BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2018.12.02

矯正期間の口臭に関して

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療を行なっている期間中に問題として出る可能性がある口臭についてお話していきたいと思います。

ではどの様なことが原因で口臭が発生するのかと、対処法について紹介していきます。

■不十分なブラッシング
矯正治療は歯にブラケットという矯正装置とそれに通すワイヤーで治療を行っていきます。その為、何も装着していない時よりもブラケットやワイヤーなどによる隙間が出来てしまいます。きちんとブラッシングが出来ていれば問題ないのですが、この隙間に磨き残した歯垢などが溜まって菌が増殖し、口臭の原因となることがあります。これは虫歯にも繋がってしまいますので、注意が必要です。

対策としては、矯正治療を始めるときに歯科医院で受けたブラッシング指導をしっかりと行なっていただくしかありません。細かいところなど始めは煩わしく感じるかもしれませんが、慣れてくると短い時間でもしっかりと磨くことが出来る様になり、後々の虫歯予防にも繋がりますので頑張ってブラッシングを行なってください。こちらでも治療の際に磨き残しが無いかどうかチェックは行っています。


■口腔内の乾燥
口腔内が乾燥すると唾液による自浄作用が低下し、虫歯菌などの細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
ブラケットとワイヤーを装着すると、歯と唇の間に物がある違和感から口を閉じにくくなるケースがあります。そうすると口腔内が乾燥しやすくなるため、口臭発生の原因となってしまいます。
対策としては、マスクなどで保湿をするという方法があります。また、普段からのトレーニングとして、閉口テープという唇を閉じた状態で上下にテープを貼るというものがあります。少しずつ閉じる違和感が無くなってくれば改善できてくると思います。
こういった原因で口臭が発生するケースがあるのですが、実はこれは矯正治療中に限ったことではありません。ブラケットやワイヤーなどで起こりやすくなる可能性はあるかと思いますが、普段から口が開いていると指摘されたりする人などは注意してみるといいのではないでしょうか。


当院では、上顎前突(出っ歯)、オープンバイト(開咬)などが原因で口が閉じにくく、乾燥が気になるという理由で治療を希望される患者さまもおられます。口が開いていることが原因の乾燥は、口臭の問題や直接ウイルスが口から入ることによって風邪・インフルエンザにかかりやすくなるなど様々な問題を引き起こす可能性もあります。



少しでも気になることがある方は、お気軽に相談に来ていただけたらと思います。こちらでどの様な治療や対処が可能かをしっかり説明させていただきます。

2018.11.29

矯正治療の痛み

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

矯正治療を検討したことがある人の中で、痛みについて懸念される方は少なく無いのではないかと思います。今回は矯正治療の痛みがそもそもなぜ起こるのか、そしてどう対処するのか、ということについてお話していきます。

まずなぜ矯正治療を行うと痛みが起こるのかということを説明していきます。
矯正治療とは、歯に矯正装置(ブラケット)を取り付け、そこに金属のワイヤーを通すことによって治療を行っています。このブラケットとワイヤーから歯の歯根部分に少しずつ力を加えて歯を動かしていくのですが、この時に歯槽骨の中で骨の吸収と形成が繰り返し行なわれています。この様に歯に力を加えたときに個人差はありますが、痛みを感じることがあります。

■対処方法
① しっかりとした診断と治療計画
矯正治療を行う前の準備段階として検査と診断を行い、その結果に基づく治療計画を立案していきます。一人一人不正咬合の状態は違うため、しっかりとした治療計画を立てて、無理な力が掛からないようにゆっくり治療を進めていくことで出来るだけ痛みを和らげられるようにしていきます。

この力加減やエラスティック(顎間ゴム)の強さやサイズなどの選択もある程度矯正治療の経験で判断していく必要があります。無理な力が掛かってしまうと、歯根吸収が起こってしまい、歯の安定性が悪くなったり抜けてしまうという問題が起こります。 また、計画を立てて治療を行っている最中も、予期せぬ動きが出てきてしまう事があります。その時は都度計画を見直して、治療を変更していくことも必要となります。

② 矯正材料の選択
最近では矯正材料も様々なものが出て来ています。
セルフライゲーションと言われる、ブラケットとワイヤーの間に「遊び」を設けた治療を併用することもできます。これはワイヤーから直接伝わる力を弱くすることが出来るので、一般的に痛みが少なくなると言われています。

