こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。
今回は、前歯部の部分矯正についてお話していきたいと思います。
春休みが近づくこの時期になると、新しい生活の準備をする方も増えてきて、矯正治療の相談件数も同様に増える傾向にあります。特に最近は、「部分矯正は費用が安い」や「部分矯正は治療期間が短い」といった口コミやネット記事などを見て自分もやりたいと相談に来られる方が増えてきています。
しかし、部分矯正は全員に適応できるというわけではなかったり、しっかりとした検査と診断をもとに治療しないとトラブルの原因にもなるので、注意が必要です。
いくつか症例を挙げてみてみましょう。
■軽度の叢生
前歯のみ軽度の叢生(凸凹、乱ぐい歯)があるという方は適応できる可能性が高くなります。ただ、上下の噛み合わせや、前歯を動かしたときの歯列全体のスペースなどをしっかり計算して判断するため、似たような程度の叢生でも適応できないケースもあります。八重歯や隣り合っている歯が大きく重なっているなどの中等度以上の叢生には適応が難しいことはご了承ください。
■軽度の上顎前突、軽度下顎前突
歯列全体の位置は悪くないが、歯が外側に倒れることが原因で起こっている上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、反対咬合、しゃくれ)は部分矯正が適応できる可能性があります。ただ、骨格や歯列全体が前方に出てしまっているケースでは部分矯正は難しくなります。また、特に下顎前突に関しては骨格が原因になっていることがほとんどのため、適応できるケースはとても稀なケースです。
■治療後の後戻りしたケース
矯正治療を受けた後に少しだけ後戻りをしてしまい、軽度な叢生などが出てきているケースがあります。こちらは比較的適応しやすいケースが多いかと思いますが、こちらも程度によっては適応が難しいことがあります。そのため後戻りをしているかなと感じている方は早めにご相談していただけたらと思います。
【しっかりと診断せずに部分矯正をやるリスク】
前歯部の歯並びを並べるだけでよければもっと多くの方に部分矯正を行うことはできるのですが、その他の部位がしっかりと噛み合わさっていなければ、咀嚼など日頃から掛かる力で徐々に歯列が乱れてしまうという可能性が非常に高くなります。また、最悪の場合は顎関節などに負担が掛かって、顎関節症を発症してしまう危険性もあります。
【部分矯正は診査と診断が何より重要】
上に書いた通り、患者さんの状態によって部分矯正が適合するかどうかは変わってきます。そのため、メープル矯正歯科では、しっかりと診査・診断をした後に部分矯正で治療できるかどうかをお伝えするようにしております。もちろん診断したから治療を始めないといけないということはありませんので、もし気になっているという方は相談だけでもお越しいただけたらと思います。きちんとわかりやすく現状を踏まえてご説明するようにいたします。