BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2016.05.27

第一印象と歯並び 口元を隠す?

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は見た目に関係する、第一印象について考えていきたいと思います。

矯正治療を受けられる方は様々ですが、共通して改善したいのは「見た目」ではないでしょうか?もちろん上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、しゃくれ、反対咬合)などの重度の不正咬合の場合は、食べ物を噛む機能の改善や発音の問題の解決につながる為、見た目以上の感動が矯正治療後に待っていたりします。




今回見た目に関する意識調査結果で面白いものを見つけましたので、まずはこちらをご紹介したいと思います。この調査は矯正歯科医会の神奈川支部が行ったもので、結構みなさんにも当てはまるかもしれません。

Q. 笑う時に口元を隠しますか?

A. Yes:89.6%

なんと9割の方が口元を隠すんですね!みなさんの中でも口元を隠す癖がある方は多いのではないでしょうか。

同じような調査を海外でしたところ、アメリカで16.7%、イギリスで0%というデータもあるそうで、大きな開きに驚きました。

口元を隠す理由としては、叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)や、正中離開や隙っ歯などの不正咬合を隠したいというのがほとんどの理由だったそうです。食事の際に口元を隠すというのは、マナーの一環として考えられますが、日々の生活の中でも不正咬合を気にしているという方も多いことがわかります。

少し視点は変わりますが、多くの方が第一印象を大切にしているというのも見えてきます。約30秒で相手の印象を決めてしまうというのはよく聞きますが、歯並びが綺麗か、悪いかというのも相手への印象に大きく影響を与えているのではないでしょうか。中学入学前や、就職活動前に歯列矯正治療を受けられる方が増えてきているのもこういったところからきているのかもしれません。

矯正専門医としては咬合関係や歯並びだけでないトータルでの健康を考えて治療していますが、見た目の改善で心から喜んでもらえるのは何よりうれしく思います。第一印象だけでなく、自信を持った毎日が送れるお手伝いが出来れば幸いです。

 

2016.05.20

小児矯正のサポート

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は小児矯正について少し書いていこうと思います。

小児矯正は顎の成長を促すなど成長段階だからこそできる矯正治療のメリットがあるため、早い時期からの矯正治療を検討される方が増えています。そのような中、今日は大人としてのサポートの観点からお伝えできればと思います。

まず、神奈川県の日本臨床矯正歯科医会で行われた調査をご紹介したいと思います。

Q. 子供の矯正治療を決めた理由は何ですか?

・子供の将来を考えて(親が決めた):70%

・子供本人が希望した:30%

お子様本人が矯正治療を希望した場合ももちろんありますが、7割の場合親御さんが治療を決めたというデータです。

治療目的としては、発音の問題、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)などの見た目に大きく関わる不正咬合の改善など様々あります。理由は様々ですが、今回注目したいのが、大半が子供本人の意志で治療を開始したわけではないという点です。矯正治療はある程度の期間が必要になります。小児矯正の場合は骨のサポートをする期間から永久歯に生え替わり本格治療に入り、そして保定装置期間へと続きますので、成人矯正よりもトータルで考えると長くかかる場合があります。

この矯正治療期間において、単にブラケット(矯正装置)を取り付けて歯が並ぶというだけでなく、実は取り外しの矯正装置を使う場合も多いです。当院で使用している取り外し装置は、上あごと下あごを同時に拡大しますが、なるべく長い時間装着する必要があります。しかし、この装置はご自身で取り外し可能なため、患者さん本人の協力が必要不可欠になります。

自分の意志で矯正治療を開始していない場合、着脱式のものを装着したがらないというケースもあります。そういった時には親御さんのサポートが必要になります。

常に装着しているかの確認をするということではなく、患者さん自身が装着をするよう、日々コミュニケーションを取っていっていただきたいと思います。矯正治療は長い期間が必要になりますが、歯並びや噛み合せがどんどん改善してきていることも実感できます。それを家族一緒に楽しみながら進めていっていただくことがとても大切です。

本人、ご家族が前向きに矯正治療を捉えると、矯正治療中にうまれる疑問や不安なども矯正専門医と相談しながら進めることにもつながります。ぜひ日々矯正治療を楽しみながら、そして本人、親御さん、そして矯正専門医とパートナーを組んで進めていければと思います。

 

2016.04.29

八重歯の話

メープル矯正歯科の山口です。

 

