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院長ブログ

こんにちは!メープル矯正歯科の山口です。

インビザラインなどのマウスピース型矯正装置での治療を希望される患者さんは年々増えてきています。やはり裏側矯正同様に治療中に見えにくいというメリットと、自身で取り外し可能なのでストレスが少ないというイメージが強いのではないでしょうか?

いろいろな歯科医院でこのマウスピース型矯正装置での治療を掲げるようになり、矯正専門の歯科医院でも治療するところが増えてきました。

今回はこのインビザラインのようなマウスピース型矯正装置での治療において、虫歯に関して注意しましょうというお話です。

普通に考えてマウスピース型矯正装置は通常の歯に装置を着けるブラケット治療より歯磨きがしやすいため虫歯になりにくいと思われがちです。確かに取り外して歯磨きをするので、歯磨きという視点では間違いありません。

しかし、実は唾液には自浄効果といって、口の中をきれいに洗い流してくれる効果があります。そのため、インビザラインをはじめ、マウスピース型の矯正装置を着けている間は唾液による自浄効果がありません。もし、しっかりと歯磨きをせずに食べ残しなどが残ったまま、マウスピースをはめると虫歯リスクが高まってしまいます。つまり、その点で考えるとマウスピース型矯正装置の方が虫歯のリスクが高いとも言えるのです。

治療期間中に虫歯になってしまうと、虫歯の段階にもよりますが矯正治療を中断して虫歯治療を優先することもあります。

基本的にブラケット治療と比べて平行して治療を行えますが、C2(中等度の虫歯)までくると、虫歯治療を優先するケースが多くなります。虫歯治療で歯の形状が変わってしまう場合、マウスピースを作り直すこともあります。

C3,C4(中等度から重度の虫歯)まで来てしまうと、抜歯の可能性も出てきます。そうなってしまうと治療計画をはじめから立て直す必要もでてくるため、治療期間は大きく遅れてしまうでしょう。

今回お伝えしたいのは、インビザラインなどのマウスピース型矯正装置での治療は「虫歯のリスクがあるからやめておこう」ではなく、「しっかりと歯磨きをしましょう」ということです。

一昔前と違い、重度の叢生(デコボコ)で抜歯が必要になる不正咬合でもマウスピース型矯正装置で治療できるようになってきました。矯正治療の進行状況を定期的に確認するために来院いただきますが、その都度虫歯のチェックもしているので、虫歯になりやすい状態の患者さんでも重度の虫歯まで進行するということはまずありません。

インビザラインをはじめ、マウスピース型矯正装置は「簡単」に治るというイメージが先行してしまっていますが、そのメリットを生かしつつ、しっかりとブラッシングを行って口の中を清潔に保ち、計画通りきれいな歯並びを手に入れていきましょう。

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