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CLINIC
院長ブログ
2022.9.14
前歯の咬み合わせについて

こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。

今回は、何らかの原因で前歯の咬み合わせが悪くなり、食べ物が咬み切れないという症状に関してお話していきたいと思います。

まずは具体的にどの様な相談が寄せられているのかを少し紹介していきます。

サンドイッチを食べる時に、中に挟まっているレタスがいつも噛み切れずにパンの方に残されてしまう。焼き肉などで少し大きいお肉を噛み切ろうとした時にうまく噛み切れず、食べるのに苦労するなどのお話を伺うことが多いです。これだけで相談に来られる方は多くはないですが。矯正相談に来られて人に伺ってみると、こういった経験があるという割合は比較的多いように感じます。この前歯で物が咬み切れないというのは何が原因なのでしょうか?

まず考えられる要因として、上顎前突があります。日本を含むアジア地域では比較的この上顎前突は多く見られるケースで、いわゆる出っ歯になっている状態を指しています。上あごの前歯が前にずれているため、下あごの前歯と接触せず、噛み切りにくいという症状です。ただこれは下顎を少し前に出しながら噛むと噛み切れるケースもあるため、本人も言われてみれば確かに噛み切りにくいことがあるかな程度の認識の方も多いです。ただあまり顎位を変えながら物を噛むという事は、将来的に顎関節などに悪影響が出てくる可能性もあります。

次に考えられる要因として、前歯部の開咬(オープンバイト)です。これは見たらすぐにわかることですが、歯を咬み合わせた時に上下の前歯が咬み合わず、開いてしまっている症状のことを指しています。そもそも接触しないので食べ物を噛み切ることが難しいですし、本人も気が付きやすいので相談に来られる方も多くいらっしゃいます。

これ以外にも細かな要因はたくさんあり、前歯で食べ物を噛み切れないと言っても原因を特定するためには検査をして詳しく調べる必要があります。また、食事の観点からお話してきましたが、それ以外にも問題となる可能性があるため、そちらもご説明いたします。

上記の上顎前突の項目でも書きましたが、前歯部が無理なく自然と咬み合わさる状態でないと、どこか無理をして歯を接触させることになります。普段あまり気にならないような小さな行為ですが、長年積み重なると顎関節や他の部位に悪影響が出てくる可能性も否定できません。

また、食べ物を食べる時やスポーツなどでグッと力を入れて歯を喰いしばる時、とても大きな力が掛かるため、上下の歯で掛かる力を分散して受け止めるという事もとても大切です。ただ上顎前突や開咬などで歯が咬み合わさっていない部分があると、その部分の力は他の咬み合わさっている歯で多めに受け止める必要が出てきます。そうすると大きな力が掛かりすぎる歯が出てくる可能性があり、歯や歯周組織を痛めてしまうことも考えられます。

この様に、今すぐには大きな困りごとにならなくても、将来的に問題が出てくる可能性もあります。ふとご自身の普段の生活を思い返してみて、思い当たることがある方は一度相談だけでもお越しいただくことをお勧めいたします。今の状況を踏まえてアドバイスするようにいたします。