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CLINIC
院長ブログ
2016.9.9
MFTについて

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日はMFT(口腔筋機能療法)についてご紹介したいと思います。あまり聞いたことがない言葉かと思いますが、実は矯正治療後の後戻りを防ぐ観点からも大切なものになります。日本語だと口腔筋機能療法と訳されますが、Myo=筋肉、Functional=機能、Therapy=療法の略で、舌や口腔筋のトレーニングをすることで、後戻りを防ぎ、舌を本来の位置にもってくる、あるいは付随する様々な健康を手に入れることを目的としています。

矯正治療は歯にブラケット(矯正装置)とワイヤーを装着して実際に歯列を並べる期間である「動的治療期間」と、後戻りを防ぐ「保定装置期間」とがあります。MFTは主に保定装置期間に関係するものではありますが、歯並びが悪い原因に挙げられる舌癖の改善を考えると矯正治療全体に関わるポイントになります。

歯は弱い力でも動くということを以前お伝えしたことがありますが、筋肉によって歯並びが悪くなることも、綺麗な歯列を維持することもあります。例えば舌が本来の位置になく、上下の前歯の間に常に入っている場合、唾液や食べ物を飲み込むたびに前歯を外に押し出し、それが原因で上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、しゃくれ、受け口)になってしまうこともあります。

またアレルギー性鼻炎などにより、口呼吸が困難で常に口が開いてしまっている場合(開口、オープンバイト)も、歯列を抑える唇の筋肉が機能していないことから同様の不正咬合につながるケースもあります。アレルギー性鼻炎が成人になって改善されても、そこから身についた舌癖が残ってしまい、綺麗な歯並びを維持することを阻害してしまうこともあります。

具体的にはMFTはガムを口蓋(口の中の上の部分)に舌で押し付ける、唇をパッと音が鳴るように開く、など誰でも簡単に出来るものがほとんどです。舌癖を始め、身についた習慣をこういった簡単に出来るトレーニングを行うことから改善していきます。

歯列矯正は、単に叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)などを改善し、綺麗に並べるだけではありません。噛み合わせを含めた改善、そして長く綺麗になった咬合を維持することまで考えての治療になります。常に長い目で、そして筋肉、健康も含めた広い視点での魅力ある顔貌を手に入れていただきたいと思います。