こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。
今回は、反対咬合(受け口)について少し詳しくお話していきたいと思います。
反対咬合とは、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯よりも前に出た噛み合わせの状態とを指します。別の呼び方としては「下顎前突」や「しゃくれ」といったものもあり、こちらの方が聞き覚えはあるかもしれません。ただ細かく言いますと、大臼歯の関係で判断していますので、見た目がしゃくれていなくても反対咬合という場合もありますので完全に同意語かというと少しだけ違うところもあります。
見た目の上でしゃくれている場合は矯正治療を検討するという方も多くなるかと思うのですが、見た目ではわかりにくい反対咬合の場合、ご自身では治療を検討するかどうかの判断が難しいと思います。
ただ、反対咬合は見た目の問題もそうですがそれ以上のデメリットというのもありますので知っておいて貰えたらと思います。
では反対咬合の種類から説明していきます。
■機能性反対咬合
この反対咬合の原因となるのは、普段からの咀嚼の癖が主なものです。顎を楽な位置で咬もうとすると、上下前歯の先と先で咬めますが、この際、臼歯(奥歯)が咬まない咬み合わせとなります。食べる際に咬み合せるときに下顎は後ろへは動かないため、仕方なく下顎を前に出すことにより臼歯(奥歯)で咬めるようになりますが、下顎を前に出しているので、前歯は反対咬合の状態となってしまいます。状況や症状にもよりますが、多くの場合、上顎前歯が内側(後方)に傾斜していることが多く、矯正装置により少し外側(前方)へ傾斜させることによりこちらは比較的簡単に治療を行うことができます。
■骨格性反対咬合
この反対咬合の原因となるのは、遺伝などによって下顎がかなり大きく発達することによって下顎の歯列の方が前に出ることが挙げられます。こちらの治療は機能性反対咬合と比べると難しいことが多く、子供の場合は上顎の成長を促しながら少しずつ改善できる可能性もあるのですが、成人の場合は外科治療が必要なときもあります。
反対咬合は歯磨きがしにくかったり、長くその状態で噛み続けてしまうことで、影響する歯に不要な力が加わって抜けてしまうことすらあります。また、噛み合わせが悪い状態なので顎の関節に負担が掛かり、顎関節症になる危険などもあります。
骨格性反対咬合の欄でも書きましたが、小児期に治療を行うことで反対咬合の治療選択肢は増えますので出来ることなら早めの治療をお勧めしております。その時に癖の改善なども同時に行なうことで、将来の後戻りや不正咬合の悪化もある程度予防できるようになります。
この様に、反対咬合は見た目的にも機能的にも問題を引き起こす可能性がありますので何か気になることがある場合は早めに話だけでも聞きに来てもらえたらと思います。