こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。
今回は、顎偏位(がくへんい)という症状についてお話していきたいと思います。
顎偏位とは、名前の通りですが「顎が偏った位置にあること」を指しています。正常咬合では前歯と前歯の間(正中)が上下で揃っている状態なのですが、顎が左右どちらかに偏った状態だとこの上下の前歯の間がズレていることが多いです。ただズレているから全て顎偏位とも言えませんし、反対に揃っているから顎偏位ではないとも言えないためなかなか患者さん自身で判断するのは難しくなっています。
ではなぜ顎偏位になってしまうのでしょうか?
様々な原因があるため一概にこれと断定することはできませんが、遺伝による先天的要因と、癖による後天的要因に大きく分類できます。ただ多くの患者さんは後天的要因の影響が全くないとは言い切れないのではないかと思います。ふとした時に頬杖をついていたり、机に突っ伏した状態で居眠りをしていたりすると、どちらかの顎に力が掛かり続けてしまうことになります。1回の時間は大したことなくても、癖のように毎日繰り返してしまうと顎偏位の要因となってしまいます。
次に顎偏位になると何が問題なのかについてもお伝えしていきます。
まずパッと思いつく問題としては、顎が片方にズレているという事は顔貌や側貌が歪んでしまうことが考えられます。笑顔の時に左右の口唇のどちらかが偏って上がっているという事も考えられます。
機能的な問題としては、咀嚼の際に片側の噛みやすい方ばかりで食べ物を噛んでいることが多いので、しっかりと嚙み砕くことが出来ずに消化吸収に悪影響が出ることがあります。また、片方の筋肉ばかりを使うことになるため、肩こりや片頭痛などの身体的な不調をきたしてしまう可能性もあります。
最後に顎偏位の治療方法について説明していきます。
顎偏位は軽度の症状であれば矯正治療で改善することができますし、重度であれば抜歯や手術を伴う治療が必要になることがあります。また、年齢などによっても治療基準が異なりますので、診断の結果で治療内容は検討しています。
顎偏位と一括りで言っても、上で書いたように重症度によって見た目で判断できる場合と出来ない場合があります。頬杖などの癖があったり、ちょっとでも気になることがあるなら早いうちに癖の改善も含めて一度相談に来ていただけたらと思います。早期改善が良い結果をもたらす場合も多いので、頭の片隅にでも覚えておいてください。