こんにちは。メープル矯正歯科の山口です。
今回は、慢性鼻炎と歯並びの関係についてお話していきたいと思います。
ようやく夏の暑さも落ち着いてきて、秋の気配が近づいてきました。このシーズンになると花粉が気になる人も出てきているのではないでしょうか。
春と秋によく聞く花粉症も今回のテーマである鼻炎の1種ですが、これからもっと寒くなってくると寒暖差による鼻炎や換気不足によるハウスダストなどもよく耳にする鼻炎の原因です。
一見関係なさそうなこの鼻炎と歯並びの関係ですが、実は大きくかかわってきている部分があります。
歯並びは、頬や唇が外側から内側に歯を抑え込もうとする力と、舌によって内側から外側に歯を押し出す力が均等になることによってその位置に維持されるようになっています(ニュートラルゾーンと呼ばれます)。しかし、鼻炎などによって鼻が詰まってしまうと鼻呼吸が上手くできず、口呼吸を繰り返すようになってしまいます。そうなると口がぽかんと開いた状態になり、本来口を閉じている時に掛かる唇の力が弱くなってしまいます。
つまり舌が歯を押し出す力の方が強くなってしまうので歯が外側に移動してしまうという所謂上顎前突(出っ歯)の状態になる可能性があります。この様なメカニズムで、鼻炎の期間が長く続いてしまうと実は歯並びも悪くなってしまう可能性があるのです。
また、鼻炎による口呼吸は歯並びだけではなく他にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
■虫歯のリスク
唾液には口腔内の汚れや菌を取り除く、自浄作用という役割がります。しかし、口呼吸をしていると口腔内が乾燥してしまい、唾液の自浄作用が上手く働かなくなってしまいます。そうすると、汚れが取り除かれなくなったり、菌が繁殖してしまい、虫歯になってしまうリスクが高くなります。
■感染症のリスク
鼻の粘膜には菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐという役割があります。しかし、鼻炎などで鼻が詰まってしまい、口呼吸をしているとその侵入を防ぐ機能が上手く働かず、口から菌やウイルスが直接侵入してしまうことになります。これからの時期は特に風邪やインフルエンザなどの感染症に掛かってしまうリスクが高くなってしまいます。
この様に、口呼吸を繰り返すことで様々なデメリットがあるということはご理解いただけたのではないでしょうか。鼻炎が続いているとご本人もつらい状態が続いてしまうと思いますので、服薬など早めの準備・対処を行うことが大切かと思います。
また、鼻炎以外でも癖でぽかんと口が開いてしまう人や口呼吸をしてしまうという人、歯並びで口が閉じにくくなっている人も居ますので、そういった方は口を閉じるということを意識的に行うようにしてみてください。私たちも治療において癖など極力無くすような指導は行うようにしていますので、気になることや分からないことなどがある場合はいつでもお気軽にお尋ねください。