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CLINIC
院長ブログ
2017.7.25
金属アレルギーと矯正治療

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は金属アレルギーの方も矯正治療が出来るというお話です。

矯正治療は一昔前までは金属アレルギーの患者さんの対応が出来ないことがありました。歯を動かすために、歯にブラケットと呼ばれる矯正装置を装着し、そこに歯列に沿った金属のワイヤーを通してワイヤーが元の形に戻る力を利用して治療します。そのブラケットとワイヤーの金属に対してアレルギー反応が出てしまうことがあるためです。

そもそも金属アレルギーとは、金属中に含まれるイオンが溶けだし、粘膜や皮膚を通して血流に流れます。血流の中にあるたんぱく質と結合し、その物質に対して「異物」と判断した免疫細胞が攻撃をしかけてアレルギー症状となります。食べ物のアレルギーほど身近にないため、自身が金属アレルギーということを知らない場合もあります。
矯正治療における金属アレルギーでは、ニッケル、コバルト、クロムなどがあります。ニッケルに関してはブラケットやワイヤーで使用されていることが大変多くなっています。特にワイヤーに関しては、とても弱い力の弾性をもっていて、歯牙と歯根にダメージを与えずに治療することが出来るため、ほとんどのケースで治療初期段階で採用されています。

では金属アレルギー患者さんは矯正治療を受けることが出来ないかというと、そういうわけえでもありません。

ブラケットに関しては、セラミックで出来たものが登場し、一切金属がないものがあります。また生体親和性の高いチタンで出来たものを使うこともできます。チタンはインプラントや外科分野でよく使用されている金属です。

ワイヤーに関してもチタン素材のものも出てきています。

また最近広がってきているのが、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正です。これは、ブラケットもワイヤーも使用しないため、金属アレルギー患者さんにとって安心できるといえるでしょう。重度の不正咬合(上顎前突や下顎前突など)の場合、マウスピースが選択できないこともありますが、かなり対応できる症状が増えてきています。

先に少し書きましたが、金属アレルギーということを本人が知らないこともあります。そのため、場合によっては矯正治療前の段階で検査することもします。安心して矯正治療を開始できるよう、メープル矯正歯科では対応する体制をもっていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。