BLOG|矯正の本音

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1970.01.01

舌の筋肉

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今日は舌の筋肉について少し見ていこうと思います。

以前舌癖について書いたことがありますが、歯並びは舌の力にも影響を受け、場合によっては不正咬合の原因にもなります。もちろん唇の筋肉にも影響を受けるため、舌と唇の筋肉バランスも近年重要視されるようになってきました。

今回は舌癖だけでなく、筋肉全体にもう少し視野を広げてお伝えできればと思います。

まず、当たり前のことですが、舌にも筋肉があります。この筋肉は生まれてから機能しはじめ、成長とともに発達してきます。生まれた瞬間から呼吸のために使われはじめ、ほぼ同時に母乳や唾液を飲み込むためにも使われます。



また泣き声を上げたり、声を出せるようになると更に筋肉は頻繁に使われ、段々成長すると共に舌で音を鳴らしたり舌遊びをする中でまた強くなってきます。

更に固形物を食べられるようになる頃には、咀嚼した食べ物を喉の奥へと送り込む機能も果たします。



このように本来自然と発達し、筋肉も強くなってくるのですが、軟らかいものしか食べないなどの生活習慣から、舌の筋肉の発達が遅れてしまうことが近年よく見られます。

舌の筋肉の発達が進まないと食べ物を飲み込む力も弱く、食事に時間がかかり始めます。また発音も切れのある音を発することが出来なくなってしまいます。これが当たり前の状態になっていると、本来上あごについている舌が下に降りてきます(低位舌)。



舌が降りてきている状態(低位舌)でまず生じる弊害は気道が狭くなることです。気道が確保されなくなると口呼吸になります。口呼吸になると食べ物を飲み込む際に舌は外に押出よう(嚥下癖)として、下顎前歯を押してしまい、下顎前突(受け口、反対咬合)やオープンバイト(開咬:前歯が咬んでいない)などの不正咬合につながります。





また口呼吸になると口腔内は乾燥します。乾燥すると唾液による自浄効果も下がり、齲蝕(虫歯)などの原因にもなってしまいます。

舌癖が不正咬合の原因の一つとなっていることはだいぶ多くの方に認識されてきましたが、舌癖のさらなる原因として軟らかいものばかり食べる習慣ということはまだあまり知られていないかもしれません。また不正咬合だけでなく、上に書いたように虫歯などの衛生面の問題へもつながってきます。



食べ物を良く噛むことは様々な面で大切です。最近では脳の発達も影響していることもわかってきました。毎日の食事が、不正咬合だけでなく健康まで含めて関係してくることが少しでも伝われば幸いです。