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CLINIC
院長ブログ
2016.4.12
親知らずの話

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、親知らず(智歯)についてお話していきたいと思います。

皆さんも親知らずの名前は聞いたことがあるかと思います。前歯から数えて8番目の歯のことで、智歯(ちし)と呼ぶこともあります。人によっては歯茎の中に埋まった状態で、見かけ上では生えていないという人もいます。

この親知らずでよく話に上がるのが、抜歯の話題かと思います。なぜ他の歯と違って親知らずでは抜歯をするという人がいるのでしょう?もちろん抜歯せずにそのまま生やしたままという方もおられると思いますが、抜歯するのと抜歯しないのではどちらが良いのでしょうか?これは矯正専門医の中でも様々な意見があり、答えを出すのは非常に難しい問題です。

では、なぜ抜歯をする必要があるのかということについてスポットを当ててみたいと思います。

一つ目の理由として、虫歯(齲蝕)や炎症を引き起こす要因となる可能性があることです。親知らずも本来は歯列通りまっすぐ生えてくるのが理想的な状態と言えます。しかしながら、近年の食生活などの影響を受けて顎の大きさが細くなりつつあります。そのため、本来生えるべきスペースが確保できず、押し出されるように横や斜めを向いた状態で生えてくることが多くなっています。そのため歯ブラシが当たりにくいところが出来てしまい、食べかすが溜まってしまいがちです。そのことによって虫歯(齲蝕)のリスクが増し、親知らずに隣接している大臼歯にも同じように悪影響が出る可能性が高くなります。

二つ目の理由として、大臼歯を後方移動するときです。叢生(八重歯、乱ぐい歯)の治療を非抜歯で行う際に、前歯部から臼歯部にかけてきっちりと並ぶだけのスペースがあるかどうかが大きなポイントになります。スペースがあれば何も問題はないのですが、スペースが無い場合は大臼歯を後方に移動してまずはスペースを確保するという方法もあります。しかし、そこに親知らずがあるとそれ以上後方に下げるのが難しくなるため、抜歯するケースが出てきます。

この様に虫歯(齲蝕)や矯正治療が行いにくいと言った弊害が生じることが多いため、抜歯される方も多くなっているのかと思います。

メープル矯正歯科では、患者さん毎の口腔内・顎の状態をまずは検査してから、矯正治療も含めて親知らずの抜歯・非抜歯をご相談させていただいております。状態が悪くなってからだと選択肢が狭くなる可能性もありますので、まずはお気軽に御相談にお越しいただけたらと思います。