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CLINIC
院長ブログ
2021.1.9
上顎前突(出っ歯)の治療時期

こんにちは。メープル矯正歯科の山口穣治です。

今回は、上顎前突(出っ歯)をいつ治療するのがいいのかということについてお話していきたいと思います。

1. 上顎の前歯が前に出ている症例
上顎の歯が前に出ている、前に倒れているというパターンの上顎前突に関してですが、一般的には出っ歯というと理解していただきやすいかと思います。これは、子供のころの指しゃぶりや舌癖などが原因で起こりやすくなっています。つまり、その原因を放置してしまうと症状が悪化してしまうことが考えられるため、矯正治療の開始と同時に癖を改善するトレーニングが必要となります。症状が軽いうちから早めに改善していくことをお勧めしています。

2. 下顎が後ろに引っ込んでいる症例
後ろに引っ込んでいるというと語弊があるかもしれませんが、これは下顎の骨が上顎に対して劣成長となり、上下を見比べると下顎が後ろにある状態のことを指しています。原因としては遺伝によるものや、頬杖などの癖によるものが考えられます。
このケースで問題となるのは、歯並びというよりはむしろ骨の成長具合にあると思います。大人になってから劣成長の骨を成長させ、通常の噛み合わせに持っていくということはまず不可能なため、抜歯や顎の骨を切るといった治療が検討されます。そのため、成長過程にある子供の時にしっかりと骨の成長を促す治療が大切になってきます。
具体的な治療法として、ヘッドギアやマウスピースなどを用いて、顎の成長を促すというものがあります。ご自身で着脱が可能なため、学校などでは使用していただかなくても大丈夫ですし、場合によっては必ずしもブラケットとワイヤーを装着する必要もありません。そうして骨の成長を促すことによって歯が並ぶスペースが出来、自然と歯並びが良くなるという可能性がありますし、もし少し叢生などが残った場合でも比較的簡単な治療で歯並びを整えることが可能となります。

大まかに2種類に分けて上顎前突のお話をしてきましたが、患者さんによってはこれ以外の要因が複雑に絡み合っているケースも考えられます。そのため、一概にいつから始めるのが正解という判断は難しいのですが、治療時期が早くて難しくなることは無いため、治療の選択肢が多い時期に一度相談に行ってみるということをお勧めしたいと思います。メープル矯正歯科では、しっかりとした診断の上で治療の開始時期などアドバイスするようにしていますので、お気軽にお尋ねください。