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院長ブログ
2022.11.5
歯科医師が携わらない矯正治療とは?

こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療を行うにあたって、歯科医師が治療に携わらない治療というものについて少しお話してみたいと思います。

先日、日本矯正歯科学会が開催され、毎年新しい技術や材料が開発・発表され、日々矯正治療も進歩してきています。そんな中で最近、いい意味でも悪い意味でも話題になっている治療法があります。このコラムを読んでいただいている方の中でも聞いたことがあるという人も多いかもしれませんが、マウスピース型矯正装置がそれにあたります。

そもそもマウスピース型矯正装置とは、少しずつ形を変えてあるマウスピースを大量に作成し、それを患者さんが一定期間毎に交換しながら装着していただくというものです。世界中の患者さんデータを集積したコンピューターによって、おおよその治療プランを作成し、そのプランが適正であるかどうかを歯科医師が判断して治療を開始するというのが概要となります。患者さん自身で着脱が出来たり、透明なので目立ちにくいということも、お問い合わせをいただく大きな要因となっています。

このマウスピース型矯正装置は、ブラケットとワイヤーを使用する矯正装置と大きく異なっている点があります。それは、医療器具として厚生労働省の認可を受けているかどうかというところです。医療器具として認められるためには、安全性などの様々なデータを提出し、その器具が適正に使用されれば安全であると認められた時に初めて認可が下りるのですが、マウスピース型矯正装置は患者さん毎にマウスピースを作成するという特性からその認可を受けることが出来ていません。そのため、万が一副作用等の症状が出た場合にも、国からの救済などは受けられないため、歯科医師及び患者さんの自己責任のもとで使用するという同意のもとで初めて治療を開始できるのです。

しかし、このマウスピース型矯正装置の中でも、ドクターのいない検査センターで口腔内をスキャンしたらマウスピースが届き、それを使用して矯正治療を行うというものが出てきています。コンピューターによるデータの蓄積から過去の類似した症例などを参考に、平均的な治療の計画を作成することは可能だと思いますが、それが患者さんにきっちり当てはまるかといわれるとかなり難しいのではないかと思います。同じ歯並び、歯槽骨、顎関節を持っている人は世界中を探してもいませんし、その人の状況に合わせて臨機応変に対処していく必要があるのが矯正治療です。

この様に書いてしまうと、マウスピース型矯正装置が全面的に悪いと思われてしまうかもしれませんが、しっかりと歯科医師によって治療計画を作成し、適応可能な症例かどうかを判断して使用する分には問題があるものではありません。しっかりと検査、診断し、治療経過を確認できる環境で、安心して治療を受けて頂ければと思います。