BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2012.12.28

矯正装置の工夫

メープル矯正歯科院長の山口です。

いや~、寒いですね。2012もあとわずか!
ノロウィルス、マイコプラズマ肺炎・・・怖いですね。
周りでもダウンしてしまっている人が多いです。
手洗い、うがい大事ですね!!
みなさんも気を付けてください。話を聞いていると相当辛そうです(^_^;)

さて、今日は、北海道大学矯正科で修業を積んでいた時代のお話です。装置の設計に関して、師匠から怒られたことがありました。

師匠:「装置の設計をこういう風にすれば、この症例は解決じゃん」
自分:「え??へー、なるほど。でも教科書には、そんなこと書いてませんでしたよ」
師匠:「(このバカもん!←口には出していませんが、顔の表情と声のトーンからして心の中でこのようなことを思っていたと推測します)教科書に載ってる 載ってないっていうことじゃない。お前は、しっかり装置の細かい部分の役割と作用を把握してないからダメなんだ。臨床にマニュアルなんかないぞ。そんな考 えで治療していたら、いつまで経っても応用がきかなくなるぞ!」っと。
自分:「す、す、すいません・・・。(しまったな~、また地雷踏んでしまったな(-_-;)←口には出していませんが、顔の表情には出てたと思います)」

怒られているときは、正直よく凹んで嫌でした。
でも、たくさん怒られたので、それが今の自分の臨床に活きています。
あの修行時代に感謝です!

今となっては、なるべく同じ一つの装置でなるべく多くのことをするそしてかつシンプルに!いわゆるsimple is the bestです。常に何かいい方法がないかを日々模索しています。矯正治療もいわば、ある意味「ひらめき」ですね。
例えば、家で眠りに入る直前にアイディアが浮かぶときもあります(笑)
時には、技工士さんの知恵を借りて二人三脚で装置を作るときもあります(^_^;)

工夫した装置をいくつかご紹介しましょう。


 この装置は、真ん中にバネを追加しています。

上の前歯が内側に傾斜しているため、裏側のバネで外側に傾斜するように調整しています。外側へ傾斜したら、再度バネを調整して、隙っ歯を治す予定です。


この装置も真ん中にバネを組み込みました。

これは、前歯が隙っ歯なので、それを閉じるようなバネを入れています。

装置を新たな装置に変更することなく、極力一つの装置だけでできるだけ多くのことをする。その方が患者さんにとって負担が少なくて、楽ですからね(^o^)/

また2013年も新たな装置の工夫を頑張ろうと思っています。

メープル矯正歯科は、2012年は12月29日(土)まで診療いたします。
2013年は1月5日(土)から診療します!

では、みなさんしっかりと体調管理して、楽しいお正月を迎えてください!(^^)!

2012.11.17

東京矯正歯科学会@有楽町

メープル矯正歯科院長の山口です。

先日、東京矯正歯科学会 秋季セミナーがありました。



講演内容は「矯正歯科治療におけるリスクマネージメント」
特にインフォームドコンセントの重要性を再確認できました。

インフォームドコンセント(説明と同意)・・・・言葉は単純なんですが、これが意外と難しいんですよね。特に我々医療人は、患者さんにただ単に治療内容を 説明するだけでなく、それ以外に起こり得る様々なリスクに関しても説明しなければならないということです。このリスクに関する説明が多くの歯科医院で不足 していると講演の先生は話していました。


その後、鶴見大学矯正科の先生たちと合流し、飲みました。
有楽町の夜のイルミネーションはキレイでしたね。
そうか・・・もうすぐクリスマスシーズンなんですね。

一年あっという間ですね(^_^;)

2012.11.09

乳歯と永久歯

メープル矯正歯科院長の山口です。

前回のお話の続きです。
歯(乳歯と永久歯)、乳歯列のとき凸凹だった症例についてお話します。

乳歯は上下合わせて全部で20本あります。
通常真ん中の前歯を「A」と呼びます。順番に奥まで数えていき、最後は「E」となります。
歯は形に応じて、呼び名があります。

一般的にいわゆる前歯はシャベルのような形をしていて、専門用語で「切歯」と言います。
Aは、真ん中にある乳歯の切歯なので、「乳中切歯」
Bは、Aの隣りにある乳歯の切歯なので、「乳側切歯」


一般的にいわゆる糸きり歯は先端が尖っている形をしていて、専門用語で「犬歯」と言います。
なので、Cは「乳犬歯」


一般的にいわゆる奥歯は臼(うす)のような形をしていて、専門用語で「臼歯」と言います。
Dは、真ん中から数えて最初の乳歯の臼歯なので、「第一乳臼歯」
Eは、Dの隣りにある乳歯の臼歯なので、「第二乳臼歯」



