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CLINIC
院長ブログ
2023.3.7
矯正治療とホワイトニングについて

こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療とホワイトニングというテーマについてお話していきたいと思います。

近年のマスク装着の流れから、矯正治療を検討しているという相談に来られる方が増えています。その様な方から、たまにホワイトニングも「並行して」進めたいのですがという希望を受けることがあります。ただ、矯正治療とホワイトニングを「並行して」行うことはあまりお勧めしていません。歯並びの改善を行った後にホワイトニングをするのは自信をもった笑顔のためにお勧めですので、その点に関して今回は書いてみようと思います。

・歯の見え方の問題
学生の時に、光の三原色などを授業で受けた覚えがある方も多いのではないかと思います。そもそも色とは、当たった場所から反射してくる光の色調を受け取って何色かということを判別しています。つまり、光の当たり方によって見える色合いは変わってくるため、叢生(凸凹、乱ぐい歯)などで少しくすんで見えていたところが、治療後に前より明るく見えるということもあります。そのため、今を基準にホワイトニングをしてしまうと思っていたのと違う仕上がりになることもあります。

・矯正装置の問題
矯正治療を行うとき、歯には矯正装置が装着されています。つまり、ホワイトニングの薬液を歯の表面に塗ったとしても、当然矯正装置のある場所には薬液が届かず、同じ歯の中でもホワイトニングができている部位とそうでない部位が斑になってしまう可能性があります。

これは実はマウスピース型矯正装置にも言えることです。あまり知られていないかもしれませんが、よほど軽度な治療でない限り、マウスピースが歯に力を加えるためのサポートとして、歯面にレジンセメントの引っ掛かりを付ける必要があります。このレジンセメントも同様に、ホワイトニングの薬液が届かない部位を作ってしまうことになるので、注意が必要です。

この様に、矯正治療とホワイトニングを同時に進めるということは難しくなっています。どうせなら時短で一緒にやりたいという気持ちはわかりますが、しっかりと矯正治療で綺麗な歯並びを手に入れてから、ホワイトニングの検討をしていただけたらと思います。しっかりと歯面が見えている方が薬液も均一に届きやすくなるので、そういったメリットもあるのではないかと思います。また、はじめは考えていなかったけど、治療後にホワイトニングまでやってみようかなという気持ちになった方も、いつでもお気軽に相談していただけたらと思います。