した栄養が赤ちゃんの栄養にもなりますので、食事に気を付ける方もたくさんおられます。そのため、効率の良い消化・吸収は、そういった観点から母子ともにとても有益なことだと言えると思います。
もちろん、上に挙げたことは妊婦さんに限ったことではありません。男性でも女性でも、虫歯や歯のすり減りのリスクを減らせるのはいいことですし、栄養の吸収効率が上がることもとても有益なことです。矯正治療は治療期間や費用も掛かる治療のため、人生の転機に検討する方も多くおられます。そういった方も含めて、最大限有益な治療を行いたいと思いますので、何か気になることや悩んでいることがある場合は、お気軽にご相談ください。

2020.02.19

妊娠の際の注意点

今回は一見無関係に思われるかもしれませんが、妊娠と矯正治療の関係性についてお話していきたいと思います。

今これを読んでくださっている方の中にも、以前矯正治療を検討していたが、結婚・妊娠を機に治療をあきらめたという方もおられるのではないかと思います。では実際、妊娠すると矯正治療を行うことは難しくなるのでしょうか?答えから言いますと、「No」です。妊娠してから治療を始める方は体調的に少ないかもしれませんが、矯正治療は長い治療期間を要することがありますので、治療中に妊娠するという患者さんは少なからずおられます。そういった方に治療中断していただくなどの負担はほとんどありませんので、安心していただけたらと思います。しかし、矯正治療に限定した話でもない点もありますが、妊娠中の治療には注意していただきたい点がいくつかあります。

■麻酔や薬の使用について
矯正治療の途中で麻酔を使用することは少ないですが、場合によっては抜歯したりする時に麻酔を使用することがあります。局所麻酔のため大きな影響は出にくいと考えられますが、念のため安定期に入ってから治療を行うといったタイミングを検討する必要はあります。また、薬の使用に関しても全員が必要というわけではありませんが、治療開始時やワイヤーを交換するタイミングで少し痛みを感じる方もおられます。最近では、弱い力を継続的にかけられる矯正器具(ブラケットやワイヤー)もありますので、そういったものの使用などで極力薬の使用は控えていただくことをお勧めいたします。

■虫歯の治療について
こちらも麻酔の話につながるかもしれませんが、妊娠中の麻酔を使用する虫歯治療は難しくなります。妊娠中はただでさえホルモンバランスなどの影響で虫歯になりやすくなっておりますので、ブラケットなどの矯正器具の隙間はかなり注意してブラッシングしていただくようにお願いしています。

■CT、レントゲンの使用について
CTやレントゲンを撮影する際、低量ではありますが放射線被ばくが起こります。歯科で使用するものは日本産婦人科学会でも被ばく量としては問題ないと言われていますが、無いに越したことはありませんので、可能であれば妊娠前に検査などは済ませておいていただくことをお勧めいたします。

結婚や妊娠など、女性の方は思わぬところで人生の転機が訪れるかと思います。今現在治療中の方も、これから矯正治療を検討されている方も、そういった患者さん自身のライフワークを最大限考慮した治療を心がけていますので、不安なことなどがある場合はいつでもご相談ください。

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