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院長ブログ
2019.4.26
交叉咬合は早めに検査を

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、交叉咬合(クロスバイト、反対に咬んでいる)というテーマでお話していきたいと思います。

交叉咬合とは、上下の歯列が正常な位置から横方向(頬の方向)にずれてしまっていることを指しています。わかりやすい目安としては、上下の正中(前歯と前歯の間)がずれてしまっていると交叉咬合になっている可能性があります。これは、本来なら上顎の歯が下顎の歯に被さって、左右対称になるはずのものが横にずれてしまっていることから起こります。そのため、程度によっては上顎の歯が下顎の内側に完全に入っていることもあります。

この交叉咬合では何が問題なのかというと、臼歯部がうまく噛み合わない事による咀嚼の弊害が起こることです。そうなってしまうと、噛みやすいところでのみ繰り返し咀嚼をするという癖がつきやすく、場合によっては交叉咬合がより悪化してしまうという可能性もあるため注意が必要です。

■交叉咬合になってしまう原因
この交叉咬合がなぜ起こってしまうのかという原因は様々ありますが、大きく分けて遺伝による問題と外的な要因によるものに分けられます。

遺伝による原因としては、歯の本数や大きさによる歯列の非対称性、顎の骨の成長具合などが考えられ、比較的小さいお子さんから見受けられることがあります。

外的要因による原因としては、頬杖や舌癖などによる同じ方向に継続的に力を掛け続けることによって、歯列がゆがんでしまうということが考えられます。また、食事で柔らかいものばかり食べていると顎の骨の成長バランスが崩れて、歯列がずれてしまうということも起こり得ます。

この様に、交叉咬合は様々な弊害をもたらす可能性があるため、お子さんの小さい時からのチェックを心掛けていただくことが有効だと思います。上下の歯の正中がずれていないか、もしずれている時は左右の臼歯で下顎が外側に出ていないかを確認してみてください。また、前歯部などで反対になってきているケースは骨の成長をコントロールする必要も考えられるため、早めの受診をお勧めいたします。その他にも、頬杖などの癖がある時は本人では気が付きにくいため、注意してあげてください。

この様に、放置すると悪化してしまう危険がある交叉咬合ですが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ、反対咬合)などといった他の不正咬合と併発している時もあります。

ご自身で判断がつきにくいときなどは、将来のことも見据えて一度検査を受けてみることをお勧めいたします。その時に考えられる要因や改善方法などもしっかりとお伝えしていきたいと思います。