次に乳歯のことを踏まえて、永久歯について見ていきましょう
永久歯は親知らずを除くと28本あります。

通常真ん中の前歯を「1番」と呼びます。順番に奥まで数えていき、最後は「7番」となります。
乳歯同様に、歯は形に応じて、呼び名があります。


1は、真ん中にある切歯なので、「中切歯」
2は、1の隣りにある切歯なので、「側切歯」
3は先端が尖っている糸きり歯なので「犬歯」

4と5は、臼歯なのですが、小さい臼歯なので、専門用語で「小臼歯」と言われます。
4は、真ん中から数えて最初の小臼歯なので、「第一小臼歯」
5は、4の隣りにある乳歯の臼歯なので、「第二小臼歯」

6と7は、臼歯なのですが、大きい臼歯なので、専門用語で「大臼歯」と言われます。
6は、真ん中から数えて最初の大臼歯なので、「第一大臼歯」
7は、6の隣りにある大臼歯なので、「第二大臼歯」


6歳の女の子です。
右下前歯以外はまだ乳歯です。


上下の歯を見ると、乳歯の段階ですでに凸凹が認められます。


この子のレントゲンを見ると、まだ生えていない永久歯の状態も分かります。


乳歯をA~Eで表示してみました。


永久歯を1~7で表示してみました。


レントゲンから分かることとして、上下左右の1~5までの永久歯が⇔の間にうまく収まってくれるかどうかということです。

この子の場合明らかにこのままではすべての永久歯が並ぶための隙間が足りないことが分かります。

おもしろいことに上あごの3番の犬歯は一番最後に生えるということです。最後に生えてくる犬歯の隙間が足りないと、はみ出して生えていわゆる八重歯になるというわけです。

この子も矯正治療をしていなければ、間違いなく八重歯になることでしょう。仮に大人になってから矯正を始めると、抜歯する治療になってしまいます。成長期 の顎の柔らかい時期から始める小児矯正により、装置で顎を広げ、永久歯の隙間を確保することにより将来、抜歯を回避することが可能となります。

小児矯正を始める時期としては、永久歯の前歯が生えはじめる6歳頃に開始するのがベストと考えています。

基本的に乳歯だけの頃は何もせず、経過観察になることあります。
しかしながら乳歯列のときでも、場合によって早期に開始した方がいい場合もあります。

例えば、まだ乳歯列なのに思いっきり乳歯の前歯が反対に咬んでいるときなどです。



矯正の開始時期に関してやほかに心配なことがあれば、お近くの矯正専門医に相談することをおすすめいたします。

2012.10.28

乳歯列のときの隙間

メープル矯正歯科院長の山口です。

乳歯に関するお話をします。

乳歯は生後6ヵ月で上下乳歯の前歯が生えはじめます。そして2歳半頃にはすべての乳歯が生えて、乳歯列が完成します。

みなさんのお子さんの乳歯の並びはどうでしょうか?
正常な乳歯の並びってご存知ですか?


実は完成した乳歯列のときには、歯と歯の間に隙間が存在します。
隙間があっても「うちの子は、すきっ歯だ」と思わないでください。正常です。ご安心ください。
この空隙は霊長空隙と発育空隙という2つの空隙が合わさったものです。
霊長空隙は、霊長類に多く見られる隙間です。


乳歯が生えた後でも顎は前と横方向に成長していきます。
顎の発育に伴ってできる空隙、これが発育空隙です。

この空隙は何のためにあるのか??という疑問が湧いてくると思います。
これは、後々の永久歯が生えるための隙間とお考えください。

以上のことをまとめると、
乳歯列のときに「隙間がなく、キレイに乳歯が並んでる」状態は、・・・・
将来、永久歯が生える隙間が足りなくなる可能があり、凸凹になる可能性が高くなります。

ましてや、乳歯列のときに、乳歯の凸凹があると将来ほぼ100%凸凹になります。

次回、さらに詳しい解説と実際の症例を踏まえてご説明いたします。

2012.10.12

小児矯正(すきっ歯の症例)

メープル矯正歯科院長の山口です。

上あご前歯の隙っ歯を気にして来院された小児の患者さん(9歳♀)です。



実は、こういう時期の上あご前歯の隙っ歯は正常であり、異常ではありません。

僕ら歯科医の世界では「みにくいアヒルの子の時期(ugly duckling stage)」と言います。
ただ・・・・あまりいい響きではないので、個人的にはこの表現は好きではありません(^_^;)

