BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2014.12.28

国際インプラント認定医

メープル矯正歯科の山口です。

先日10月3日~5日に東京国際フォーラムで行われた第31回ICOI世界学術大会http://jp.icoi-ap.orgに初めて参加してきました。

ICOI(International Congress of Oral Implantologists)は、1972年に作られた国際的な口腔インプラント学会です。より良い歯科治療を患者さんに提供するため、インプラント 教育に努め、世界最大規 模のインプラント学術団体であると同時に、インプラントの継続教育を提供する最大の機関としての役割も果たしています。会員は一般歯科医から腔顎顔面外科 医、歯周病専門医、補綴専門医、歯内療法専門医、歯科矯正医、歯科技工士、歯科衛生士、研究者、大学教員、歯学部生、卒後研修医,歯科業界の代表者など幅 広い領域にわたっています。

矯正専門でインプラント?!と思う人もいるでしょう。確かに、インプラントといえば、いわゆるデンタルインプラント(人工歯根)を思い浮かべる人がいと思います。

以前もお話しましたが、歯を失ったところを補う補綴治療には、ブリッジ、義歯(入れ歯)、デンタルインプラントがあります。いろいろとネガティブなイメー ジがあるインプラント治療ですが、いわゆるチタン製の人工的な歯根です。歯が喪失してしまったところを人工歯根を立てて補う補綴治療です。

メリット:ブリッジのように両隣りの歯を削らずに済む、見た目が良い、咀嚼効率が最も良い、違和感が少ない
デメリット:小手術が必要、保険適用外の治療となるため治療費が高い。

矯正の分野では、デンタルインプラントではなく、アンカーインプラント(temporary achorage device: TAD)というものが用いられます。アンカーインプラントは、矯正治療の間だけ一時的に、とても小さなインプラント(骨となじむチタン製のピン)をあご骨に埋入し、それを支点にして歯を引っ張るという最先端の治療技術です。痛みはほとんどなく、安全で確実な治療が行えます。

これまで難しかった症例の治療が可能となり、また症例によってはより精度の高い治療結果と、治療期間の短縮が可能となりました。従来の歯列矯正は奥歯を支点として他の歯を引っぱって歯を並べるため、奥歯まで動いてしまわないように歯に対してかける事ができない力の方向があります。インプラント矯正はその支点を歯に求めず、完全に固定されたインプラントを支点とするため、自由な方向に力を発揮させることが可能となりました。つまり動いてほしい歯だけが動いて、動いてほしくない歯は動かないということです。

従来の矯正治療の場合、治療内容によっては、ヘッドギアなどの協力が必要で、これにより動いてほしくない歯を動かないように抑えます。

ただ、仕事をしながらの生活で、なかなか使用する時間がないことも多く、動いてほしくない歯が動いてしまい、満足した結果が得られないこともありました。



これを解決するのがインプラント矯正です。



この度、この学会にて、アンカーインプラントの国際認定医(ICOI fellow)を取得し、学会後に授与式がありました。


初めての国際学会での授与式ということもあり、初のタキシード姿で臨みました。緊張の授与式でした。


2014.11.11

成長期の反対咬合(受け口)について

メープル矯正歯科院長の山口です。

相当ぶりのブログ更新となりました(^▽^;)
しっかりとブログ更新していこうと思います^^

今回は成長期の小児矯正における反対咬合(いわゆる受け口)について説明したいと思います。

前歯の噛み合わせが逆になっています。


また横顔もいわゆるしゃくれた状態です。

反対咬合において重要なのは、いかに早く反対咬合(受け口)を改善していくかということです。早く反対咬合を改善する理由としては、成長期の反対咬合を放置してしまうと下顎が成長してしまい、受け口がどんどんひどくなります。前歯を早めに適正な噛み合わせ(反対咬合の改善)を獲得することにより、下顎の過度な成長を抑える役割もあるのです。

成長期の小児矯正では、うまく顎の成長を利用したり、また逆に顎の成長を抑えて適正な上下の顎の前後的・上下的な位置関係を目指すことが可能です。顎の成長が終わっている成人の矯正ではできない治療です。

今回は2つの装置を用いて、反対咬合(受け口)の改善をしました。

骨格的な反対咬合(骨格的な受け口)は、上顎が下顎と比べて、相対的に後方に位置しており、また上顎が下顎と比べて横幅が狭いことが多いです。このケースの場合、上顎を前方にひっぱる必要があることと横幅が狭い上顎を広げる必要があります。


上顎の横幅を広げる装置として、急速拡大装置があります。文字通り、急速に広げる装置で、一日1回転して広げていきます。とてもごっつい装置ですが、子供であれば1週間ほどで慣れます。


上顎骨の真ん中には正中口蓋縫合があります。縫合はいわゆる骨のつなぎ目の部分で、ここを広げていきます。


上顎が急速に広がるため、一時的に前歯のすきっ歯が生じますが、一か月経過すると自然に閉じますので、ご安心ください。

もう一つの装置が上顎前方牽引装置です。

文字通り、上顎を前方へ引っ張る装置です。家にいるときに装着して使う可撤式(取り外し可能)装置です。


急速拡大装置に付いているフックとマスクを組み合わせてゴムをかけて使います。

実は、上顎前方牽引装置を単独で使うよりもこの急速拡大装置を一緒に併用することにより、より上顎を前方成長させやすいことが言われています。


急速拡大装置は、先ほど説明した正中口蓋縫合のみならずその他の縫合の頬骨上顎縫合、鼻骨間縫合、頬骨側頭縫合などの上顎骨周囲の縫合部を離開させることができ、縫合が緩むことにより、上顎が前方成長しやくなります。

急速拡大装置と上顎前方牽引装置を用いた12か月の変化です。

前歯の反対咬合(受け口)が改善しました。


上顎の横幅も広がりました。


横顔も大きく改善しました。

骨の成長が止まった成人の場合は、外科的矯正治療(上顎や下顎を外科的手術を併用して顎の位置関係を改善)しない限り、横顔の受け口(いわゆるしゃくれ)の改善はできません。場合により外科的矯正治療をしない方法もありますが、受け口の上下顎の位置関係のまま、歯のみを動かして反対咬合(受け口)を改善するだけなので、横顔の受け口の改善はできません。

お子さまで反対咬合(受け口)を呈している場合、早く矯正専門医に相談することをお勧めします。

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