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院長ブログ
2019.2.26
部分矯正とは

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、部分矯正についてお話していきたいと思います。 部分矯正はM.T.M.(Minor Tooth Movement)とも言いますが、歯列の中の一部分だけを矯正治療によって改善するという治療法です。治療期間が短く済んだり、費用が安く抑えられるなどの理由から行なわれる症例も増えていますが、メリットと同時にデメリットももちろんあります。そういった点を少し詳しくお伝えしていきます。

■メリット
・治療期間が短くて済む 一部分だけを動かして治療を行っていくということから、歯列全体を動かす通常の矯正治療よりは短い期間で装置を外すということが可能になります。
・費用が安く抑えられる 上の理由とも重なりますが、部分的に治療を行うため矯正装置の費用が安く抑えられます。また、治療期間自体も短くなるため、診療費を抑えられることが挙げられます。
・治療中の負担軽減 部分的に矯正装置を取り付けるため、通常の矯正治療より口腔内での違和感が少なく、ブラッシングの手間なども軽減されます。

■デメリット
・咬合改善が難しい 部分矯正は一部分、主に前歯周辺の治療のみを行うため、臼歯(奥歯)の咬み合わせを改善することが難しくなります。臼歯の咬み合わせが整っていないと、他の歯に影響を及ぼしてしまい、部分矯正で一時的に改善したとしても再度歯列が乱れてきてしまう可能性があります。 
・適応症例が限られる 部分矯正は軽度の叢生(凸凹、乱ぐい歯)などを改善することは可能ですが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、しゃくれ)などの重度の叢生(凸凹、乱ぐい歯)などの不正咬合症例では治療を行うことが難しくなります。



この様に、部分矯正にはメリットとデメリットが存在しています。結婚式や就職活動の前に印象を良くするために素早く治療をしたり、過去に矯正治療を行っていたが、少し後戻りしてきたので部分的に治療をするという患者さんはたくさんおられます。

ただデメリットの部分でも書きましたが、全ての患者さんで治療が行なえるわけではありません。不正咬合の状態によっては臼歯の咬合関係を改善しないと治療が出来なかったり、軽度の場合でも長い目で見て咬み合わせがしっかりしていないと再治療の可能性が高くなってしまいます。

とは言え、なかなかご自身で判断するのは難しいと思いますので、部分矯正での治療がご希望の場合は、その旨をご相談いただけたらと思います。治療が可能かどうかの検査と診断を行い、ご案内させていただきますので、そこから改めて治療の方法を選択していって貰えたらと思います。