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CLINIC
院長ブログ
2012.8.24
プラーク(歯垢)と歯石と歯周病について

メープル矯正歯科院長の山口です。

以前、矯正治療の無料相談にいらっしゃった方です。
下あご前歯のガタガタが気になるとのことでした。
口の中を見せてもらったところ、僕自身、冷や汗が・・・・(・_・;)
おおおおおおおお!!!!
患者さん自身、歯医者には行った記憶がないそうです。
遥か昔に行った記憶しかないそうです(*_*;


気付きましたか??何か分かりますか???
歯と歯茎の境目が不明瞭ですよね??

実は、これは大量の歯石なんです(-_-;)
僕自身、十数年矯正の臨床をしていてこんな歯石と出会うのは初めてでした。
教科書の症例などで見たことありましたが・・・。

このような歯石はいきなりできることものではありません。
ある意味、長年かけてできる鍾乳洞の中の鍾乳石ようなものです。

では、歯石がどのようにできるか?これについて説明しましょう。

歯磨きをさぼってしまうと、歯の表面がツルツルではなく、ざらざらしてますよね??
白いネバネバの塊が取れますよね??
あれはプラーク(歯垢(しこう))と呼ばれるものです。
あー、食べかすのことね!!違うんです!!(;O;)
あれは、実は・・・・・・・・・・・・・・・・・・細菌の固まりなんです!!
顕微鏡で拡大するとこんな感じです。


写真では分かりづらいですが、うねうね動いてます。動画はとてもグロテスクです(-_-;)

これらの細菌が歯や歯を支えている歯周組織にダメージを与えます。つまり虫歯や歯肉炎(歯茎が腫れる)、歯周病(歯を支えている周りの組織が壊れる病気)の原因になるわけです。

では、今回のテーマの歯石とは何か??
唾液が大きく関与しています。唾液中のカルシウムなどの成分が沈着して、プラークがいわゆる石に変化したものが歯石です。

歯石自身は直接悪さはしません。では、何が問題なんでしょうか??なぜ除去する必要があるのか??
鍾乳石を思い出してもらいたいのですが、鍾乳石の表面ってツルツルしているのではなく、凸凹していたり、細かい穴が開いていたりしています。
ここの穴に新たなプラークが沈着し、周りの組織に悪さをし、また歯石になり、プラークが沈着し、どんどん大きい歯石になっていき・・・・の悪循環なんです!!
歯石を拡大するとこんな感じです。


歯石は自分では取ることはできません。専用の機器が必要なんです。超音波が出る装置で歯石を歯から弾き飛ばす機械です。


歯石を除去した直後の写真です。おお!本来の歯が見えてきましたね!!
でも歯茎は赤く腫れています。
これを見たとたん、とてもじゃないけど、矯正相談を続けていくわけにいかず、急遽中止し、知り合いの歯医者を紹介して、徹底的に治療をしてもらいました。歯茎の状態が良くなってから、再相談しましょうという話になりました。


歯石の好発部位の一つが、下あごの前歯の裏側です。これも唾液と大きく関係しています。
ご自身で舌を上に持ち上げてみると。舌の裏側の真ん中にひだが見えると思います。これは舌小帯とよばれるものです。舌小帯を下の口の底までたどっていくと 左右に大きな膨らみが見えると思います。この膨らみが舌下小丘で、ここから唾液が出てきます。お分かりですよね?唾液が出る場所が下あご前歯のすぐ裏にな るので、歯石になりやすいんです。しかも歯の凸凹があるとなおさら条件が悪く、歯石が付きやすくなるのです。


歯周病、歯肉炎、初期虫歯などは自覚症状はありません。早期発見するためにも、年1、2回かかりつけの歯医者で定期健診することをおすすめします。

プラークコントロールという言葉。すべての始まりはプラークなんです。このプラークを歯ブラシにて除去するのがプラークコントロールです。自己流はダメです。しっかり歯科医院へ行き、磨き方の指導を受けることが大事です!!

口の中が健康であれば毎日おいしいものがおいしく自分の歯で食べられる!!これが一生続けば、こんな幸せなことはないんじゃないでしょうか(*^_^*)