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院長ブログ

こんにちは。メープル矯正歯科の山口です。

今回は、上下の歯の嚙み合わせと医療費の関係性についてお話していきたいと思います。

少し細かいデータになりますが、歯磨き粉などでもよく知られているSUNSTARから、以前嚙み合わせと医療費についての論文が出ていたので、今回はそれを中心に考えてみましょう。

(参照:https://www.sunstar.com/jp/newsroom/news/20210708/

論文の内容として、以下が中心となっております。
① 歯の本数と医療費の関係
② 歯の咬合と医療費の関係
③ 歯の本数・咬合と医療費の関係

上記のテーマで20歳から74歳までの25万人の定期健康診断と医療機関の診療情報をまとめた結果となっており、調査人数がとても多いので誤差や偏りが少ない非常に信用できる調査ではないかと思います。

<① 歯の本数と医療費の関係>
調査を行った年齢区分を20~39歳、40代、50代、60歳以上の4グループに分けて、歯の残っている本数が28本(親知らずを除いた永久歯すべての本数)、27~24本、23本~20本、19本以下の人でそれぞれ医療費がいくら掛かっているのかを比較。
結果として、20~39歳のグループは掛かっている医療費に関する有意な差は無く、それ以外の年齢区分では28本全ての歯が揃っている人と比較して、1本以上歯が抜けている人は医療費が高くなっているという結果になっていました。

<② 歯の咬合と医療費の関係>
年齢区分は①と同じで、噛み合わせの状態に合わせた分類(アイヒナー分類 A分類:左・右の小臼歯部と大臼歯部の4領域全てで上下の歯がかみ合う良好な状態、A1:欠損歯なし、A2:上の歯か下の歯のどちらかで欠損歯あり、A3:上下とも欠損歯あり、B分類:上下の歯でかみ合う領域が3領域以下、C分類:上下の歯でかみ合う領域がない)でそれぞれに掛かる医療費を比較。
こちらも結果として、20~39歳では有意な差はありませんでしたが、それ以外の年齢区分では歯の咬合状態が悪くなるほど医療費が高くなるという結果です。

<③ 歯の本数・咬合と医療費の関係>
歯の本数が28本~24本、23本~20本、19本以下の3グループに分けて、同じグループ内で②の咬合状態毎に掛かる医療費を比較。
結果として、歯の本数が19本以下の女性では有意な差がありませんでしたが、それ以外のグループでは咬合状態が悪いほど医療費が高くなるという結果になっています。

皆さんもおそらく歯の本数が少ない・噛み合わせが悪い状態では医療費が高くなるというのは何となく想像できたのではないかと思います。

今回の研究結果を見ていると、歯を残すことと同様に、歯の噛み合わせもしっかりと維持することが健康に大きな影響を及ぼすということが再認識できました。お口の健康状態がざまざまな病気に密接に関係しているというこれまでの報告があるのも頷けます。

今回は少し難しいデータをもとにご紹介しましたが、歯を残すこと、噛み合わせを大切にすることの大切さが少しでも伝わればよいなと思います。

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