メープル矯正歯科院長の山口です。
前回のお話の続きです。
歯(乳歯と永久歯)、乳歯列のとき凸凹だった症例についてお話します。
乳歯は上下合わせて全部で20本あります。
通常真ん中の前歯を「A」と呼びます。順番に奥まで数えていき、最後は「E」となります。
歯は形に応じて、呼び名があります。
一般的にいわゆる前歯はシャベルのような形をしていて、専門用語で「切歯」と言います。
Aは、真ん中にある乳歯の切歯なので、「乳中切歯」
Bは、Aの隣りにある乳歯の切歯なので、「乳側切歯」
一般的にいわゆる糸きり歯は先端が尖っている形をしていて、専門用語で「犬歯」と言います。
なので、Cは「乳犬歯」
一般的にいわゆる奥歯は臼(うす)のような形をしていて、専門用語で「臼歯」と言います。
Dは、真ん中から数えて最初の乳歯の臼歯なので、「第一乳臼歯」
Eは、Dの隣りにある乳歯の臼歯なので、「第二乳臼歯」
次に乳歯のことを踏まえて、永久歯について見ていきましょう
永久歯は親知らずを除くと28本あります。
通常真ん中の前歯を「1番」と呼びます。順番に奥まで数えていき、最後は「7番」となります。
乳歯同様に、歯は形に応じて、呼び名があります。
1は、真ん中にある切歯なので、「中切歯」
2は、1の隣りにある切歯なので、「側切歯」
3は先端が尖っている糸きり歯なので「犬歯」
4と5は、臼歯なのですが、小さい臼歯なので、専門用語で「小臼歯」と言われます。
4は、真ん中から数えて最初の小臼歯なので、「第一小臼歯」
5は、4の隣りにある乳歯の臼歯なので、「第二小臼歯」
6と7は、臼歯なのですが、大きい臼歯なので、専門用語で「大臼歯」と言われます。
6は、真ん中から数えて最初の大臼歯なので、「第一大臼歯」
7は、6の隣りにある大臼歯なので、「第二大臼歯」
6歳の女の子です。
右下前歯以外はまだ乳歯です。
上下の歯を見ると、乳歯の段階ですでに凸凹が認められます。
この子のレントゲンを見ると、まだ生えていない永久歯の状態も分かります。
乳歯をA~Eで表示してみました。
永久歯を1~7で表示してみました。
レントゲンから分かることとして、上下左右の1~5までの永久歯が⇔の間にうまく収まってくれるかどうかということです。
この子の場合明らかにこのままではすべての永久歯が並ぶための隙間が足りないことが分かります。
おもしろいことに上あごの3番の犬歯は一番最後に生えるということです。最後に生えてくる犬歯の隙間が足りないと、はみ出して生えていわゆる八重歯になるというわけです。
この子も矯正治療をしていなければ、間違いなく八重歯になることでしょう。仮に大人になってから矯正を始めると、抜歯する治療になってしまいます。成長期 の顎の柔らかい時期から始める小児矯正により、装置で顎を広げ、永久歯の隙間を確保することにより将来、抜歯を回避することが可能となります。
小児矯正を始める時期としては、永久歯の前歯が生えはじめる6歳頃に開始するのがベストと考えています。
基本的に乳歯だけの頃は何もせず、経過観察になることあります。
しかしながら乳歯列のときでも、場合によって早期に開始した方がいい場合もあります。
例えば、まだ乳歯列なのに思いっきり乳歯の前歯が反対に咬んでいるときなどです。
矯正の開始時期に関してやほかに心配なことがあれば、お近くの矯正専門医に相談することをおすすめいたします。