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院長ブログ
2015.11.20
見えにくい裏側の矯正(舌側矯正・リンガル)は虫歯になりやすい?

メープル矯正歯科の山口です。

日本橋という場所柄、見えにくい裏側の矯正(舌側矯正・リンガル)、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置などの問い合わせを受けることが多々あります。裏側の矯正に関しては特に表側矯正(唇側)と違いインターネット上にネガティブな情報が出ていることもあります。

そんな中よく受ける質問の一つ、裏側の矯正は齲蝕(虫歯)になりやすいのか?ということに関してお伝えしようと思います。

矯正治療中に齲蝕(虫歯)になってしまうと、場合によっては矯正装置を一度外して、虫歯治療を行ってから再度矯正装置を付けるということも出てきてしまいます。そのため、裏側の矯正だけでなく、表側矯正も矯正治療中には丁寧なブラッシングがとても大切になります。

裏側の矯正の齲蝕(虫歯)のリスクというのは、物理的にブラッシングしづらいということからきている心配かと思います。確かに裏側の矯正は直接目で見ることが出来ず、表側と比べると難しさはあり、プラーク(歯垢)の沈着やプラークによる歯肉炎(歯茎の腫れ)になりますので、注意は必要です。

しかし、一概に裏側の矯正の方が虫歯になりやすいかというと実はそうとも限りません。それは唾液による自浄効果と呼ばれる細菌の増殖を抑える効果がある点です。また表側に比べて空気に触れにくいということからも細菌の増殖が表側ほど早くないという点も考えられます。

ただ、先に書いたように表側矯正にしても裏側の矯正にしてもブラッシングは不可欠です。そのため専用のブラシ(頭の小さい歯ブラシ、歯間ブラシ)を準備することや、ブラッシング指導(歯科衛生士による歯磨き指導)を必要とします。また、そもそも矯正治療を受けるという時点で叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)など歯並びに問題があり、歯ブラシが届きにくい部位がある方がほとんどです。そのため、歯列が綺麗になることで、歯磨きがしやすい環境となり、矯正治療後の齲蝕リスクが軽減されます。

矯正治療を終えられた患者さんには歯並びと噛み合わせが改善されたということで喜んでいただけますが、実はその後の歯を健康に維持しやすい状態になるということも忘れてはいけません。結果、虫歯や歯周病を予防し、歯の寿命を延ばすことになります。

少し話がずれましたが、裏側の矯正ということだけで虫歯の可能性が上がるということは言い切れないと思います。それは唾液による自浄効果も期待できるからです。ただ、表側矯正でも裏側の矯正でも矯正治療中のブラッシングは丁寧にやる必要性があります。特に、唾液の自浄作用があっても装置の周りに歯石が付きやすいことがあり、それがまた磨き残しをプラーク(歯垢)の沈着を誘発してしまうことになります。しかし、また、矯正治療を受けて歯並びの改善がなされると、ブラッシングがしやすくなるというメリットも見逃せないポイントです。

何か気になることがあればいつでもお問い合わせ頂ければと思います。