7歳ごろ、上あご前歯の永久歯は少し外側にハの字のように生えてくるため、隙っ歯の状態になります。しかしその後、隣から永久歯が順々に生えてきて、最終的には歯が真ん中方向に押されて自然に隙間が閉じるようになります。



今回の患者さんは、検査をしてみたところ、隙っ歯以外にもいろいろ問題がありました。

無料相談では、おおまかなことしか言えません。
細かい状況は、実際に型取り、写真、レントゲン撮影などの検査をしないと分かりません。



写真から分かることとして、①上あご前歯の真ん中はほぼ顔の正中(黄色点線)に一致していますが、下あごの前歯の真ん中(赤点線)は顔の正中より左にズレています。
②下あごの前歯が上あご裏側の歯茎に食い込むくらい深い咬み合わせ(過蓋咬合)であります。成長期に過蓋咬合があると、正常な顎の成長がしにくく、前歯でものを噛みきることはできずに食べるのが遅くなります。


下あごの写真です。赤矢印の部位は、乳歯2本残っており、その下から永久歯2本生えてきます。ところが黄色矢印の部位は乳歯1本残っており、その下から永久歯2本生えてきます。


レントゲンで見ると一目瞭然です。先ほどの話の黄色矢印のところに永久歯が2本生えてきますが、明らかに隙間が足りず、このままだと確実に凸凹になってしまうことが分かります。

本来であれば、乳歯が2本残っているはずなんですが、なんらかの理由で早期脱落したものと思われます。乳歯が1本早期脱落した結果、下あご前歯全体がその隙間に向かって傾斜したものと推測できます。

虫歯で乳歯がボロボロになって抜けた場合、どうせ永久歯が生えてくるから乳歯が抜けても良いというわけではありません。乳歯が適正な時期まで残っている= 永久歯が生える隙間を確保するそういう役割もあります。仮に乳歯が抜けなくても、虫歯がどんどん進行して乳歯の幅が小さくなるとその分永久歯が生える隙間 は失われます。乳歯でも虫歯の治療が必要な場合もありますので、しっかりとかかりつけの歯科医と相談してください。

レントゲンは、外から見えない骨の中の状態がよく分かります。歯の本数(過剰、不足)に異常はないか、永久歯の生える方向に異常はないかなどをみます。
この患者さんの場合、実は上あごの前歯2本が足りません!!ちょうど真ん中から2番目の前歯が2本ありません。そのため永久歯が生えてくるのを待っていても、隙っ歯は治りません。
歯の本数に問題がないかを確かめるためにも、レントゲンは重要となります。


今回はバイオネーターという取り外しの装置で治療を開始しています。上下前歯の真ん中が一致するような咬み合わせで装置を作ります。こうすることにより、 顎がこの位置に成長を誘導させるためです。そして、顎を横に広げて、永久歯が生える隙間を確保します。単純な装置ですが、これ一つでいろいろなことができ ます。


先ほど述べたように上あごの前歯が2本足りないため、隙っ歯は改善しないので、隙っ歯を改善するバネを組み込みました。



治療経過7か月です

深かった前歯の咬み合わせも順調に持ち上がり、前歯の真ん中も一致してきました。


バイオネーターにより顎の拡大も順調で、黄色矢印の部分も永久歯2本が問題なく生えてきました。


決して、検査・診断をしたからといってそこの医院で治療をしなかればいけないことではありません。でも検査をしないと、細かい問題点などが分かりません。
診断したけど、その治療方針でいいのか?などの不安があるかと思います。今は、セカンドオピニオンの時代です。不安があったら、他の医院に聞きにいくのはアリです。

矯正治療は長いお付き合いになる治療です。安心して治療をしてもらえる医院がベストと思っています。

2012.10.10

矯正治療と歯の移動に伴う痛み

メープル矯正歯科院長の山口です。

矯正と言えば、知り合いの矯正経験者から「痛い」イメージを植え付けられていると思います。

たしかに昔の矯正は、材料に乏しく、固い針金にいろいろたくさんループを組み込んで、少しでも力を弱める配慮をしていました。ただでさえブラケットが目立つのにさらにループの多い針金を入れてしまうとけっこう目立ってしまいます。


最近では、超弾性のニッケルチタンという針金ができ、細さは髪の毛くらいです。 とても柔らかいため、昔ほどの痛みはありません。当院でも模型が置いてあるので、一度触ってもらえれば、その細さと柔らかさにびっくりすることと思います。



痛みはどうして起きるのでしょうか?

