BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2017.09.19

前歯の役割と不正咬合

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は前歯の不正咬合について書いていきたいと思います。

前歯とは、一番前の歯(中切歯、ちゅうせっし)とその隣の歯(側切歯、そくせっし)のことで、上下ともに4本ずつあります。この前歯は、食べ物を噛み切るという大切な役割を持っています。また、一番前にある歯なので、見た目の問題としてもかなり大きな影響を及ぼす歯とも言えます。実際に当院でも前歯に関する問題を気にして矯正治療の相談に来る人はかなり多いように思います。では実際にどういう問題で来る人がいるのかも見ていきましょう。


■前歯不正咬合と問題
1)叢生はデコボコや乱杭歯とも言う不正咬合のことで、相談件数としても一番多いのではないかと思います。歯が重なってしまうところが出来てしまうため、ブラッシングが出来ずにう蝕(虫歯)になってしまうリスクも高くなります。


2)オープンバイト開口とも言う不正咬合のことで、噛み締めた状態で上下の前歯が重ならず、隙間が開いた状態になっていることを言います。口腔内の気密度が下がってしまうため、唾液で口腔内の自浄が出来ずにう蝕(虫歯)になりやすくなったり、息が抜けやすくなるので発音に関して障害が出てきてしまうという問題があります。


3)正中離開中切歯の間に隙間が開いている状態のことで、笑った時などに目立ってしまうなどで悩んでいる人も多くいます。レントゲンなどで埋伏歯など確認していく必要があるため、しっかりと検査していく必要がある症状です。



この様な問題以外にも上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、しゃくれ)など相談に来られる人は様々な内容で悩んでいる人がいます。



初めにも書きましたが、前歯には食べ物を噛み切るという役割があるため、見た目の問題ももちろん大切なのですが、機能上の問題もしっかりと改善していく必要があります。矯正治療もそういったことを全て考慮して治療していくため、悪い部分だけをパッと治療するというわけにはいきません。咬合の問題をしっかりと改善して、きちんと食事をすることで消化・吸収の効率も上がるため、健康面での良い影響も期待できます。各歯の役割をしっかりと意識して、長く良い状態を保つように努力するのを忘れずに居て貰えたらと思います。

2017.08.30

癒合歯

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は少し珍しいものなのですが、癒合歯(ゆごうし)について説明していきます。この癒合歯というのは、隣同士の歯がくっついた状態で生えてくることで、主に乳歯で見られることが多いです。乳歯で5%未満、永久歯で0.4%未満で発症するというデータも出ています。乳歯の下顎前歯で起こることが多く、原因としては遺伝ということが挙げられていますが、まだはっきりとは分かっておらず、根本治療に至るのは難しいとされています。

この癒合歯に関しては慌ててすぐに何かをしないといけないということは少ないです。癒合歯でまず見てもらうことは、くっついている歯の間に溝があるかどうかということです。この溝が直接的に悪影響を及ぼすというわけではないのですが、隙間や凹凸が多いと磨き残して虫歯などのリスクにもなりかねません。きちんとブラッシングの指導を受けるか、溝を歯科用のプラスチック素材(シーラント)で埋めてしまうのが良いのではないかと思います。

ただ癒合歯でも少しやっかいな問題を引き起こす場合もあります。乳歯期に多い癒合歯ですが、この癒合歯があると永久歯の先天性欠如(数が少ない)の可能性が高くなります。そうなってしまうと、欠損で歯の間に隙間が出来て隣の歯がその隙間に倒れこんでしまったり、移動してきてしまったりすることが考えられます。その結果、歯列が乱れて不正咬合の状態が悪化してしまったり、ひどい場合では噛み合わせのときに顎関節に悪影響が出てきてしまうこともあります。

↑レントゲンのアルファベットが乳歯、数字が永久歯を表します。BCが乳歯の癒合歯です。本来はBの下に2の永久歯、Cの下に3の永久歯があるのですが、この場合、2の永久歯がありません。

いずれにしても、今どの様な状態で今後どの様になっていく可能性があるかという予測を立てていくことが大切ではないかと思います。欠損はレントゲンなどで簡単に確認することが出来ますので、まずはそういったチェックをして見ることをお勧めします。

