こんにちは!
メープル矯正歯科の山口です。
インビザラインで治療中の患者さんから、「マウスピースが少し浮いている気がします」「前歯のところに隙間があるのですが大丈夫でしょうか?」「しっかりはまっていないように見えます」といったご相談をいただくことがあります。

マウスピースは本来歯にぴったり合うように作られているため、装着したときに隙間があると心配になりますよね。
今回は、マウスピースが浮いて見える原因と、気になったときの対処法についてお話ししていきます。
<インビザラインが浮くとはどういう状態?>
インビザラインが「浮いている」というのは、マウスピースが歯にぴったりはまらず、歯とマウスピースの間に少し隙間ができている状態のことを指します。
特に前歯の先端部分や、歯のねじれが強い部分、動かす量が大きい部分などで気づくことがあります。
装着した直後に少しだけ隙間がある程度であれば、必ずしも大きな問題とは限りません。ただし、浮きが大きい場合や、数日経っても改善しない場合は、歯の動きが計画通りに進んでいない可能性もあるため注意が必要です。
<新しいマウスピースに交換した直後は浮いて見えることがあります>
インビザラインなどのアライナー矯正は、段階ごとに少しずつ形の違うマウスピースを使って歯を動かしていく治療です。
そのため、新しいマウスピースに交換した直後は、まだ歯がそのマウスピースの形に完全には合っていない状態です。最初の数日は少しきつく感じたり、部分的に浮いて見えたりすることがあります。
これは、マウスピースが歯を動かそうとしているために起こる自然な反応でもあります。装着時間をしっかり守り、チューイーを使ってきちんとはめ込んでいくことで、徐々にフィットしてくることも多いです。
<装着時間が足りないと、マウスピースが合いにくくなります>
インビザラインに限らずすべてのアライナー矯正でとても大切なのが、装着時間です。
基本的には、食事や歯みがきの時間を除いて、1日20時間以上の装着が必要になります。この時間が不足してしまうと、歯が予定通りに動かず、次のマウスピースに交換したときに合いにくくなることがあります。
たとえば、外食が続いて外している時間が長くなったり、つい装着を忘れてしまったりすると、少しずつ計画とのズレが出てしまうことがあります。
マウスピース型の矯正装置は取り外しができることが大きなメリットですが、その分、患者さんご自身の協力もとても大切な治療です。

<チューイーを使えていないことも原因になります>
マウスピースを手で入れただけでは、奥までしっかりはまっていないことがあります。
そのようなときに使うのが、チューイーと呼ばれる小さな補助具です。チューイーを噛むことで、マウスピースを歯にしっかり密着させることができます。
特に新しいマウスピースに交換したばかりの時期は、チューイーをきちんと使うことが大切です。浮いているように見えても、チューイーを使うことで改善することがあります。
反対に、チューイーをあまり使わないまま過ごしていると、マウスピースがしっかり入らず、歯の動きにも影響してしまうことがあります。

<アタッチメントが取れている場合もあります>
インビザライン治療では、歯を効率よく動かすために、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起をつけることがあります。
このアタッチメントは、マウスピースが歯をつかみやすくするための大切な役割を持っています。
もしアタッチメントが取れてしまうと、マウスピースがうまくフィットしなかったり、予定していた歯の動きがしにくくなったりすることがあります。
「以前よりはまり方が違う」「一部分だけ急に浮くようになった」という場合は、アタッチメントが取れていないか確認が必要です。ご自身ではわかりにくいこともありますので、気になる場合は医院で確認するのが安心です。
<歯の動きが計画より遅れていることもあります>
インビザラインでは、事前に立てた治療計画に沿って歯を少しずつ動かしていきます。
ただし、すべての歯が同じスピードで予定通りに動くとは限りません。歯の形や根の向き、動かす方向によっては、計画より少し遅れることがあります。
その結果、マウスピースとの間に隙間ができたり、浮いて見えたりすることがあります。
このような場合、装着時間の見直しやチューイーの使用で改善することもありますが、状態によっては治療計画の調整や追加のマウスピースが必要になることもあります。
<マウスピースの変形にも注意が必要です>
インビザラインのマウスピースは、熱に弱い素材でできています。
そのため、熱い飲み物を飲むときに装着したままだったり、熱湯で洗ったり、高温になる場所に置いたりすると、変形してしまうことがあります。
マウスピースが変形すると、歯に正しくフィットしなくなり、浮きや違和感の原因になります。
洗浄するときは水またはぬるま湯を使い、外したときは専用ケースに入れて保管するようにしましょう。
<浮いていると感じたときに自分でできること>
まず見直したいのは、装着時間とチューイーの使い方です。
外している時間が長くなっていないか、マウスピースを入れたあとにしっかり噛み込めているかを確認してみてください。
新しいマウスピースに交換したばかりで少し浮いている場合は、数日かけてなじんでくることもあります。ただし、明らかに大きく浮いている場合や、痛みが強い場合、数日経っても変わらない場合は、自己判断で進めずに医院へ相談することが大切です。
特に注意したいのは、自己判断で前のマウスピースに戻したり、次のマウスピースへ進めたりすることです。状態によって対応が変わるため、気になるときは必ず確認しましょう。

<少しの浮きでも、気になるときは相談してください>
マウスピースの浮きは、治療中に比較的よく見られることです。
新しいマウスピースに交換した直後の一時的なものもあれば、装着時間の不足や歯の動きの遅れが関係している場合もあります。
大切なのは、「これくらいなら大丈夫」と自己判断しすぎないことです。早い段階で確認できれば、大きなズレになる前に対応できることもあります。
アライナー矯正は正しく使うことで治療の精度が高まりやすい治療です。装着時間やチューイーの使い方を意識しながら、気になることは早めに確認して、安心して治療を進めていきましょう。