歯は直接、歯槽骨という骨の中にくっついているわけではありません。歯は歯根膜という繊維を介してトランポリンのようになって浮いています。
矯正治療により歯が動くときには、歯根膜が伸びる部分と縮む部分ができます。歯根膜は一定の幅を保とうとします。つまり歯根膜が伸びた部分は骨が作られ、縮む部分は逆に骨が吸収されます。これを繰り返して、歯は動いていきます。この骨を作ったり、溶かしたりする際に細胞から化学物質が放出されています。この物質には痛みを引き起こす作用があります。そのため、矯正治療中に痛みが出ることになります。



痛みは、個人差はありますが、イメージとしては、虫歯のづきづき痛みと違い、歯が浮いたような鈍い違和感が大半です。針金を入れた夜から2,3日、食べづらいことがあります。しかし、それを過ぎると今まで通りの生活ができるので、ご安心ください。
痛み止めの薬を飲んでしまうと、歯の移動に関与する物質が抑制され、歯の動きが悪くなると言われています。通常は、矯正治療をされているほとんどの方は痛み止めなしで過ごされています。

それにしても、「痛み」っていう作用は何のためにあるんでしょうかね??(^_^;)
今までに経験のない力が加わってるぞ!注意しなさい!!というようなことを本能的に脳に知らせているのかもしれませんね。いわゆる自らの生命を守るための原始的な自己防衛本能が備わっていることでしょうかね?生体の不思議ってところでしょうか?

でも逆に考えると、
「おお!この痛みによって歯は動いているんだ」というポジティブに喜びとして捉えてみてはいかがでしょうか?!(^^)!

2012.10.05

成人男性の矯正治療

メープル矯正歯科院長の山口です。

先日、メープル矯正歯科近くの茅場町で開業されていて同じ日本橋歯科医師会リーフ歯科の林準治先生と飲みに行く機会がありました。(と言いますか、年齢も近く、住んでいるのも近くなので、よく一緒に飲みに行ってます(^_^;))

そこで興味深い話になりました。

林先生:「成人女性は美に対する意識が強いから矯正治療する人は多いけど、でも本当は成人男性こそ矯正治療をしなくてはいけない人が多いんだよね。ただ成 人男性は、矯正治療を勧めてみても、矯正治療なんていまさら・・・って思い込んでいる人が多くて、矯正治療をしない人が多い。矯正治療と組み合わせた一般 歯科治療ができれば、総合的により質の高い治療ができ、咬み合わせも良くなり、その後の予後も良くなると思う。今は、症状だけを緩和する苦し紛れの処置し かできないことが多いんだよ(T_T)」っと。

当院でも、最初の成人矯正は100%女性と思い込んでいたのですが、成人矯正第1号は成人男性でした。41歳の男性です。



来院のきっかけは、会社の中にある歯医者で矯正治療を進められたことと奥様からも 矯正やりなさい!と言われたことらしいです。ご本人いわく、もともとネットで調べるのが好きで、日本矯正歯科学会のホームページから仕事場近くの矯正専門 医院を調べて、メープル矯正歯科にたどり着いたそうです。


嬉しかったこととしては、いろいろ話したあと、「治療はここでします。治療内容についてもすべて先生にお任せします。先生がベストと思う治療をお願いします」の言葉。仕事をしていて、こう言われるのは言葉では表現できない嬉しさです。

なかなかの重度の凸凹の症例。上下ともに歯が並ぶ土台の幅が狭いため、非抜歯にて土台を横に広げて歯を並べることにしました。

治療計画としては、①上あごの歯を並べる、②その間に下顎の親知らずを2本抜歯、③前歯の咬み合わせが持ち上がったら下あごの歯を並べる


4か月経過後の写真です。上あごの凸凹も解消し、前歯の咬み合わせも持ち上がってきました。


下あごに装置が付けれる状態までになったので、5ヵ月後、下あごにも装置を付け始めました。



現在、治療開始して9か月が経過しました。下あごも装置付けてから4か月が過ぎ、凸凹の解消も順調です!


ふと林先生との話を思い出し、成人男性の矯正治療の必要性についてご本人に聞いてみました。
そこで会社の男性の同僚から言われたこととして、
「なんでいまさら矯正?そんなに女子にモテたいの?」と言われたみたいです。

もしかしてまだ世間には、成人男性の矯正治療に対してそういう偏見・思い込みが残っているのかもしれませんね・・・(^_^;)
実際、矯正治療に年齢・性別の制限は関係ありません。どなたでも矯正治療は可能です。矯正治療は見た目の改善だけではありません。歯磨きしやすい環境を整え、咬み合わせを改善し、しっかり機能させる。これが矯正治療なんです。


参考までに「日本矯正歯科学会」のHPです。
http://www.jos.gr.jp/


参考までにリーフ歯科の林先生のHPです。
リーフ歯科:http://www.leaf-dental.com/


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