前回は親知らず(智歯)に関して書きましたが、今回は八重歯に関してお伝えできればと思います。

八重歯というと、上顎の犬歯をイメージされる方が多いのではないでしょうか?しかし実は八重歯=犬歯ではなく、正常な歯列から飛び出している歯のことを八重歯といいます。「押歯」「添歯」「鬼歯」など色々な呼び方がありますが、多くの場合は犬歯が歯列からはみ出すケースが多いため、八重歯=犬歯というイメージが定着しています。

 

そもそも八重歯はなぜ生まれるかというと、大きく分けて二つあります。一つは顎の骨の劣成長からくるものです。歯が並ぶスペースがないことで叢生(デコボコ、乱ぐい歯)などは生まれますが、この八重歯も歯列にきっちりと並ぶスペースがないために本来の歯列からずれて生えてきます。特に上顎犬歯(犬歯はレントゲン写真の「3」の歯です)は最後に生えてくることが多く、スペースが足りないと結果として内側や外側にはみ出して生えてしまいます。二つ目は遺伝的要素です。先天的な歯冠幅や骨格にも左右されます。

 

この八重歯に関して、一昔前まではチャームポイントとして捉えられてきた傾向がありますが、最近では衛生面、健康面、ケガのリスクなどの面から歯列矯正で治す患者さんが増えてきています。

衛生面、健康面から八重歯を考えると、歯磨きの難しさがまず挙げられます。飛び出した歯のすぐ裏側(舌側)には隣に並んでいるはずだった歯がありますので、当然歯ブラシはうまく届かず磨き残しが発生しやすい状況になっています。この磨き残しがプラークになり、更に歯石へと進んでいきます。結果として口臭の問題や、齲蝕(虫歯)から歯周病につながり、最悪抜歯が必要になってしまうこともあります。

また最近増えてきているのが、ケガのリスクです。激しいぶつかり合いがあるようなスポーツや部活動をやられている子供の患者さんが多く治療するようになりました。ぶつかった際に口腔内を傷つけてしまうというリスクもありますが、場合によっては歯が折れてしまうというケースも報告されています。

 

更に見た目を気にして八重歯の矯正治療をされる方が矯正歯科医院へ来るようになってきました。上に書いたように八重歯はチャーミングポイントとして捉えられてきましたが、実は欧米諸国ではドラキュラを連想することから敬遠されてきています。海外への留学や、外国の方とお仕事をされる方は特にこれを意識してか歯列矯正を受けるようになってきています。

 

八重歯の矯正治療に関しては、歯列が正常に並ぶように歯列を広げる治療や、大臼歯を後方に移動する場合、また抜歯してスペースを作るなど様々あります。小児矯正の段階からスタート出来る場合は顎の成長を促すことでスペース確保することもできます。いつまでに八重歯を改善しなくてはいけないということはありませんが、顎の成長をサポートしながらの早い段階の方が非抜歯での治療可能性が高くなります。気になる場合は矯正専門医へ問い合わせしてみてください。

2016.04.12

親知らずの話

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、親知らず(智歯)についてお話していきたいと思います。

皆さんも親知らずの名前は聞いたことがあるかと思います。前歯から数えて8番目の歯のことで、智歯(ちし)と呼ぶこともあります。人によっては歯茎の中に埋まった状態で、見かけ上では生えていないという人もいます。

この親知らずでよく話に上がるのが、抜歯の話題かと思います。なぜ他の歯と違って親知らずでは抜歯をするという人がいるのでしょう?もちろん抜歯せずにそのまま生やしたままという方もおられると思いますが、抜歯するのと抜歯しないのではどちらが良いのでしょうか?これは矯正専門医の中でも様々な意見があり、答えを出すのは非常に難しい問題です。

では、なぜ抜歯をする必要があるのかということについてスポットを当ててみたいと思います。

一つ目の理由として、虫歯(齲蝕)や炎症を引き起こす要因となる可能性があることです。親知らずも本来は歯列通りまっすぐ生えてくるのが理想的な状態と言えます。しかしながら、近年の食生活などの影響を受けて顎の大きさが細くなりつつあります。そのため、本来生えるべきスペースが確保できず、押し出されるように横や斜めを向いた状態で生えてくることが多くなっています。そのため歯ブラシが当たりにくいところが出来てしまい、食べかすが溜まってしまいがちです。そのことによって虫歯(齲蝕)のリスクが増し、親知らずに隣接している大臼歯にも同じように悪影響が出る可能性が高くなります。