矯正治療に来られる方は、癒合歯以外で歯が欠損している方もいますし、事前に欠損が分かっていれば治療の選択肢を増やせる可能性もあります。歯列矯正医はこういった問題を治していけるように治療計画を立てて、治療を行っています。そのため、もしお子さんに癒合歯が見受けられたなら、時間のあるときに一度検査してみてはいかがでしょうか。その上で、今はこのまま様子を見た方がいい場合や、治療を行っていくことをお勧めする場合など状況に応じた適切な提案が出来るように心掛けています。

2017.08.24

矯正歯科医院を知ったキッカケ

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今日は矯正治療を受けられた患者さんに対するアンケート調査で、その治療した矯正歯科医院を知ったキッカケについて聞いたものです。

今回のアンケートは調査会社が行ったものですが、回答を見ていると日々の治療においてよりしっかりと検査、診断を行い、丁寧に矯正治療を提供していこうという想いになります。


■矯正治療を受けた歯科医院を知ったキッカケは?(矯正治療経験者490人を対象)
1位)友達、知り合いの評判:38.8% (自分32.0%/子供47.3%)
2位)かかりつけ歯科医院:33.3% (自分38.0%/子供30.9%)
3位)インターネットの情報:13.1% (自分20.0%/子供:9.1%)
4位)自宅、職場の近くにあった:13.1% (自分14.0%/子供:10.9%)
5位)歯科医の紹介:12.1% (自分8.0%/子供14.5%)
6位)雑誌広告:4.0% (自分4.0%/子供5.5%)
7位)地域情報誌:3.0% (自分2.0%/子供3.6%)
8位)立て看板など:2.0% (自分2.0%/子供1.8%)
9位)電話帳:1.0% (自分0.0%/子供1.8%)

結果を見てみると、インターネットがこれほど広がってきているにも関わらず、やはり人のつながりの方が情報価値が高いのがわかります。友人からの話や、歯科医の紹介を含めると50%にも上ります。

また自分の矯正治療時と子供の矯正治療時の割合を見てみると、1位の友達、知り合い評判の比率に差があります。子供の方が知り合いの評判を大切にしているのがわかりますし、実際子供の友達の紹介という方が治療に来られるケースは多々あります。

今回のアンケート調査は、治療を受けた歯科医院の認知経路なので、実際の治療を決断した理由はまた変わってきます。矯正治療期間、治療費、痛み、インビザラインや裏側矯正(舌側矯正)などの見えない矯正治療が出来るかなど、それぞれの患者さんが決める理由はそれぞれです。

ただ、今回のアンケート調査から、信頼おける大切な方からの紹介を受けた立場として、その患者さんが求めていることに対してできるだけ応える矯正歯科であろうという想いが強くなりました。例えば矯正治療期間は無理な治療ではなく、しっかりと技術を磨くことで短縮していくことが出来ます。

そして、現在治療を受けられている患者さんに信頼していただける治療を提供していくことも大切だと思っています。患者さんが心から喜ぶ綺麗な歯並びを手にするために、日々努力を続けていきたいと感じました。

2017.07.27

口臭の原因と矯正治療

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、以前の歯と健康の意識調査で気にしている人が多かった口臭についてお話していきます。調査結果では、69.7%の人が口臭について何かしら気になるところがあるという結果が出ていましたので、別の調査でもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。

■口臭について気になることは?
① 自分の口臭の有無や強さがわからないこと(59.7%)
② 自分の口臭が周りに気付かれていないか(56.0%)
③ 口臭を無くす方法を知りたい(43.8%)
④ 口臭予防について知りたい(43.0%)
⑤ 自分に口臭があること(37.5%)

■口臭が気になった時に何をしていますか?
① 歯磨き(59.7%)
② 飴、ガム、ミント菓子を食べる(55.8%)
③ 水で口をゆすぐ(47.0%)
④ マウスウォッシュなどの洗口液を使用する(26.8%)
⑤ コーヒー、お茶、ジュースを飲む(26.8%)
⑥ マウススプレーを使用する(7.5%)
⑦ その他(0.4%)
⑧ 何もしない(7.6%)

このようなアンケート結果が出ていました。自分の口臭はなかなか気付きにくいものですので、周りからどう思われているかを気にした項目が上位に来ているというのは納得できる結果となっていると思います。

