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CLINIC
院長ブログ
2018.7.28
歯並びを維持するために

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は矯正治療が終わった後、どういうことに気を付ければ綺麗になった歯並びを維持していけるかということについて紹介していきたいと思います。

矯正治療は、患者さんごとに異なる不正咬合を改善していくための治療です。叢生(八重歯、乱ぐい歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(しゃくれ、受け口)など挙げ出すとキリがないのですが、患者さんごとにこういった不正咬合が1つまたは複数絡み合って口腔内に起こっています。またそれぞれの症状は患者さんによって原因が違います。

そのため、単純にこの症例にはこうするという治療方法だけではしっかりと改善することが難しいので、患者さんごとにしっかりと検査・診断を行い、治療方針を1人1人決めていくということが重要になります。

この1人1人違った原因に対して治療計画を立てるということは、治療を行う上でももちろん大切ですが、その後の歯列を維持していくという観点でも非常に大切になります。

矯正治療を行うまでは、“不正咬合を持った状態を維持していた”ため、口腔内の状態はそれが通常の状態のようになっています。そのため、矯正治療できれいに歯並びを整えてもまた元の状態に戻ろうとする力が掛かってしまうのです。後戻りという現象なのですが、これは不正咬合の原因が残らないように治療していくことが大切になります。

ただ原因を取り除くだけでは後戻りの予防としては不十分になります。では他にどの様なことが必要になるのかというと、ブラッシングと保定装置の装着が挙げられます。

■ブラッシング
これは矯正治療に限ったことではありませんが、虫歯を予防するためにブラッシングは大切です。虫歯が悪化することによって、歯周病が進行してしまったり歯を抜かなくてはいけなくなってしまうと、せっかくきれいに並べた歯並びもそのスペースに歯が倒れこんで崩れてしまうことがあります。上下の噛み合わせのバランスも崩れてしまうと、顎の関節に負担が掛かって、顎関節症という症状になってしまうこともあります。これは治療中にも言えることですので、治療開始の時に行なうブラッシング指導の内容をしっかりと理解し、継続してもらえたらと思います。

■保定装置
リテーナーとも言いますが、この保定装置というのは歯の裏側にワイヤーを接着したり、マウスピースのように取り外しが出来るものなどがあります。きれいな歯並びの状態を型取っているため、この装置が入っている間は歯が後戻りをしようとする力をかなり食い止めることが出来ます。しかし、しっかりと装着してもらえなかったり、接着したものが外れてしまったのにそのままにしておくなどの期間が続くと、後戻りの力に耐えられなくなってきます。保定装置の重要性をしっかりと理解して、装着するようにお願いします。

この様に、矯正治療とは患者さんと矯正歯科医が一緒に長い期間をかけてきれいに整えていく治療になります。治療後、少しでも長く歯列を維持してもらえるように患者さんに合ったアドバイスを行なっていますので、内容が分からなかったり、他に気になることがあれば気軽に尋ねてみてください。