BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2016.07.12

アンカーインプラントを用いた歯列矯正治療とデンタルインプラントの違い

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は矯正治療とデンタルインプラントの違いについて少しお伝えしていこうと思います。

歯並び、噛み合わせを改善する際に、「インプラントで治療できますか?」という問い合わせを受けることがあります。少し詳しく聞くと、超短期間でインプラントでの歯列改善が出来るという情報からの問い合わせだったようでした。

恐らく矯正治療とインプラントを混同している場合、デンタルインプラントのことを指しているのだと思います。デンタルインプラントというのは、顎の骨(歯槽骨)に人工の歯根を植立し、そこにセラミックなどの人工歯を入れることです。もともと、齲蝕(虫歯)や歯周病から歯を抜くことになり、抜歯した隙間に人工歯を入れることでしっかりと食事が出来る状態にすることを目的にしています。デンタルインプラントで歯列改善となると、場合によっては健康な歯を抜歯し、そこに人工歯を入れることで超短期間で歯並び改善するというものになります。

それに対し歯列矯正は、健康な歯を健康な状態のまま動かしていき、咬み合せを含めた治療を行っていくものなので、歯列矯正とデンタルインプラントは全く違うものになります。基本的に非抜歯での治療を目指しますが、100%非抜歯で出来なこともあります。しかし矯正治療における抜歯は、歯を並べるスペースを確保するため、あるいは矯正治療後の安定も考えての場合になります。

ちなみに矯正専門医でいう「インプラント矯正」というのは、歯を動かす際に引っ張る側の支えとなる軸(アンカー)を植立し、そこを基準に歯を動かしていくという治療のことを指します。インプラントアンカーとも呼ばれますが、とても小さなネジを歯茎に植立し、そこからゴムやコイルを使って歯を動かします。メリット、デメリットそれぞれありますが、比較的治療期間短縮や、本来動かしたくない歯をそのままに治療しやすいということで、最近増えてきています。

どちらが正しいということは言えませんが、矯正専門医の視点で考えると、歯並び改善治療というのは、歯並びを綺麗にするだけでなく、日々の食事の際の咀嚼機能改善、あるいは長く自分の歯で生活していけることにつながる健康面など、総合的に治療していくものです。単に見た目だけ並んだように見えて、咬合関係の改善がされていない場合、顎関節症などの様々なトラブルへと発展する可能性がありますし、できる限り検査、診断を正確にし、患者さん個々にあった治療を提供していきたいと思っています。