ワイヤーも形状記憶の合金が出てきたり、サイズがかなり細いワイヤーも発売されてきました。昔はステンレス製の太いワイヤーを少しずつ曲げて使用していましたので、その時と比べるとワイヤーの力も弱く継続的に掛けやすくなってきており、痛みを軽減しやすくなっています。

この様に、痛みを和らげるための選択はいろいろ進化してきています。ただ、痛みを感じるかどうかはその人の感覚によるところがかなり大きくなっています。

どうしても我慢できないときは少し治療期間が延びる可能性はありますがワイヤーの力を掛ける段階を細かく刻む対応も検討していきます。また、始めは少し痛みを感じる人でも、何日かすると慣れて痛みを感じなくなる人がほとんどですので、心配しすぎる必要もないかと思います。

いずれにしても患者さんに合わせて治療を行うことが大切だと思いますので、不安な点などがあれば遠慮なく相談してください。

2018.10.30

正しい歯並びって?

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今日は、初心に戻って「正しい歯並び」ってどんなものなのかを考えていきたいと思います。

矯正治療を受ける理由は患者さんそれぞれです。見た目の改善、噛み合わせの改善、発音、などなど一人一人違います。また、不正咬合の状態も、その原因も様々です。

では、そのなかから、矯正治療を受けるまでの検査の段階で、矯正歯科医がどういった点をチェックしているかを簡単にご紹介してみましょう。

・顔貌
顔の「歪み」や、顎の出っ張りなど、顔全体を正面、横から確認します。

・左右対称
叢生(デコボコ、乱ぐい歯)や捻転(ねじれ)などがあまりなくても、上下の顎がずれている不正咬合もあります。

・噛み合わせの「深さ」
上下の歯の重なり具合からディープバイト(過蓋咬合)、オープンバイト(開口)などのチェックを行います。



・顎の前後関係
上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口、反対咬合)をチェックします。これは、単に顔貌で分かる点だけでなく、奥歯の位置関係からも確認します。


・歯
歯の大きさ、形、向き、位置、虫歯の有無を確認します。歯の大きさは噛み合わせにも重要な要素となるため、そのバランスを診ます。歯が極端に小さい矮小歯もここで判断します。

・歯根の状態
これはご自身では把握できない部分になりますが、歯茎に埋まっている歯の根っこ部分=歯根の確認をします。歯根が斜めに傾いていないか、歯根が細くなってしまっていないかという点も確認します。

・歯の隙間
歯と歯の間の隙間があるかどうかをチェックします。子供の場合、隙間があって普通なのですが、永久歯になって隙間があると、う蝕の原因になりやすかったりします。

実際はより細かく検査し、それぞれの患者さんに合った治療方針を考えていくわけですが、問題があるチェック項目が大体いくつか重なって不正咬合になっています。

また歯は28本のバランスが正常になって、初めて正常な歯並びとなります。つまり、それぞれの歯は関連性があり、一か所の問題点を解決するだけで、正常な歯並びにするということはとても難しかったりします。

検査をしっかりと行うことで見えてくる不正咬合の原因にも目を向けて、正しい歯並びを手に入れていただければと思います。

2018.10.23

セラミック矯正、クイック矯正

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、「セラミック矯正」、「クイック矯正」という事についてお話していきたいと思います。

セラミック矯正、クイック矯正という単語を、最近広告やテレビCMなどで見かける機会が増えてきたように感じます。矯正という言葉を使っているので、矯正歯科治療の内の一つなのかと勘違いされる方も多いのですが、これは全く意味が違ってきます。

ではこのセラミック矯正についてみていきましょう。

■セラミック矯正、クイック矯正とは
セラミック矯正、クイック矯正とは、健康な歯を抜く・大きく削るなどしてスペースを確保し、そこにセラミックの被せ物を被せて治療を行うという手法になります。美容外科や審美歯科などで行っていることがほとんどで、患者さん自身の歯を使って綺麗な歯列を作り上げていく矯正治療とは治療の考え方が全く違っています。ただその治療法から、治療期間が短いということは一つメリットとして取り上げているのかと思います。

■注意点
セラミック矯正、クイック矯正の注意点としては、上にも書いたように歯を抜いたり大きく削ったりということがほぼ必須事項になっているという点です。もちろん矯正歯科でも歯を抜いて治療をすることはありますが、上下の噛み合わせをしっかりと整えるために必要な行為です。しかし、セラミック矯正・クイック矯正は噛み合わせの改善は出来ておらず、見た目上の改善のために歯を抜いたり削ったりしています。そのため、患者さん自身の歯の寿命が短くなったり、歯列を長期間安定させるということは出来ないのではないかということがかなり懸念されています。


