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院長ブログ
2016.8.10
歯並びへ影響を与える舌癖

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

歯並びが悪くなる原因というのは先天性のものから後天性のものまで様々です。今日は後天性の方にあたる舌癖についてご紹介したいと思います。

歯というのはとても弱い力で動いていきます。歯列矯正はこの性質を利用して動かしていくわけですが、逆に日々の口腔内の癖によっても歯を動かしていってしまいます。その代表格にあたるのが舌癖です。字の通り、舌の癖のことですが、どういったものかを見ていってみましょう。

普段リラックスしてテレビを見ているとき、あるいは本などを読んでいるときに舌の位置はどこにありますか?今日ご紹介する舌癖は普段の何気ない状態のときの舌の位置を確認することで判断することが出来ます。

本来舌の正しい位置というのは、上顎の歯の根元部分(スポット)に舌の先が軽く触れている状態です。

正しい位置に舌がない場合、唾を飲み込む際に上下の歯の間に舌が入っていったり、外に出てしまう癖がある人もいます。飲み込む際に舌がこのように外に出ようとすると、歯列を外側に押し出そうとする力が加わっていきます。これが舌癖です。

舌癖になると、歯に余計な力が加わりますので、上顎前突など口元が外に出る不正咬合になりやすかったり、隙っ歯があると特にその部分に舌が入っていくため、隣接している歯が捻転(ねじれ)たり、叢生(デコボコ、乱ぐい歯)になりやすいなど、不正咬合の大きな原因の一つとなります。オープンバイト(開口)の症状もある場合は、唇で歯列を抑える力が弱いため、更に不正咬合が悪化してしまうリスクもあります。また不正咬合だけでなく、サ行やタ行の発音に障害が出やすくなるのも問題です。

 

舌癖の原因も実は様々で、遺伝の場合もあれば、小さいころからの指しゃぶり、あるいは鼻炎からくる口呼吸などがあります。矯正治療では、舌トレーニングなどを行い、舌の癖の改善も同時に行っていきます。歯並びだけ綺麗に治しても、歯並びが悪くなった原因を解決しないと、また後戻りしてしまうためです。

小児矯正の場合、こういった癖は成人より比較的治しやすいため、早めのチェックがお勧めです。歯列が悪化する前に歯並びだけでなくこういった癖にも目を向けていただければと思います。