二つ目の理由として、大臼歯を後方移動するときです。叢生(八重歯、乱ぐい歯)の治療を非抜歯で行う際に、前歯部から臼歯部にかけてきっちりと並ぶだけのスペースがあるかどうかが大きなポイントになります。スペースがあれば何も問題はないのですが、スペースが無い場合は大臼歯を後方に移動してまずはスペースを確保するという方法もあります。しかし、そこに親知らずがあるとそれ以上後方に下げるのが難しくなるため、抜歯するケースが出てきます。

この様に虫歯(齲蝕)や矯正治療が行いにくいと言った弊害が生じることが多いため、抜歯される方も多くなっているのかと思います。

メープル矯正歯科では、患者さん毎の口腔内・顎の状態をまずは検査してから、矯正治療も含めて親知らずの抜歯・非抜歯をご相談させていただいております。状態が悪くなってからだと選択肢が狭くなる可能性もありますので、まずはお気軽に御相談にお越しいただけたらと思います。

 

2016.03.16

裏側矯正は発音するのが難しくなるって本当?

メープル矯正歯科の山口です。

今日は問い合わせの多い見えない裏側矯正(舌側矯正、リンガル)について書いていきたいと思います。

日本橋、銀座という土地柄か、矯正治療中も見えない矯正ということで、マウスピース矯正や裏側矯正で治療したいという患者さんが増えてきています。そんな中、発音について懸念される方も多くいらっしゃいます。成人の方の矯正治療を受ける目的の一つとして、接客や営業など、人と接することが多いため、日々のお仕事に支障なく歯並びを治したいということからくる懸念点です。

裏側矯正による矯正治療は、発音に関しては昔と比べてはるかに改善されてきているのが実際です。厚みも1.5㎜ほどのものから、メープル矯正歯科で採用しているインコグニートのように患者さん一人一人に対してオーダーメイドでブラケット(矯正材料)のベースを作成し、できる限り歯面に近づけて装着するものが出てきました。一昔前までは矯正材料メーカーの技術も今ほどはなく、ごつごつしたブラケットしかありませんでした。その頃は確かに発音がうまくできず、裏側矯正は発音が難しいというイメージが定着しました。

かといって全く発音の問題がないかというと、個人差はありますがゼロではないと思います。口腔内は良くできていて、髪の毛一本ですらしっかりと違和感として認識できるようになっています。そのため、ブラケット装着時には確実にこれまでなかったものが口腔内につきますので、慣れるまでには少しの時間が必要です。ただこれは表側に関しても同じで、裏側の矯正装置を付けたからということに限りません。

実際は多くの患者さんは上に書いたように装置の改善もされてきているため、1週間程度で発音に関しては慣れるという方が一番多いのではないでしょうか。

特に成人の方の仕事をしながらの歯列矯正に関しては、日々のお仕事に密接に関係してくるため、発音に関して100%大丈夫ということは言い切れませんが、ほとんどの方が実際に装着してみるとイメージしていたほどの違和感はないということをおっしゃっています。またどうしてもその違和感が嫌だという場合は、症例を選びます(重度の上顎前突や下顎前突などの不正咬合は難しい場合があります)がマウスピース矯正(インビザライン)も選択肢として考えられます。ちなみに食事に関しても初めのうちは慣れが必要ですが、こちらも想像以上に早い段階でみなさん慣れているようです。

実際に矯正治療を考えるとこのように心配ごとなどが湧いてくると思います。メープル矯正歯科ではそういった様々な心配ごとを患者さんとしっかりと話し合い、治療方針を決めていければと思っております。

 

2016.03.09

セルフライゲーションブラケット

メープル矯正歯科の山口です。

セルフライゲーションという矯正治療方法をご存知でしょうか。近年では多くの矯正歯科医院で採用されるようになった治療方法で、矯正装置としても各矯正材料メーカーから多くの種類が出ています。その中でも有名なのが「クリッピー」や「デーモンシステム(デーモンシステム)」と呼ばれる矯正装置で様々な矯正医院のホームページで目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。



本来矯正治療はブラケット(矯正装置)に矯正用ワイヤーを結紮線と呼ばれる細い針金や小さい矯正用の輪ゴムで括り付けて歯をコントロールしていきます。


それに対してこのセルフライゲーションはブラケットにシャッター、あるいはクリップタイプの蓋を付けることで結紮の代用をします。結紮タイプと違い、矯正用ワイヤーを抑え付けることがないため、摩擦力が軽減して歯が早く動かせたり、弱い力で矯正治療ができ、診療時間の短縮が可能という利点があります。そのため、痛みの軽減なども注目されました。