■矯正治療で出来ること
叢生(デコボコ、乱ぐい歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口、しゃくれ)などの不正咬合には、その症状になっている原因があります。その根本原因を取り除きながら治療をしていくことが出来るので、長期間安定しやすい歯列を目指しています。また、上下の歯でしっかりと噛み合わせがあっているということは、歯列の安定はもちろんですが顎や関節に過度な負担が掛かりにくくなっているということです。正常な咬合でしっかりと食べ物を噛んで食事をするということは健康の面から見ても大きなメリットにもなります。ただし、デメリットはやはり治療期間が長く、時間がかかることです。

この様に大まかではありますが、セラミック矯正と矯正治療の違いを紹介してみました。治療期間が短いことや費用的な面から見えるところだけ治ればいいかなと思いがちなところはあるかもしれませんが、歯科矯正治療とは根本から違うものになりますので、知っておいていただければと思います。

2018.09.28

反対咬合の治療意義

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、反対咬合(受け口)について少し詳しくお話していきたいと思います。

反対咬合とは、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯よりも前に出た噛み合わせの状態とを指します。別の呼び方としては「下顎前突」や「しゃくれ」といったものもあり、こちらの方が聞き覚えはあるかもしれません。ただ細かく言いますと、大臼歯の関係で判断していますので、見た目がしゃくれていなくても反対咬合という場合もありますので完全に同意語かというと少しだけ違うところもあります。

見た目の上でしゃくれている場合は矯正治療を検討するという方も多くなるかと思うのですが、見た目ではわかりにくい反対咬合の場合、ご自身では治療を検討するかどうかの判断が難しいと思います。

ただ、反対咬合は見た目の問題もそうですがそれ以上のデメリットというのもありますので知っておいて貰えたらと思います。

では反対咬合の種類から説明していきます。

■機能性反対咬合
この反対咬合の原因となるのは、普段からの咀嚼の癖が主なものです。顎を楽な位置で咬もうとすると、上下前歯の先と先で咬めますが、この際、臼歯(奥歯)が咬まない咬み合わせとなります。食べる際に咬み合せるときに下顎は後ろへは動かないため、仕方なく下顎を前に出すことにより臼歯(奥歯)で咬めるようになりますが、下顎を前に出しているので、前歯は反対咬合の状態となってしまいます。状況や症状にもよりますが、多くの場合、上顎前歯が内側(後方)に傾斜していることが多く、矯正装置により少し外側(前方)へ傾斜させることによりこちらは比較的簡単に治療を行うことができます。



■骨格性反対咬合
この反対咬合の原因となるのは、遺伝などによって下顎がかなり大きく発達することによって下顎の歯列の方が前に出ることが挙げられます。こちらの治療は機能性反対咬合と比べると難しいことが多く、子供の場合は上顎の成長を促しながら少しずつ改善できる可能性もあるのですが、成人の場合は外科治療が必要なときもあります。

反対咬合は歯磨きがしにくかったり、長くその状態で噛み続けてしまうことで、影響する歯に不要な力が加わって抜けてしまうことすらあります。また、噛み合わせが悪い状態なので顎の関節に負担が掛かり、顎関節症になる危険などもあります。

骨格性反対咬合の欄でも書きましたが、小児期に治療を行うことで反対咬合の治療選択肢は増えますので出来ることなら早めの治療をお勧めしております。その時に癖の改善なども同時に行なうことで、将来の後戻りや不正咬合の悪化もある程度予防できるようになります。

この様に、反対咬合は見た目的にも機能的にも問題を引き起こす可能性がありますので何か気になることがある場合は早めに話だけでも聞きに来てもらえたらと思います。

2018.09.21

舌側矯正と発音

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、認知度も上がってきた舌側矯正(裏側矯正、リンガル)についてお話していきたいと思います。

改めて紹介するまでも無いかもしれませんが、矯正治療は大きく分けて歯の表側にブラケットを装着して行なうものと、裏側に装着して行なうものがあります。歯の裏側にブラケットを装着する治療を舌側矯正(裏側矯正、リンガル)といい、ブラケットが他人から見えない、見えにくいという利点があります。そのため、審美的にすごく意識の高い日本や韓国などで最近需要が高くなっています。

