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CLINIC
院長ブログ
2019.1.8
歯にかかる力をコントロールする

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

年末、年始にかけて、受験を控えたお子さんや親御さんから「受験前なのですが、矯正治療を始めても問題はないでしょうか」という質問を受ける機会が多くなってきます。ですので、今回はこのテーマに関することをお話していきたいと思います。

こういった質問をされる場合、一番心配されているのは治療の際の痛みについてではないかと思います。「痛みで勉強に集中できなくなったらどうしよう」という不安からこういった質問になるのかと思いますが、痛みという問題はかなり個人差があるため一概にお応えをすることは難しいです。同じ様な症状で同じ矯正装置を使ったとしても痛みの感じ方は千差万別で、ほとんど影響がない患者さんもいれば、矯正装置を装着したすぐは痛みを結構感じるという患者さんもいます。

こうした痛みに対応するために私たちが治療を決めた患者さんに出来ることと言えば、歯にかかる力を一時弱くするということです。通常は細いワイヤーから少しずつサイズを上げて(太く)いき、徐々に歯にかかる力を大きくしていきます。そのため、受験の少し前の日から一定期間だけワイヤーのサイズを細くすると、歯にかかる力が弱くなるので痛みは軽減されます。ただこの状態をずっと続けてしまうと、並びかけていた歯列がまた動き出してしまうこともあるため、応急処置だと考えていただければと思います。

私たちのところでもこういった説明を行った上で、治療を始めるかどうかを考えていただいています。すぐ始める方や受験が終わるまで待つという方も居られますし、相談に来たからすぐに始めないといけないということはないのでご安心ください。

ですが、症状によっては早く治療を開始することを勧めるときもあります。例えば、下顎前突(しゃくれ、反対咬合)などで、食べ物を噛むときに上顎の歯が下顎の歯を押し出すような動きをしている時は注意が必要です。そのまま放置してしまうと、より下顎が前に出てしまったりすることにもなりかねませんので、早めの治療をご提案することもあります。

いずれにしても、患者さんの症状を見てみないことには判断することは出来ません。検査・診断をした上で、不安なら受験が終わってから治療を開始する計画なども踏まえてご案内することも出来ます。

先程から受験に絞ってお話してきましたが、就職活動や結婚式などの人生のターニングポイントになる時は不安の気持ちも大きくなります。そういった不安な気持ちもしっかりと考慮して、患者さんにとってどうすることが一番喜んでもらえるのかを考えていけたらと思います。