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CLINIC
院長ブログ
2022.7.23
歯の寿命について

こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。

今回は、歯の寿命についてお話していきたいと思います。

日本歯科医師会では、6月4日から10日までを歯と口の健康習慣と定めて、「歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的とする。」という活動を行っています。

ただそうは言っても歯の寿命がどれぐらいなのかという事を把握している人は少ないかと思います。少し前のデータですが、厚生労働省調査の歯の寿命に関するデータによれば、男性は下顎犬歯(66.7年)、女性は下顎右側の犬歯(66.2年)が一番寿命の長い歯となっています。反対に、下顎左側の第二大臼歯が男女ともに一番寿命の短い歯だとされています。(男性で50年、女性で49.4年)
(参照:https://www.mhlw.go.jp/topics/0105/tp0524-1-10.html

このデータから見えてくるものとして、歯列の前方よりも後方の方が、寿命が短くなっているという事です。日本人の歯を失う原因の半数以上が歯周病、約3割が虫歯によるものとされていますので、メンテナンスのしにくい大臼歯の寿命が短くなるという事も納得の結果かなと感じます。そんな中、歯列矯正では叢生(デコボコ、乱ぐい歯)などで磨きにくくなっている部位の改善も行えるため、歯の寿命を延ばすという事については間違いなくプラスに働いているかと思います。

また最近では、咬み合わせが悪い状態で当たっている歯にだけずっと力が加わり続けることによって歯が抜けてしまうリスクが高くなったり、歯が抜けてしまって咀嚼機能が低下すると認知症のリスクが高くなるという事も言われています。いろいろな観点から、歯の寿命を延ばすという事は大切だという事がお分かりいただけるのではないでしょうか。

日本人男性の平均寿命が約81歳、女性が約87歳と言われていますので、何もケアをしないと歯の方が先の寿命を迎えてしまうことになります。そうならないためにも、日頃から歯のメンテナンスを行い、健診はしっかりと受けていただくことをお勧めいたします。また、叢生などで歯が磨きにくいなと感じたり、顎が痛くて口を大きく開けられないなという人は矯正治療での改善の可能性もあります。いずれにしても一人で悩まず、些細な事でも相談していただけたらと思います。その人に合ったアドバイスを行わせていただくよう努めて参ります。