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CLINIC
院長ブログ
2017.7.5
矯正治療の検査について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療を開始する前の検査についてお話していきます。
「検査」と一言で言ってもなかなかピンと来る方は少ないのではないでしょうか。レントゲンを撮ったり、写真をたくさん撮ったりして検査していくのですが、それがどの様に必要なのかをなかなか知っていただく機会も少ないかと思います。

では具体的にどの様に検査をしているのかを説明します。
矯正治療と言っても、気になる部分やその原因は人それぞれ違います。叢生(デコボコ、乱ぐい歯)で来院する人もいますし、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ、受け口、反対咬合)で来院する人もいます。もちろん症状が違えば原因が違うというのは当たり前なのですが、同じ叢生の中でも顎の成長が未発達で歯列の大きさが小さいために起きているのか、歯牙の大きさによってそれが起きているのかなど考えられる原因はたくさんあります。



そのため、レントゲンを使用して顎関節の状態や発達具合など目に見えない部分の現状をきっちり把握しているという訳です。また、骨格の分析により、不正咬合(叢生、上顎前突、下顎前突等)の原因が歯だけの問題か骨格だけの問題か、またはそれらが合わさった問題というのが分かります。その他には、加齢などの影響も大きいのですが、歯根吸収という歯茎の中に埋まっている歯の根っこの部分が細く・短くなってしまっていることもあります。そういった場合は、治療の方針や期間が大きく変わってきますので、そういった判断の時にもレントゲンは役立っています。


また、写真による検査の方法としては、顎の左右方向のズレは無いのか、歯列の中に全ての歯牙を並べるスペースは確保できるのかどうか、噛み締めた時に上下の顎や歯の位置は合っているのかなどいろいろ分析をしていくことが出来ます。


この様に、細かく見る部分や大きく全体を見る部分など、広い視野で患者さんの状態を把握するために検査をしていく必要があります。虫歯治療の様に、悪くなった部分を検査して治療するという方法とは違うということが分かってもらえたでしょうか。また、虫歯治療とは違い、矯正治療は保険適応外の治療となります。そのため治療費も国からの負担がないため患者さん個人の負担となってしまうというのが現実です。そのため、私たちも極力無駄な検査や費用は掛からないように細心の注意を払って、治療を行っています。

矯正治療とは、様々な検査や診断を行った上で治療を勧めていくものになります。今日思い立ったからすぐに始めようというものではないことが理解してもらえたかと思います。このコラムを読んでくれていると言うことは、少なくとも矯正治療に興味があるという人が多いのではないでしょうか。皆さんの状況でいつから治療を始めたいか、もしくはいつまでに治療を終了したいかというのは異なってくると思います。そういった治療の計画に関しても、最大限考慮して提案をしていっていますので、間に合わなくなる前に一度相談だけでも来て貰えたらそれに合わせたアドバイスもしていきたいと思います。