メープル矯正歯科の山口です。
今日はブラックトライアングルに関して書いてみようと思います。ブラックトライアングルはあまり耳慣れないかもしれませんが、多くの成人の方に見られる歯の状態で、歯茎の退縮によって歯と歯の間に三角形の隙間が出来ることを言います。
矯正治療前は捻転(歯がねじれている)や叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)がありますので、この歯茎の退縮は目立ちません。いざ歯列矯正をして歯並びが綺麗になると、歯茎の退縮が目立ちますので、突然現れたと間違われる患者さんもいらっしゃいますが、決して治療に失敗して出現するものではありません。また、歯茎の退縮に関しては年齢と共に進みますので、治療してから後からブラックトライアングルが出てくる可能性もあります。
このブラックトライアングル自体には特別害はありません。強いて挙げるなら食べ物が挟まりやすく、齲蝕(虫歯)から歯周病につながる可能性があるという点です。ブラックトライアングルをなくす方法としては歯と歯がぶつかる部分を削り(ストリッピング、ディスキング)、歯の隙間を埋めることもできますが、上下のバランスを考えるとしっかりと診断する必要はあります。
歯列矯正後にブラックトライアングルが出るかどうかは初めの診断である程度わかるので、気になる方は矯正専門の先生に確認してみてください。
ブラックトライアングルに対する対策としては、やはり一番は原因となる歯茎の退縮を抑えることだと思います。年齢によるものはどうにもなりませんが、日々のブラッシングを丁寧にすることで、歯茎を健康に保ち、退縮を遅らせることにつながります。また食事の際によく噛むということもとても大切になります。
歯と歯茎を健康に保つために、矯正治療を行う患者さんも最近ではとても増えてきています。叢生(歯の凸凹)だけでなく、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口)のような噛み合せに問題がある場合に歯周病につながる可能性が上がるというデータもあります。
ブラックトライアングルだけでなく、様々な健康の観点から矯正治療に関してお伝えしていければと思います。
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