上に書いたクリッピーというブラケットはクリップタイプの蓋がついていて、デイモンシステムはシャッター構造になっています。基本的にどちらも矯正用ワイヤーを強く押さえつけることはありません。

結紮タイプとセルフライゲーションではどちらが良いか、矯正専門医の間でも意見が分かれるところですが、矯正装置単体だけではなく矯正用ワイヤーとの組み合わせが肝心であるということも大切なポイントです。カッパーナイタイなど最先端の材質で出来た弱く持続的な力を発揮する矯正用ワイヤーとセルフライゲーションの組み合わせで、歯根吸収のリスクが低下するとの報告があります。歯は造骨細胞と破骨細胞というものが歯根において押す側と押される側でそれぞれに働き、歯根の吸収と再生を繰り返し移動していきます。そしてその各細胞を正常に働かせるには血流を妨げないというのが必須になります。セルフライゲーションのブラケットと、弱い力のワイヤーとで歯周組織に過度の力を加えないことにより、造骨細胞と破骨細胞の働きを正常にし、歯根吸収リスクを軽減できることにつながってきます。

今回セルフライゲーションについて書きましたが、そうは言っても最も大切なことは正確な診断と矯正医の技術だと思います。結紮タイプであっても歯根吸収させないように治療できる矯正医もたくさんいらっしゃいます。結紮線で結ぶ従来の方法であっても結紮の強弱によってセルフライゲーションの効果も得ることができます。セルフライゲーションでの治療においては「治療期間短縮」「痛みがない」「非抜歯」といった言葉も大体セットで出てきます。しかしあくまで患者さんの状態や診断する矯正医によるので、ご自身の不正咬合の状態などをしっかりと診てもらったうえで選択していくことが最善かと思います。

2016.02.25

下顎前突(受け口、反対咬合)について

メープル矯正歯科の山口です。

今日は下顎前突について少し書いていこうと思います。
下顎前突は「受け口」「反対咬合」とも呼ばれ、下顎の方が上顎よりも前方に出ている症状を指します。「しゃくれ」という言葉が一番身近かもしれませんが、実はこの下顎前突にもいくつか種類があり、治療のアプローチもいくつかあります。

まず大きく「骨格性受け口」と「機能性受け口」とに分けて考えてみましょう。

骨格性受け口というのは、文字通り骨格に原因がある受け口のことです。基本的に下顎が上顎よりも成長が進み、前に出ているものです。骨格性受け口の場合、上下の前歯が接触せず、比較的噛み合せが浅いというのが特徴です。上顎と下顎の成長、骨のサイズのギャップから生まれる不正咬合のため、できれば骨の成長段階にある子供のうちに治療をした方がいいといわれています。成人になってからだと上顎の骨の成長を考えたり、必要以上の下顎の成長を抑えるということもできず、外科手術になる可能性が高いためです。


骨格性受け口と区別されているのが機能性受け口です。機能性の受け口の場合は、噛み癖からくる場合が多いと考えられています。前歯で食べ物を噛む際に、無意識のうちに下顎が前に出るように力が入ってしまっているケースです。通常上顎の前歯は切端(先端)が外側に傾いていて、下顎の切端はその内側に納まっています。つまり上顎前歯が下顎前歯を覆っている状態です。


でも上顎前歯の傾きが浅く内側に傾斜してくると、前歯の切端(歯の先)同士がぶつかります。本来は、この上下前歯の先と先で咬む位置で咬みたいのですが、そうすると奥歯が咬まない状態になります。


奥歯で噛もうとすると、下顎は後ろに下がることはできないので、無理矢理下顎を前に出して咬んで、その結果受け口の状態で咬むことになります。


機能性受け口の場合は、この上顎前歯の傾きを前方に傾斜するように調整することで治すこともできるため、症状によっては比較的短期間で治療できます。ただ、この癖を放っておくと、下顎の必要以上の成長につながってしまうということも考えられます。






見た目の問題だけでなく咀嚼機能や発音につながる不正咬合のため、どちらの受け口であっても、早い段階で矯正治療を行うに越したことはありません。80歳まで20本の自分の歯を残そうという8020運動に関する研究では、8020運動達成者の中に受け口の方は一人もいなかったというものも発表されました。できる限り早い段階で噛み合せを含めた矯正治療で治して頂ければと思います。