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院長ブログ
2016.6.1
成人の矯正治療が増えてきている

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は矯正治療を受ける人で成人の方の割合が上がってきているというお話です。日本橋エリアのメープル矯正歯科では、立地的にももちろんですが、見えない裏側矯正(舌側矯正、リンガル)での矯正治療も行えることから、成人の患者さんはもともと多い方だと思います。街に出てみても最近は大人の方がブラケット(矯正装置)を付けているのをよく目にします。

少し前のデータになりますが、日本臨床矯正歯科医会が行った調査を見てみると実際の割合の変化がわかってきます。

・18歳以下:75%(1998年)⇒68%(2003年)

・18歳以上:25%(1998年)⇒32%(2003年)

10年以上前のデータなので、今とは差が出てきているのは間違いないと思いますが、ここ10年で矯正装置と矯正専門医の技術革新(見えない裏側矯正や、インビザラインの様なマウスピース矯正)があるので、更に成人の割合は増えてきているのは間違いないと思います。矯正治療中の見た目がこれまで大きなハードルの一つでしたが、これにより今は全く問題にならなくなったため、成人の方にとっても歯列矯正はどんどん身近になってきています。

 

次に男女比に関して見てみます。

・女性:80%(1998年)⇒74%(2003年)

・男性:20%(1998年)⇒26%(2003年)

微増ではありますが、男性の患者さんが少しずつ増えてきているのがわかります。この要因として考えられるのが、発音の問題と第一印象の問題ではないでしょうか。海外とのお仕事をされている方が英語の発音を改善するためにメープル矯正歯科にも来られます。また営業などの第一印象の影響を考えて歯並びを改善したいという方も多くなってきています。

成人女性は美に対する意識が強いため、矯正治療する人は多いのですが、でも実際は成人男性こそ矯正治療が必要です。ただ成人男性は、矯正治療を勧めてみても、矯正治療なんていまさら・・・と思い込んでいる人が多く、矯正治療を希望しない人がまだまだ多いのが現状です。虫歯や歯周病の治療等で歯医者に対してネガティブなイメージも持っているのかなとも感じます。

補綴物(かぶせもの、さし歯等)が多い方に対しては、矯正治療と組み合わせた一般歯科治療ができれば、総合的により質の高い治療ができ、咬み合わせも良くなり、その後の歯の予後も良くなると思います。矯正治療を抜きに一般の歯科治療だけでは
、症状だけを緩和する苦し紛れの処置でしかありません。なぜ矯正治療が必要であるかということについてですが、単に歯が痛いからそこだけを治すことではないからです。痛みの原因に関しては、口の中全体の噛み合わせに原因があることもあります。

矯正はただ単に歯並びがよくなって、見た目が良くなるだけではないんです。歯磨きしやすい環境になり、歯だけでなく、周りの組織も健康になります。その他にも噛み合わせのバランス、発音の改善などもあります。矯正治療とは、歯の健康を取り戻し、結果として歯の寿命を延ばす治療です。

最後に成人の場合の年齢別内訳を見てみます。

・18~39歳:90%(女性73%、男性27%)

・40~59歳:9%(女性87%、男性13%)

・60歳以上:1%(女性72%、男性28%)

比較的若い成人の方が矯正治療を受ける割合が高いことは予測がつきましたが、10人に1人の割合で40歳以上の方というのには驚きました。 

矯正治療を受けられる方の主訴は色々ですが、一昔前と比べて矯正治療が成人の方にとってもより身近になってきているということは間違いなさそうです。上に書きましたが、裏側矯正など治療期間中の心配ごとも解決されてきています。またお仕事によって治療中に全く見えないことを優先したいのか、あるいは少し見えてもトータルの治療期間を短くしていきたいのか、など様々な要望があります。メープル矯正歯科ではそういった生活サイクルもしっかりと相談に乗ったうえで最良の矯正治療の計画を立てていきたいと思っています。