また、最近ではミントタブレットやガムのCMも良く見ますし、口臭を気にしている人は2つ目の回答のように、何か対策を取っている人も多いのではないでしょうか。

ではこの口臭という問題と矯正治療はどの様な関係があるのでしょうか。口臭の原因はいろいろあるため、全てに関係しているわけではありませんが、一般的に歯磨きによる食べカスの除去不足などが挙げられます。これは叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)があると歯の磨きにくい部分が出来てしまうため、磨き残しが出来やすくなります。その状態が続くと虫歯の原因にもなってしまいます。


また、開咬(前歯が咬まない)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口、しゃくれ)がひどい状態になると口唇を閉じることが困難になり、口腔内が乾燥するドライマウスという症状になりやすくなります。口腔内が乾燥すると細菌の繁殖が進み、その結果として口臭が出てくるということもあります。




口臭予防は歯磨きなどを意識して行っていくのが必要にはなりますが、その根本原因となるものを矯正治療で軽減していくことは十分可能だと思います。口臭以外でもいろいろな原因で相談に来る患者さんも増えていますので、悩んでいる方がいましたらまずはお気軽に矯正専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

2017.07.25

金属アレルギーと矯正治療

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は金属アレルギーの方も矯正治療が出来るというお話です。

矯正治療は一昔前までは金属アレルギーの患者さんの対応が出来ないことがありました。歯を動かすために、歯にブラケットと呼ばれる矯正装置を装着し、そこに歯列に沿った金属のワイヤーを通してワイヤーが元の形に戻る力を利用して治療します。そのブラケットとワイヤーの金属に対してアレルギー反応が出てしまうことがあるためです。

そもそも金属アレルギーとは、金属中に含まれるイオンが溶けだし、粘膜や皮膚を通して血流に流れます。血流の中にあるたんぱく質と結合し、その物質に対して「異物」と判断した免疫細胞が攻撃をしかけてアレルギー症状となります。食べ物のアレルギーほど身近にないため、自身が金属アレルギーということを知らない場合もあります。
矯正治療における金属アレルギーでは、ニッケル、コバルト、クロムなどがあります。ニッケルに関してはブラケットやワイヤーで使用されていることが大変多くなっています。特にワイヤーに関しては、とても弱い力の弾性をもっていて、歯牙と歯根にダメージを与えずに治療することが出来るため、ほとんどのケースで治療初期段階で採用されています。

では金属アレルギー患者さんは矯正治療を受けることが出来ないかというと、そういうわけえでもありません。

ブラケットに関しては、セラミックで出来たものが登場し、一切金属がないものがあります。また生体親和性の高いチタンで出来たものを使うこともできます。チタンはインプラントや外科分野でよく使用されている金属です。



ワイヤーに関してもチタン素材のものも出てきています。

また最近広がってきているのが、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正です。これは、ブラケットもワイヤーも使用しないため、金属アレルギー患者さんにとって安心できるといえるでしょう。重度の不正咬合(上顎前突や下顎前突など)の場合、マウスピースが選択できないこともありますが、かなり対応できる症状が増えてきています。

先に少し書きましたが、金属アレルギーということを本人が知らないこともあります。そのため、場合によっては矯正治療前の段階で検査することもします。安心して矯正治療を開始できるよう、メープル矯正歯科では対応する体制をもっていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。

2017.07.05

矯正治療の検査について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療を開始する前の検査についてお話していきます。
「検査」と一言で言ってもなかなかピンと来る方は少ないのではないでしょうか。レントゲンを撮ったり、写真をたくさん撮ったりして検査していくのですが、それがどの様に必要なのかをなかなか知っていただく機会も少ないかと思います。

では具体的にどの様に検査をしているのかを説明します。
矯正治療と言っても、気になる部分やその原因は人それぞれ違います。叢生(デコボコ、乱ぐい歯)で来院する人もいますし、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ、受け口、反対咬合)で来院する人もいます。もちろん症状が違えば原因が違うというのは当たり前なのですが、同じ叢生の中でも顎の成長が未発達で歯列の大きさが小さいために起きているのか、歯牙の大きさによってそれが起きているのかなど考えられる原因はたくさんあります。



