(C) 2020 M.O.C.
CLINIC
院長ブログ
2018.6.30
歯並びと遺伝の関係について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は最近の質問で多くあった内容として、歯並びと遺伝の関係についてお話していこうと思います。

最近では矯正治療が以前よりも浸透してきたこともあり、小児期のお子さんの治療相談に来られる親御さんも増えてきています。そういった親御さんなどからよく聞かれる質問として、歯並びは親から子に遺伝するのかどうかということです。ご自身の歯並びに自信がない方や、過去に矯正治療を経験された方が、自分の子供が遺伝で同じような歯並びになってしまうのではないかということを気にされるケースが多いようです。

こういった質問の回答としては、必ずしも遺伝でお子さんが親御さんと全く同じ歯並びになることは無いと伝えています。骨格や顎の骨などは遺伝によって親御さんと似てきますが、歯並び自体は遺伝するものではありません。ただ、骨格の遺伝によって、不正咬合が似てくることはあります。

また歯並びは、後天的な影響も大きく受けるため、必ずしも親御さんと同じ不正咬合になるとは限りません。大きくなっても指しゃぶりをしていたり座っているときによく頬杖をついている、舌が本来あるべきところに無いなどの癖の影響や虫歯などによる抜歯でも歯並びは変わってきます。また、食事の際にも柔らかいものばかりを食べていると顎の骨の成長を妨げることになり、歯が並ぶスペースが確保できないことから不正咬合になることもあります。

逆に、不正咬合の中でも下顎が大きく出ている骨格性の下顎前突(しゃくれ、受け口)に関しては、癖などの後天的要素よりも、遺伝的要素が強くでてくるケースがありますので、親御さんに不正咬合の状態が似る可能性は高くなります。また、顎の骨が代々細い家系の方で、お子さんも同じように顎が細く、全ての歯が並ぶだけのスペースを確保できないときもあります。そうなってくると、狭いスペースに無理やり歯が生えてこようとするため、ローテーション(捻転)という捻じれた位置に歯が生えてきたり、スペースの外に歯が押し出される叢生(乱ぐい歯、デコボコ、八重歯)といった状態になり、親御さんと似たような不正咬合になる可能性があります。

この様に書いてしまうと不安に思ってしまう人も出てきてしまうかもしれませんが、急いで対処する必要があることは少ないので、まずは口腔内の状況がいま現在どうなっているのか、そして今後どうなる可能性があるのかをしっかりと知るということが大切かと思います。

当院でも、検査の結果次第ではもう少し様子を見てから治療を検討した方が良いケ-スなどもよくあります。そういったことを知るだけでも心配事は一つ解消できると思いますので、気になることがあるようならまずは相談だけでも来ていただけたらその時に合ったアドバイスをさせていただきます。