こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。
今回は、小児期のお子さんの受け口(下顎前突、しゃくれ)のについてお話していきたいと思います。
ご存知の通り小児期のお子さんは特に成長がとても早く、身体的にも精神的にも変化がとても大きい時期です。矯正に関しても同様に、歯の生え替わりや顎の骨の成長など少し見ない間にすごく変化していることもあります。
小児期の受け口の治療に関しては成長がある程度予測できるまで待ったほうがいいという意見と、早期の治療で矯正治療の可能性(非抜歯や再治療防止の可能性)を広げたほうがいいという意見に大きく分かれます。
これはどちらの意見の言い分も一理あり、未来がわかる人でないと絶対的な正解はわからないところが非常に難しいところです。そのため、お子さん一人一人の不正咬合の状態や原因、そして日々の生活習慣を確認したうえでの判断となります。
ではここから受け口を大きく二つの種類に分けてみてみましょう。
■習慣的要因に起因する受け口
患者さんそれぞれ、自分でも把握していないような細かな癖や習慣があります。舌が下顎の歯を前方に押してしまっていたり、食事の際の噛み癖など様々な要因で歯並びは変化しています。こういった癖や習慣は自分では気付きにくいため、しっかりと観察しながら取り除いていく必要があります。歯並びの改善とともに癖のチェックも行っていますので、少しずつ改善できるよう意識付けをしていきます。
生活習慣の改善をもとに治療をしないと、受け口の状態が悪化するリスクがあるので、比較的早めに治療開始した方が良いケースが多くなります。
■遺伝的要因に起因する受け口
遺伝的に上顎よりも下顎が発達して受け口になるケースや、下顎の成長は一般的でも上顎の成長が著しく遅いケースなどで受け口になることがあります。これは軽度であれば歯並びの治療で済みますが、重度になってくると骨格から大幅に改善していく必要があるため外科手術なども併せて検討していく必要が出てきます。
ただ、遺伝的な要素は目に見えにくいことでもある為、成長過程をしっかりと確認することが大切になります。
いずれにしてもしっかりと検査して判断してみないとわからないことですし、お子さんの成長の度合いによっても判断基準が変わってきたりします。見た目が同じような歯並びのお子さんでも、この子は治療を勧めて、この子は様子を見るという判断をすることもあります。しっかりとその判断に至った理由は説明していきますので、わからないことや納得できないことなどあればいつでも仰ってください。