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CLINIC
院長ブログ
2017.6.28
乳歯の役割

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、相談に来られる人が少しずつ増えてきた小児期の矯正についてお話していきたいと思います。最近の矯正治療に関する認知度が上がってきたせいか、小さいお子さんの歯並びが気になり、早めに治療を開始したほうがいいのですか?という相談を受けることが多くなってきています。

早めに開始することによって治療の効率化を見込める人もいますし、あまりそういった影響が無さそうなため、開始を勧めない人もいます。早めに矯正治療を受けるべきか、受けないべきかの前に、子供の乳歯には永久歯と違う役割がありますので、今日は乳歯の役割に関して書いていこうと思います。

1. 咀嚼の習得
母乳から離乳食に切り替わり、少しずつ食べ物を食べるという行為が必要になってきます。しっかりと食べ物を細かく噛み砕き、消化吸収をしやすくするのは成長や健康面でもかなり大切なことです。乳歯の時期からしっかりと習得していく必要がありますので、この時期に虫歯などで歯を失い、変な噛み癖がつかないように注意してあげる必要があります。また、この咀嚼の刺激で脳が発達するという影響もありますので、しっかりと噛むという意識をしてもらえたらと思います。

2. 発音の習得
歯が無いと、発音の際に舌を上手に使うことが出来なくなります。息が抜けたような音になってしまうため、乳歯の存在というのは言葉を覚えて発声していく上でとても重要な役割を担っています。

3. 永久歯の補助
乳歯は永久歯の生える準備が整うと、順番に抜けて永久歯の生えるスペースを確保していきます。そのスペースに永久歯が生えることによって、歯列弓内に綺麗に並ぶことができるようになります。そのため、大きく乳歯の生える位置が異なっていたり、抜歯などで歯が無い状態になるとこの順番がおかしくなってしまい、叢生(デコボコ、八重歯)がきつくなってしまう可能性もあります。

この様に、乳歯には永久歯が生えるまでの様々な準備をしていく役割があります。そのため、すきっ歯で隙間があるなどの軽い状態では治療を勧めないこともありますし、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)で放っておくと不正咬合が悪化してしまう場合などは早期の治療を勧めたりということもあります。

重要なことは各患者さんの不正咬合の状態、原因などをしっかりと検査してから、治療計画を立てていくことです。気になっていることがある場合はお気軽に相談に来ていただけたらと思います。