この舌側矯正に関して、よく発音の問題を質問されます。今回は舌側矯正で治療する場合に発音しづらくなるかという点に注目してみたいと思います。

表側矯正は歯の表にブラケットを装着するので、違和感はありますが発音に関する問題は舌側矯正ほど起こりにくくなっています。しかし舌側矯正では、歯の裏側にブラケットを装着するのでどうしても舌に当たってしまいます。そのため、少し発音がしにくいという難点はあります。

ただ、舌側治療を行っている患者さんに伺ってみると、最初は違和感が強くて話しにくかったけれど、しばらくするとブラケットがあることを忘れてしまう、あるいはすぐに慣れて発音も特に問題ないという意見が多いです。人によっては初めから特に問題ないという方もいらっしゃいます。

舌側矯正のブラケットは舌のことなどを考えて、表側のブラケットよりかなり薄く作られています。もちろん慣れるまでの時間には個人差がありますが、昔と違ってブラケットがかなり進化してきているというのは事実です。

矯正治療を行う理由の一つとして、発音を良くしたいということで来院される患者さんも少なくはありません。英語の発音などでは叢生(デコボコ、乱ぐい歯)や隙っ歯だと「th」などの音が上手く出せずに苦労することがあります。もちろん日本語でも息が抜けてしまうと発音しにくかったりしますので、そういった意識がある方は一度検査してみてはいかがでしょうか。

目立ちにくい装置もたくさん出ていますので、出来る限り患者さんの要望にはお応えして治療を行っていきたいと思います。

2018.09.04

親知らずの抜歯

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、親知らずの抜歯をどのように考えていくかということについてお話していきたいと思います。

親知らずとは、一番前の歯から数えて8番目の歯で、最後のほうに生えてくる歯です。近年では食事などで柔らかいものを食べる食文化に変わってきており、顎の成長が昔より進んでいない人が多くなっています。顎の成長が進まないということは、口腔内の歯が並ぶためのスペースが少なくなるということに繋がります。そうなると、親知らずがきちんと並ぶスペースが無くなってしまい、生えてこれなかったり、変なところに傾いて生えてきてしまうということが多くなります。

この様に、親知らずの生え方などはそれぞれ違いますので抜歯するかどうかは実際に検査と診断を行なわないとはっきりとしたことはお伝えできません。ではその診断のときに抜歯と非抜歯を検討する理由を少し紹介してみたいと思います。

■親知らずを抜歯する場合
1. スペースを確保しないといけないとき
叢生(デコボコ、乱ぐい歯)や捻転(歯のねじれ)といった不正咬合の主な原因となっているのが、全ての歯が並ぶだけのスペースが無いということです。スペースが足りないと、永久歯の中でも後から生えてくる歯がきちんと並ぶためのスペースが無いので、歯列からはみ出して生えてきたり、回転して生えてきたりします。矯正治療でこのスペースを確保する方法としては、IPR(歯の側面を少しずつ削る方法、ディスキング)や抜歯、奥に歯を移動させるといった方法があります。奥に歯を移動させるときに親知らずが邪魔になってしまう場合は抜歯をする必要があります。
2. 噛み合せに問題があるとき
親知らずが正常な位置に生えていない場合、きっちりと上下の歯が噛み合っていない事があります。そういった場合、顎の関節に負担が掛かって顎関節症の可能性が出てきてしまったり、隣の歯に余分な力が掛かって歯列が乱れてきてしまうこともあります。そのため、こういった場合にも抜歯を検討する必要があります。


■親知らずを抜歯しない場合
1. 大臼歯に問題があるとき
親知らずの前にある大臼歯に重度の虫歯などの問題がある場合は、その歯を抜歯して親知らずを残して治療することもあります。

2. 正常な位置に生えているとき
患者さんの要望や清掃性の観点から親知らずを抜歯することもありますが、正常な位置にしっかりと生えており、スペースなども問題無い場合は、無理に親知らずを抜歯する必要は無いと思います。

この様に親知らずの抜歯・非抜歯という問題一つを取り上げてみても、他との関連などしっかりと見ていかないと判断できないのが分かってもらえるのではないかと思います。もちろん患者さんの希望は優先して治療計画は立てていくようにしていますが、どうしても抜歯が必要になることもあるというのは念頭に置いてもらえたらと思います。

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