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CLINIC
院長ブログ
2020.5.1
自宅での矯正治療について

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、外出自粛が求められている中での矯正治療についてのお話をしていきたいと思います。

最近ではマウスピース型矯正治療が少しずつ普及してきており、患者さんの認知度も上がってきているように感じます。従来の矯正装置(ブラケット、ワイヤーなど)を使用するより目立ちにくいという利点はありますが、欧米と比較してアジア人は叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(しゃくれ、受け口)などの不正咬合が強い傾向があるために、マウスピース型矯正では治療が難しいことが多いです。

その様な中、通院せずにマウスピース型矯正治療が出来るという広告を目にしました。セミナーに参加し、口腔内スキャナーでスキャンすると後日、自宅にマウスピースが到着するというものです。上にも書きましたが、欧米人は不正咬合があまり無いケースが多いため、この様なものも出回っているらしいですが、アジア人ではご自身では自覚がない不正咬合が潜んでいる可能性が高いです。矯正治療は医療行為であるため、免許を持った歯科医師がしっかりと検査・診断を行った上で治療を行うことが大切です。新しい技術が出てくることを否定するつもりはありませんが、有用なものをしっかりと見極めていく必要があるのだなと再確認させられたような気がします。

話は戻りますが、外出自粛中のため既に矯正治療を開始されている方も普段よりしっかりと意識していただきたいことがあります。

1、歯磨きをいつも以上に徹底すること
緊急事態宣言が発令されて以降、世間的に休業する傾向が強くなってきました。歯科医院でも例外ではなく、ご自身やスタッフの方の安全を考慮して長期休業を行うところが見受けられます。その様な時に、虫歯などのトラブルが発生してしまうといつも以上に治療が困難になります。矯正装置の装着中は、磨き残しなどが増える可能性がありますので、いつも以上に時間を掛けて歯磨きを行うように意識してみてください。

2、緊急時の対応方法
先程も書きましたが、矯正治療は医療行為になります。何かトラブルがあったときにご自身で対応することは難しく、変な対応をしてしまうと治療期間が延びたりしてしまう可能性もあります。緊急時の連絡先なども含めてしっかりと確認するようにしてください。

3、健康管理
矯正治療を開始した直後や、ワイヤーを交換したすぐなどは違和感などから柔らかいものやあまり咬まなくていいものを食べようとする傾向があります。個人差はありますが、違和感は長く続くものでもないので、しっかりと栄養バランスのとれた食事を摂るようにして、ご自身の健康管理に注意してください。

この様に、矯正治療では治療で来院しているとき以外にも自宅で注意していただきたい点があります。普段忙しくて疎かにしがちなこともあるかもしれませんので、こういった自宅で過ごす時間が長くなっている時に見直してみるのもいいのではないでしょうか。