そのため、レントゲンを使用して顎関節の状態や発達具合など目に見えない部分の現状をきっちり把握しているという訳です。また、骨格の分析により、不正咬合(叢生、上顎前突、下顎前突等)の原因が歯だけの問題か骨格だけの問題か、またはそれらが合わさった問題というのが分かります。その他には、加齢などの影響も大きいのですが、歯根吸収という歯茎の中に埋まっている歯の根っこの部分が細く・短くなってしまっていることもあります。そういった場合は、治療の方針や期間が大きく変わってきますので、そういった判断の時にもレントゲンは役立っています。


また、写真による検査の方法としては、顎の左右方向のズレは無いのか、歯列の中に全ての歯牙を並べるスペースは確保できるのかどうか、噛み締めた時に上下の顎や歯の位置は合っているのかなどいろいろ分析をしていくことが出来ます。


この様に、細かく見る部分や大きく全体を見る部分など、広い視野で患者さんの状態を把握するために検査をしていく必要があります。虫歯治療の様に、悪くなった部分を検査して治療するという方法とは違うということが分かってもらえたでしょうか。また、虫歯治療とは違い、矯正治療は保険適応外の治療となります。そのため治療費も国からの負担がないため患者さん個人の負担となってしまうというのが現実です。そのため、私たちも極力無駄な検査や費用は掛からないように細心の注意を払って、治療を行っています。

矯正治療とは、様々な検査や診断を行った上で治療を勧めていくものになります。今日思い立ったからすぐに始めようというものではないことが理解してもらえたかと思います。このコラムを読んでくれていると言うことは、少なくとも矯正治療に興味があるという人が多いのではないでしょうか。皆さんの状況でいつから治療を始めたいか、もしくはいつまでに治療を終了したいかというのは異なってくると思います。そういった治療の計画に関しても、最大限考慮して提案をしていっていますので、間に合わなくなる前に一度相談だけでも来て貰えたらそれに合わせたアドバイスもしていきたいと思います。

2017.06.28

乳歯の役割

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、相談に来られる人が少しずつ増えてきた小児期の矯正についてお話していきたいと思います。最近の矯正治療に関する認知度が上がってきたせいか、小さいお子さんの歯並びが気になり、早めに治療を開始したほうがいいのですか?という相談を受けることが多くなってきています。

早めに開始することによって治療の効率化を見込める人もいますし、あまりそういった影響が無さそうなため、開始を勧めない人もいます。早めに矯正治療を受けるべきか、受けないべきかの前に、子供の乳歯には永久歯と違う役割がありますので、今日は乳歯の役割に関して書いていこうと思います。

1. 咀嚼の習得
母乳から離乳食に切り替わり、少しずつ食べ物を食べるという行為が必要になってきます。しっかりと食べ物を細かく噛み砕き、消化吸収をしやすくするのは成長や健康面でもかなり大切なことです。乳歯の時期からしっかりと習得していく必要がありますので、この時期に虫歯などで歯を失い、変な噛み癖がつかないように注意してあげる必要があります。また、この咀嚼の刺激で脳が発達するという影響もありますので、しっかりと噛むという意識をしてもらえたらと思います。


2. 発音の習得
歯が無いと、発音の際に舌を上手に使うことが出来なくなります。息が抜けたような音になってしまうため、乳歯の存在というのは言葉を覚えて発声していく上でとても重要な役割を担っています。


3. 永久歯の補助
乳歯は永久歯の生える準備が整うと、順番に抜けて永久歯の生えるスペースを確保していきます。そのスペースに永久歯が生えることによって、歯列弓内に綺麗に並ぶことができるようになります。そのため、大きく乳歯の生える位置が異なっていたり、抜歯などで歯が無い状態になるとこの順番がおかしくなってしまい、叢生(デコボコ、八重歯)がきつくなってしまう可能性もあります。


この様に、乳歯には永久歯が生えるまでの様々な準備をしていく役割があります。そのため、すきっ歯で隙間があるなどの軽い状態では治療を勧めないこともありますし、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)で放っておくと不正咬合が悪化してしまう場合などは早期の治療を勧めたりということもあります。



重要なことは各患者さんの不正咬合の状態、原因などをしっかりと検査してから、治療計画を立てていくことです。気になっていることがある場合はお気軽に相談に来ていただけたらと思います。

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