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CLINIC
院長ブログ
2020.7.30
歯の形態異常

今回は、歯の形態異常というものについてお話していきたいと思います。

歯の形態異常とは、読んだ時のままですが、歯の形態が通常と少し異なっているケース(異常)を指しています。頻繁にみられるものではありませんが、大人でも子供でも見受けられるものですので、知っておいていただけたらと思います。

■癒合歯・癒着歯(ゆごうし・ゆちゃくし)
癒合歯とは、本来1本ずつ別々に生えている歯が2本くっついて生えてくることを指しています。単純に見た目がくっついているだけではなく、歯の神経まで繋がっていることが特徴で、お子さんの乳歯期の下顎前歯部などで見受けられることがあります。2本繋がっているため、歯根がかなりしっかりしており、生え変わりの時期になかなか抜けないという事が起こりやすくなります。そうなると後から生えてくる永久歯のスペースが確保出来ずに叢生(デコボコ、乱ぐい歯)などの不正咬合が出やすくなります。また、生え変わる前にも、繋がった歯の隙間に歯垢(プラーク)が溜まりやすく、虫歯のリスクが高まります。
癒着歯とは、癒合歯とは異なり、歯のセメント質のみくっついている状態のことを指しています。こちらも同様に、虫歯などのリスクは高くなるため、注意が必要です。

■巨大歯
これは上に書いた癒合歯や癒着歯の様に、くっついて大きくなっているのではなく、単純に1本の歯の形態が大きいものを指しています。1本だけ大きい歯が生えていたりすると、歯列の上下左右のバランスが崩れてしまうため、咬み合わせに影響が出ることもあります。

■矮小歯(わいしょうし)
こちらは巨大歯と反対で、1本の歯がとても小さいものを指しています。円錐歯や栓状歯と言われることもあります。矮小歯があると、歯の間にスペースが出来やすくなり、歯垢が溜まることによって虫歯のリスクが高くなる傾向にあります。

この様に、歯の形態異常と言っても様々なものがあり、その程度も患者さんによって様々です。歯の形態異常があるから全て治療しないといけないというわけではなく、咬み合わせや歯列のバランスが整っているのかなど総合的に判断して、治療をするのかどうかを提案しています。ですので、もしご自身やお子さんの歯の形態異常でお悩みの方や疑問がある方は、まず検査からしっかり行いますので、いつでもご相談ください。