(C) 2020 M.O.C.
CLINIC
院長ブログ
2018.2.28
矯正治療前の精密検査について

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

矯正治療には主に動的治療期間と保定装置期間があることはご存知かもしれません。動的治療期間は歯にブラケットを装着し、実際に歯を綺麗に並べていく期間です。保定装置期間は綺麗に並んだ歯列をもとに戻らないように固定し、長く綺麗な歯列を安定させるための期間です。


実はこの二つの期間の前に重要なステップがあります。

それは「相談」と「精密検査」です。

■相談
不正咬合が気になる患者さんが矯正医院に初めて行くと、まず「相談」というステップがあります。現状の不正咬合の状態を簡単に確認したり、費用や治療方法について気になることを矯正医に確認することが出来ます。最近は裏側矯正(リンガル、舌側矯正)やマウスピース矯正(インビザライン)などの見えない矯正治療を行う歯科医院も増えてきていますので、治療方法の選択が出来るのかを確認することもできます。
またこのステップでは、矯正医や衛生士などのスタッフとコミュニケーションが取りやすいかどうかという点も重要です。矯正治療はある程度の期間治療をすることになりますので、途中で生まれた疑問点や心配事などが出てきたときに、しっかりと相談してもらえるか、ということも重要になります。

■精密検査
次のステップに進むと精密検査があります。精密検査では、レントゲンなどを使い、外から見えない歯根の状態や歯列全体、顎の骨の状態なども含め、できる限り不正咬合の原因を明確にしていきます。また場合によって石膏模型を制作し、噛み合わせの確認をすることもあります。不正咬合の原因と噛み合わせを含めたトータルの状態を正確に判断することで、治療方法を検討していくことになります。
例えば前歯だけが軽い捻転(ねじれ)の患者さんがいたとします。前歯だけ簡単に真っ直ぐ治して終わりというイメージの患者さんも多いのですが、捻転の原因として歯が並ぶスペースがないということがほとんどです。叢生(凸凹、乱杭歯、八重歯)に関しても同じことが言えます。歯が並ぶスペースを確保する必要が出てくるため、奥歯を後方に移動する場合、歯列全体を広げる場合など、治療方法も変わってきます。

このように精密検査では顎、歯列全体、そして歯根などの中の方まで確認して診断し、治療方針を検討していくことが重要になるのです。

この検査と石膏模型製作は虫歯治療のように保険適応にならないため、費用がかかりますが、とても重要なステップとなり、この精密検査を行わないと治療期間、費用を正確にお伝えすることが出来ないことをご理解頂ければと思います。