BLOG|矯正の本音

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2016.02.25

下顎前突(受け口、反対咬合)について

メープル矯正歯科の山口です。

今日は下顎前突について少し書いていこうと思います。
下顎前突は「受け口」「反対咬合」とも呼ばれ、下顎の方が上顎よりも前方に出ている症状を指します。「しゃくれ」という言葉が一番身近かもしれませんが、実はこの下顎前突にもいくつか種類があり、治療のアプローチもいくつかあります。

まず大きく「骨格性受け口」と「機能性受け口」とに分けて考えてみましょう。

骨格性受け口というのは、文字通り骨格に原因がある受け口のことです。基本的に下顎が上顎よりも成長が進み、前に出ているものです。骨格性受け口の場合、上下の前歯が接触せず、比較的噛み合せが浅いというのが特徴です。上顎と下顎の成長、骨のサイズのギャップから生まれる不正咬合のため、できれば骨の成長段階にある子供のうちに治療をした方がいいといわれています。成人になってからだと上顎の骨の成長を考えたり、必要以上の下顎の成長を抑えるということもできず、外科手術になる可能性が高いためです。


骨格性受け口と区別されているのが機能性受け口です。機能性の受け口の場合は、噛み癖からくる場合が多いと考えられています。前歯で食べ物を噛む際に、無意識のうちに下顎が前に出るように力が入ってしまっているケースです。通常上顎の前歯は切端(先端)が外側に傾いていて、下顎の切端はその内側に納まっています。つまり上顎前歯が下顎前歯を覆っている状態です。


でも上顎前歯の傾きが浅く内側に傾斜してくると、前歯の切端(歯の先)同士がぶつかります。本来は、この上下前歯の先と先で咬む位置で咬みたいのですが、そうすると奥歯が咬まない状態になります。


奥歯で噛もうとすると、下顎は後ろに下がることはできないので、無理矢理下顎を前に出して咬んで、その結果受け口の状態で咬むことになります。


機能性受け口の場合は、この上顎前歯の傾きを前方に傾斜するように調整することで治すこともできるため、症状によっては比較的短期間で治療できます。ただ、この癖を放っておくと、下顎の必要以上の成長につながってしまうということも考えられます。






見た目の問題だけでなく咀嚼機能や発音につながる不正咬合のため、どちらの受け口であっても、早い段階で矯正治療を行うに越したことはありません。80歳まで20本の自分の歯を残そうという8020運動に関する研究では、8020運動達成者の中に受け口の方は一人もいなかったというものも発表されました。できる限り早い段階で噛み合せを含めた矯正治療で治して頂ければと思います。