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院長ブログ
2016.12.24
叢生と空隙

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は歯科疾患実態調査(厚労省)から、叢生と空隙について考えていきたいと思います。歯科疾患実態調査は厚生労働省が行っている調査で、様々な歯科に関する情報が提供されています。

今回ご紹介するのは、叢生(歯の凸凹)と空隙(すきっ歯)の有無をチェックしたもので、そこから見えてくるものがあります。調査対象は12歳~20歳の永久歯の方です。

 
■叢生

叢生は乱ぐい歯や八重歯とも言われ、歯がデコボコしている不正咬合のことです。本来綺麗に並ぶスペースがないことが原因で歯が前後に並んでしまったり、捻じれて(捻転)しまうことで凸凹になってしまいます。

 叢生なし:56名

上下叢生あり:13名

上顎のみ叢生あり:15名

下顎のみ叢生あり:16名

■空隙

空隙は隙っ歯とも呼ばれ、歯と歯の間に隙間が出来ている不正咬合です。食べ物の残りが挟まりやすく、齲蝕(虫歯)リスクなどが気になるところです。原因としては遺伝、歯が小さい、歯周病で歯が抜けてしまったなど色々とあります。

 空隙なし:87名

上下空隙あり:1名

上顎のみ空隙あり:7名

下顎のみ空隙あり:5名

 この二つの不正咬合のデータを見てみると日本人は歯の並ぶスペースが足りていない傾向がわかります。二人に一人叢生がみられるというのは結構な数字ではないでしょうか。先に書いた通り、叢生は顎の成長がうまく進まないなど、歯が並ぶスペースが足りないことで起きます。更にその原因としては軟らかいものばかり噛む生活習慣であったりします。

叢生の治療方法としては、どうやって歯が並ぶスペースを確保するのかがキーになります。抜歯、大臼歯の後方(遠心)移動、歯列弓(アーチフォーム)の拡大などです。できる限り非抜歯での治療を選択するためには大臼歯の遠心移動と歯列弓の拡大になりますが、確保できるスペースの限界があります。中には歯の側面を少しずつ削ってスペースを作ることもできます。

ただ、安全にと考えると、永久歯になる前に顎の成長具合を確認し、子供のうちから顎の成長を促す矯正治療を行うことが大切ではないかと思います。どのタイミングがベストかということは患者さん個々に違うため一概には言えませんが、比較的非抜歯での治療の可能性を上げることはできます。

ぜひ早い段階で矯正専門医に相談して、検査してみていただければと思います。