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院長ブログ
2024.11.30
切端咬合について

こんにちは。メープル矯正歯科の山口です。

今回は、切端咬合(せったんこうごう)についてお話していきたいと思います。

切端咬合とは、歯の切端(上下の前歯の先端部分のことを指しています)が噛んだ時に上下前歯の先と先がピッタリ合ってしまうことを指しています。意外に知らない方が多いのですが、基本的にヒトの歯は上の歯が下の歯の少し外側にあるのが正常な状態です。そのため、この切端咬合の状態は噛み合わせ的には良い状態ではなく、いろいろなデメリットが生じてしまいます。

ではそのデメリットについていくつか紹介していきます。

■前歯の咬耗
まず挙げられるのが、上下前歯の咬耗です。上下の切端がぴったりと合わさるような状態のため、噛んだ時に切端同士がぶつかります。上下の歯がぶつかってしまうと歯のエナメル質が削れる可能性が高くなり、エナメル質が削れてしまうと歯が沁みたり、痛みを感じるようになります。また、虫歯になるリスクも高くなるため注意が必要です。

■咀嚼機能の低下と顎関節症のリスク
次に懸念されるのが咀嚼機能への不具合です。上下の前歯が当たらないように変な噛み癖がついてしまい、奥歯で食べ物をしっかりと咀嚼できなくなってしまうことがあります。また、顎関節への負担が増加してしまうリスクもあります。叢生(デコボコ、乱ぐい歯)などわかりやすい症状がないとこの顎関節への負担になかなか気づくことができず、顎関節症に発展してしまうリスクも出てきまので注意が必要です。

■見た目の問題
機能面以外にも顔貌へ影響を及ぼしてしまう可能性もあります。上にも書いたように、上下の歯が咬耗してくると、その違和感や痛みから前歯を使わずに奥歯だけでなんとか食べ物を食べようとする癖がつくことがあります。そのため、左右どちらかだけで食べ物を噛んでしまい、顔の左右のバランスが崩れてしまう可能性もあります。

この様に、切端咬合には様々なデメリットがあります。臼歯の噛み合わせに問題が少なく、比較的軽度な症状であれば矯正治療だけで改善が見込まれますし、骨格から改善が必要な場合はその根本原因を改善するように治療計画を立案していきます。いずれにしても、レントゲンなどを撮影して、しっかり診査・診断を行わないと確かなことは言えませんので、気になることがある場合はまず相談に来ていただけたらと思います。治療計画に納得していただいてから治療を開始するようにしていますので、分からないことや不安なことがある場合はいつでも遠慮なく仰ってください。