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CLINIC
院長ブログ
2016.6.29
隙っ歯(空隙歯列)・正中離開

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は様々な不正咬合のうち、空隙歯列、正中離開についてご紹介したいと思います。

 

空隙歯列(くうげきしれつ)に関してはあまり馴染みがないと思いますが、一般的には隙っ歯と呼ばれている症状です。歯と歯の間に隙間が出来ている状態です。また特に前歯の中心に隙間が出来ているものを正中離開(せいちゅうりかい)と呼びます。現代の食生活から顎の発達が遅れ、歯が並ぶスペースが足りずに叢生(デコボコ、八重歯、乱ぐい歯)になる方の方が比較的多いのですが、部分的にも空隙歯列になっていることもあります。原因はまた色々とありますが、今回はこの正中離開についてと、空隙歯列の弊害についてお伝えしようと思います。

 

正中離開(せいちゅうりかい)とは

正中離開とは上に書いた通り、前歯の間に隙間が出来ている症状です。ちなみに前歯二本の間のことを正中(せいちゅう)、正中線(せいちゅうせん)と呼びます。正中離開の原因はいくつかあります。まず、前歯の付け根部分から唇までつながっている上唇小帯(じょうしんしょうたい)と呼ばれる粘膜が通常以上に発達し、前歯の間を引き離してしまうことが原因としてあります。

またあまり症例としては多くはありませんが、黄色の点線の歯で示すような正中過剰埋伏歯(せいちゅうかじょうまいふくし)と呼ばれる本来ないはずの余分な歯が歯茎の中に埋まっていることがあります。この正中過剰埋伏歯が前歯に力を加え、正中離開につながっていることがあります。正中過剰埋伏歯に限らず、過剰埋伏歯と呼ばれる本来必要ない歯は、痛みなどの自覚症状はないケースが多く、レントゲンなどで見つかるということがほとんどです。万が一正中過剰埋伏歯が原因での正中離開だった場合は、正中を揃えるだけでなく、過剰埋伏歯を抜歯するところから治療する必要があります。

正中離開、空隙歯列の弊害

正中離開を含む空隙歯列の問題点は、まず見た目ではないでしょうか。ニコっと笑った際に隙間があるのとないのではだいぶ印象が変わってきます。特に正中離開は歯列の真ん中に隙間があるので結構目立ちます。見た目以外の弊害で考えると、必要以上に空気が漏れてしまうことから発音の問題が生じます。英語の発音にも大きく影響を与えてしまうため、留学や海外転勤前に矯正治療を受ける方もいらっしゃいます。また隙間がある分磨き残しリスクが高まり、齲蝕(虫歯)から歯周病へとつながる可能性があります。

 

乳歯列期における歯と歯の間の隙間に関しては、永久歯に生え替わることで綺麗に埋まることもあります。そのため、隙っ歯だからといって慌てる必要はありません。過剰埋伏歯なども含めて、患者さんの状態をしっかりと検査してから診断、治療していくことが大切です。